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恋とか愛とか結婚とか  作者: 更西東花
第一章
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馨13歳 梶月-2

「それもそうなんですけどね。神様がいらっしゃるということがそれほど大きい事なのだということなのでしょう。


私たちもどう扱ってよいものか手探りでした。玲様は幼く説明が出来ませんでしたから、何かあっては遅いので隠すことにしたのです。


玲様は全く外に出られず隠してしまうのは簡単だったんです。そのせいで真家が天下を取りたいために宮比神様を見せないのだと噂になってしまいました」


 先日も貴祥様は玲が宮比神様の力を受け取っているのもまったく分かっていなかった。


宮比神様がいらっしゃって分からないことだらけなら隠してしまいたいと思うことは仕方ないことな気がする。まさかそんな噂が広がるなんて想像もしなかっただろう。


「なにか対応されなかったのですか?」


「新聞に天下など取れないと掲載したのですが、噂が消えることが無かったので諦めました。今でも王家も武家も玲様を狙っています。


だから警備を怠らないですし、馨様にも守れるよう鍛えて頂きます。もちろん馨様は最終手段です。そうならないように馨様も一緒に守りますので」


「警備の一人に数えてもらえるぐらい鍛えます」


「ふふ、たぶんそこまでは無理だと思います。南条家は真家のすべての警備を任されていますし、王家や武家からも基本だけですが教えを請いに来るぐらいです」


「晄さんに聞いてみます。細身ですけど、実技も成績は悪くないんです」


「そうでした。すっかり忘れていました。中等部で特待生となれたのは実技も優秀だったからでしたね。細身で美しいのでそう見えないので騙されました」


「素直に女に見えるから実技はさっぱりだと思ったと言ってくださっていいですよ」


 貴祥様や晄さんのように筋肉がつけばいいけど、どうにもつきにくいのか細いままだ。


 成長すれば筋肉がつくかもしれないけど、変わらなかったらどうしよう。


「一層のことそのままで油断させておくのもいいかもしれませんね。それはそれで武器になりますから」


「……えっ、そのままですか?」


「えぇ、女性でいたんです。優雅に振舞えますがなかなか強かったですよ。力では男性にはかないませんが、油断させながら急所を狙うので嫌がられていました。


彼女は体力も男性ほどなかったので短時間で倒せなければやられてしまいましたが、馨様は体力はあるのでしたらより強くなれるかもしれませんね」


「経理の人なのに警備の人を良く知っているのですね。もしかしてその女性は金森さんの奥さまですか?」


「とんでもない。あの頃から南条家にいた者は皆彼女に憧れたんですよ。四条のお嬢様で美しく優雅で強かった。今は当主の妻となられました」


「樹様ですか!?確かに樹様は美しい方ですが、そんなにお強かったんですか?」


「あくまで短時間での話ですが。それでもその短時間を稼げるとこは、逃げるにせよ味方を待つにせよ大きいのです。稽古の時には見物人が増えたものです。


樹様を見たさと、渚様に一撃でも入れられないものかと。結局稽古では一度も当てることはできなかったのですが、お2人とも楽しそうに手合わせしていましたね」


「それは見たかったかもしれません」


「馨様が強くなったら見物人が増えそうです。その時はぜひ見物料を取るように今から言っておきましょう」


「さすが経理担当。見られたくはありませんが、強くはなりたいですね。後で晄さんにお願いします」


「随分脱線してしまいました。玲様に寄進されるお金を馨様に、できるなら玲様自身も管理してほしいと思っています。


玲様ならなにかいい使い方を思い付くかもしれませんから。これを神殿の修繕に使ってもいいですとか」


「それは玲に許可を出してほしいだけでは……」


「そうとも言いますが、他にも使って欲しいことがあるかもしれません。馨様には先に覚えて頂いて、それを玲様と共有して頂ければ嬉しいのです。私にはとても玲様にお教えできそうもありませんから」


「金森さんは玲に近づけませんか?」


 南条家でもたまに玲に近づけないとか、顔も見られないという人がいることは聞いたことがある。でもそれは入ったばかりだったりする人で、金森さんほど長くお勤めならそんなことはないと思った。


たまに長くお勤めでも会えないという人は評判が良くなく、調べると問題を抱えていたりするので、問題を起こす前に左遷されてしまう。


 金森さんも聞いたことがあるのだろう、すぐに否定した。


「いえ、近づけますし顔も見られますが、お教えすることは緊張し過ぎでできそうもないです。はっきり言ってしまえば馨様でもなかなか緊張します。


玲様となれば畏れ多くて長く同席することも、ましてや教えるなどとんでもない」


「それは慣れれば何とかなるのではないですか?」


「あまり期待しないでください。玲様と接点がなさ過ぎて自信がありません」


「僕が一緒に居れば問題ないのでは?」


「綺麗な方が2人も並んで平気なはずがないです。お断りさせていただきます」


 大きく首を横に振り、きっぱり断られてしまった。


「では僕が玲に教えられるように勉強します。でも動かない収支を見ても勉強できませんよね」


「それは南条家の収支の一部を見ながら覚えてもらいます。晄様の替わりができるぐらいになると私たちが大変助かりますので」


「それができるようになれば給料が発生するのでしたら覚えます」


「よろしくお願いします」


 これで玲の体調管理と別に給料をもらえそうなものを見つけられた。他にもないか探さないと。


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