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恋とか愛とか結婚とか  作者: 更西東花
第一章
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貴祥15歳 椿月-1

 玲の体調が落ち着くのを待ったため日にちが掛かってしまったが馨を呼び出した。


 ここにはあの場面を見た当主たちが揃っている。その中でも南条は腹立たしいのを少しも隠そうとはしていないので恐ろしいと思うのに、馨は不安な様子も見えるが真っ直ぐにこちらを見ているので安心して問いただすことができた。


「あれは玲のためにしたことだな」


「もちろんです」


 わずかに声が震えているように思えたが、視線を外すことは無い。


「では何をしたのか報告を」


「僕は玲の宮比神様の力の調整をしています。それで、いつでも玲の体調が悪くならないよう気に掛けて……」


「馨待て!」


 宮比神様の力の話ならば東条や西条には聞かせられない。


「それ以上は東条、西条には聞く必要がないことです。馨が玲にとって重要な人物だと分かったのですから、馨のことを玲の次に重要視すること以上です。お忙しい所来ていただきましたし、お仕事に戻って頂いて構いません」


 僕は馨を止め東条家・西条家当主を追い出すことにした。もともと立ち会いたいと無理やり来ていたのだ。さっさと追い出そう。


 僕たちですら知らないことを聞かせるわけにはいかない。どんな内密なことがあるか分からないし、これ以上の情報をこれからも2人に教える必要はない。


「貴祥様それはないだろう。いくら宮比神様に一任されたとはいえひどい扱いだ。東条家をなんだと思っている」


 すぐに反対を唱えた紀彰様を父がすぐに拒絶した。


「必要だと思えば後で報告する。今は仕事に戻れ」


 父の有無を言わさぬ態度に何も言い返せず、しぶしぶ諦めて部屋を出て行った。


「馨続きを」


「はい。今は隣に居ても体調の悪化しそうなときは分かりますので、その前に玲から力を受け取って悪化させないようにしていますが、お互いまだ手探りでうまく受け取れないため悪化させていることもあります」


「待て馨」


 僕は頭を抱えてしまった。


「馨根本的に宮比神様の力のことについてすり合わせる必要がありそうだ。僕は宮比神様の力のことについては何も知らないと思って最初から報告してくれ。


さっきの報告では玲の力を君が受け取っているのか?なぜ隣に居て玲の体調が分かる?さっぱり分からない」


「えっ?そうですね。なんで隣に居ても分かるんでしょうか?普通わかりませんよね」


「そうだな普通分からない。馨時間はある。お茶の用意をするので飲みながらゆっくり考えるといい。


玲の体調のことばかり考えていて他がすっぽり抜け落ちている。僕に最初から報告できるよう考えて教えてくれ」


「はい」


 馨は椅子に腰かけ考え込んでしまった。あれでは目の前に珈琲がやって来たことも気が付いていないだろう。


「父上・南条時間が掛かりそうです。仕事に戻られますか。まとめて後で報告します」


「南条とても気になって仕事になるか分からないがそうするとするか」


「そうですね。自分たちがいてつい圧力をかけて報告してくれない方が困りますので貴祥様にお願いします」


 南条は目の前で娘にされたことを思い出し、眉間にしわを寄せ憎々しいいとばかりの顔をしたが、玲の体調のことであればそれを優先したい思いが勝って、泣く泣く諦め仕事に向かった。


 僕も傍で勉強していることにした。僕が書く音しかしない時間がしばらく続き、やっとカチャンと音がしたので馨が報告するのかと顔を上げると、たっぷりの砂糖を珈琲に入れて飲んでいた。


それでも報告するような気配をさせないので勉強を再開した。


 調子よく問題を解いていると声が掛かった。


「貴祥様報告させて頂いてもよろしいですか?」


「もちろん」


 今は調子よく問題が解けていたので少々惜しいが、そんなことよりも玲のことだ。


「まず、僕が玲の傍に居ることで宮比神様は玲に力を分け与える時加減しなくなりました」


 まずの最初が違う。


「うん。まず玲がどう力を受け取って、それで起きていることから説明してくれ」


「あっ、そうですね……多分になりますが。玲の中には力を貯めて置ける器があってそこに宮比神様からの力を置いて動いていますが、その器を大きくするために器から溢れるぐらいの力を宮比神様は流しています。


それを玲が器に押し込むことで器を大きくできるし、体調も普通に保てます。感情が大きく揺れると力を押し込むことが難しいので溢れさせ、宮比神様も急いで止めてくださるけれど体力を消耗するし、体力が戻るまで宮比神様の力が体内に無くなるので動けないようです」


「そんな風になっていたのか。玲は幼いのでどうなっているのか説明できないし、そもそも僕たちには分からないと最初に言ってしまったので、相談してもしょうがないと思っているのかもしれない。それで馨がいることで加減しなくなったとは?」


「僕がいると押し込めきれず溢れさせても、一時的に僕が預かることができるので、常に溢れる程度流して玲に抑え込める量を少しずつ増やさせているようです。


成長に合わせて器を大きくして宮比神様の力が及ぶ範囲をできうる限り大きくする必要があるためです」


「では、一時的に預かる行為が先日の行為に当たると」


「そうです。流石に問題があると最初は避け他にないのか模索したのですが、玲の体調が良くならないし、宮比神様から早くするよう言われてしまって結局あの方法が一番良いのだと判断しました」


「そうか。試してはみたんだな」


 宮比神様にそうしろと言われてもなかなかできることではないよな。


「はい。あれこれやってみたんですが、僕の方の問題のようです。力を飲み込むという行為をしないと器に収められなくて溢れさせてしまい結局玲の元に返ってしまうんです」


 飲み込む行為で器に収められたと馨が思うことで体外に排出されないのかもしれない。


「受け取った力はどうしているんだ?」


「玲に戻す場合と、地に返しています」


「はあぁ?地に返すとは?」


「僕が木に凭れて座り込んでいるとご存じですか?」


「報告は受けている」


「それです。あの木に凭れて力を抜くと地に返せるんです。もともと天津神様と国津神様から宮比神様が与えてもらっている力なので地に返すのでよいのだそうです」


読んでいただきありがとうございます。

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