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恋とか愛とか結婚とか  作者: 更西東花
第一章
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馨13歳 梶月-3

「話が脱線し過ぎてお伝えするのを忘れていました。馨様の実家になりますでしょうか。


もう馨様の物ですが、家は今南条家で管理していますが、ご両親の物が残されています。こちらが鍵になりますのでいつでも見に行かれても大丈夫です。


あとできればですが実家の方貸し出しを考えて頂けませんか。家は住まないと痛みますし、馨様はもう住むことは無いでしょう。


それなら南条家の者ですが借りたいと言っている者がいるのです。将来的には売って欲しいようですがまだ手放す気にならないと思いますから貸して頂ければ嬉しいと」


 手渡された鍵を見ながら考えてもすぐに答えを出せそうもない。


「一度見に行ってからでもいいですか。両親の物がどれくらい残っているのかさえ知らないのです。きっといろいろ売られてしまっていると思いますけど」


「見られて悲しまれてはいけないので先に話しますが、金に換えられるものは何一つ残っていないと思ってください。


南条家の者が行った時には宝石も着物も洋服もすべてありませんでしたし、日用品で使えそうな物さえもありませんでしたから」


「そうですか。そんなことだと思いました。孤児院に入れられた時にほぼ荷物を持ち出せなかったので、なにか形見が見つかればと思っただけです。あと一度ゆっくりと家を見て歩きたいです」


「家に行かれるときは南条家の警備を付けますので、必ず声を掛けてください。晄様にでも私にでも何日に行きたいと言って頂ければそれに合わせて警備を付けますから。勝手に行かず南条家で警備が行くのを待ってくださいね」


「方向音痴ではないので、ここから1人で行けますけど」


「いけません。警備が付くことを慣れて頂くためもありますが、失礼ですが馨様の親族がたまに覗きに来ています。馨様が親族に捕まり何かあってはいけません」


「親族とは話がついたと聞きましたが」


「ついています。付いていますが馨様に直に会って情に訴えかけ、金や地位を何とかしてくれないかと狙っているようです」


「ありえません。僕に何をしようとしたのか忘れたんでしょうか」


「知られていないと思っているんですよ。孤児院に入ったのも誰が引き取るか落ち着くまでのことだと言われていたのでしょう。


それを信じているといまだに思っているのです。両親が断っていたのも幼い時だったので知らないだろうと。上手く言えば騙せると思っているんです」


 そこまでがめついのか。両親がきりがないと手を差し伸べなかったのがよく分かる。


 きっと際限なく自分たちに与えて当然だと思っているのだろう。


「分かりました。親族に会いたくないので警備をお願いします」


「馬車が止まっていれば覗いてくるかもしれませんが、玄関に警備を別に立てますので絶対に会わせないようにしますから」


「ありがとうございます。しかし、親族がうろついているのは問題ですね。借りたいと言われている方はそれを知っているのでしょうか?」


「知っていますよ。警備部にいるものですから、家に入り込めばたたき出すと言っていました」


「空き家にして自棄になった親族に放火されても面倒ですし、貸し出して別の人が住めば諦めるかもしれませんから、両親の荷物を確認したらその方に貸したほうがいいかもしれませんね」


「でしたら、当日なるべく借りたいというものを警備に付けましょう。移動してほしい物、そのまま使ってもいい物をその場で言って頂ければこちらで対応できますから」


「そうですね……そうしてください」


「分かりました。では日時が決まり次第教えてください。急にいけなくなっても気にしないでください。玲様を一番でお願いします」


「分かりました。玲の予定も聞いてから早めにお知らせします」


 結局お金の話はほぼなく違う話で終わったので、今日は金森さんとの顔合わせだったと思うことにした。


 晄さんにお願いすれば鍛えてもらえるはずだ。


 家はもう手放すほかないだろう。貸してほしいと言われる方がいい人ならいい。もう僕があの家に住むことは無いだろう。今度見た時にもう見られないと思ってしっかりと目に焼き付けておこう。


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