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恋とか愛とか結婚とか  作者: 更西東花
第一章
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馨13歳 梶月-1

 今日は汐田さんではなく金森(かなもり)さんから教えてもらうことになった。


 金森さんは南条家で経理を担当していて、お金の管理について学ぶことになった。


「まず現状からお話ししますね」


 金森さんは書類と銀行通帳を広げながら僕に説明してくれる。


「こちらがご両親が残されたお金で、こちらが保険から支払われたものです。この二つに関しては今は全く手を付けていません」


 そこには大金が記入されていた。


「これほどあるのでしたら、僕の生活費や学費に使ってください」


「馨様は特待生です。生活費は南条家が特待生として受け入れたので出していますし、学費分は真路からすべて出しています。


これは特待生を取られた方にはすべての方にしていることです。馨様からだけ取るわけにはいきません。成人してから何に使うかはご自身で考えてください」


「でも、特待生でも生活費までみることは少ないはずです。せめて生活費を支払わせてください」


 生活費が実際どれほどかかるのか分からないが、成人するまでの生活費ぐらいは支払えるだけはあると思う。


「ありえません。今までの特待生となれる人間は真家で随分活躍してくれています。保護の意味と囲い込む意味がありますから、生活費は南条家から学費は真家から支払います」


 これ以上はいくら言っても聞き入れてくれない様子なので、しぶしぶ諦め次に気になることを聞く。


「分かりました。それ以外でまとまったお金が入金されていますし、月々にも入金があります。これは何でしょうか?」


「あぁ、こちらは玲様の体調管理者としての給金です。大金が入っているのは、馨様が来られてから分かるまでの期間を見習い扱いとし、その分を一度に入金したからです。それでこちらが月々の給金となります」


「待ってください。玲の体調管理は給金を貰うためにしているわけではありません」


「もちろん分かっております。馨様が玲様を純粋に心配されてしていることだということは。


ただ、北条家も南条家も支払うだけの価値があると認め支払うことにしました。それだけの働きをしているということですので貰ってください。


それに馨様は優秀ですので貴祥様や晄様の補佐もできるようになると思いますが、今の時点でどこまでお願いするのか判断出来ていません。


馨様は玲様の許嫁です。将来自分で稼いだお金で玲様との生活をすることになります。


玲様は決して派手な生活をしたりしないでしょうが、不自由のない生活のためには貰えるものは貰っておくに越したことはありません」


 玲の許嫁となったが、結婚後の生活のことを考えなければいけないことに全く気が付かなかった。


「すみません。結婚後の生活のことなど全く想像もしていませんでした。確かに玲に不自由な生活をさせたくありません。玲のためなら受け取れるものは受け取ります」


 玲は綾様達と交流がある。食べ物も着る物も綾様達と同じようにしてあげたい。そうでないと話が合わなくて玲が悲しむかもしれない。


貴祥様や晄さんの補佐が出来れば給金がもらえるのであればそれを目指そう。


「まだ中等部ですし、許嫁になられたばかりで馨様が結婚後の生活を想像していないのは当然です。これから少しずつ考えてくださればいいことです。給金は馨様が働いて稼いだものですので小遣いが足りない場合などに使ってもいいのですよ」


「給金を貰っているのですから、小遣いをもらわなくてもいいです」


「馨様は未成年ですよ。保護者が小遣いを出すのは当然のことです。


そうですね、玲様の体調管理をして下さって、玲様がベッドから出られる日が多きことに南条家も北条家も感謝しているのです。それの気持ちの1つとして生活をみているのですから出すなと言われると困るのです」


 そう言われてしまうと何も言い返せない。


「分かりました。両親が残したものも給金も僕が管理してもたいして動かないのに何をすればいいのでしょうか」


「もちろん馨様のお金ですから、間違って引き出されていないか管理して頂くのは当然ですが、他に先々で管理して欲しいものがあるのです。


実際お金を動かすのは私たちになるあと思いますが、間違った使われ方や望まない使い方をしていないかを見て頂きたいのです。


晄様が南条家に出入りするお金を見るようなものだと思ってください」


 それなら何となくわかる。実際にはお金は動かさないだろうけど、提出された書類などで確認されるだろう。


「南条家は晄さんが見られますし、何を管理するのですか?」


「玲様に寄進されるお金です」


「……はい?玲に寄進ですか?」


「はい、玲様に毎月少なくない金額が方々から寄進されます。それは明確に神殿と分けて寄進されますので、神殿でも使えません。


今の所貯まるばかりなのですが、将来玲様の別棟を建てないとはいけないと思いますので、それにあてる予定です。それ以外では模索中で、玲様の生活費は南条家のお嬢さまの分を寄進からも出せませんし、何に使いましょうか?」


「僕に聞かれても困ります。しかしなんで玲に寄進されるんですか?」


「今でも巷では玲様は先見ができ、玲様を手に入れたものは天下を取れると噂されています。そのせいか少しでもご利益が欲しいと思うのか寄進が後を絶ちません」


「玲を手に入れても天下は取れませんよ。なんでそんな噂が消えないのか分かりません」


「馨様にそう言われると無いなとはっきり思えますね。宮比神様がいらっしゃると知っているともしかしてと思ってしまいます」


「金森さんまで。宮比神様は黎明の契りを結びなおすために来たのであって天下取りをしにきたわけではないです。


それに真家は継承していって欲しいと神と約束したから、狙われる天下から距離を取るために政治を任せたんですよね。


そのために王家や武家など政治と近い家とは結婚すらしないのに。そこに来られた宮比神様が天下を取って欲しいと願うわけない」


 本当になんでそんな話になったのかさっぱり分からない。

読んで頂きありがとうございます。

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