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恋とか愛とか結婚とか  作者: 更西東花
第一章
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馨12歳 桃月-1

 皋様達とのお茶会は貴祥様のお母様の皋様、娘の綾様、玲のお母様の樹様に貴祥様が口をはさむことが出来ないほど質問攻めにあった。


「身長は?」


「158cmです」


「馨さんの好きな物は?」


「好き嫌いは今のところないです」


これ以外にも沢山ありすぎてちゃんと答えられたか分からないほどだ。


「好きな好みの女の子は?」


「今のところありませんが、強いて言えば玲でしょうか?」


この答えにはきゃあきゃあ言われた。女の子達は隠れ蓑にはちょうどよかったが、身を守ることに一生懸命で気にしたことが無かったので玲と答えたのがいけなかったのだろうか。


「じゃあ、玲様との出会いはどんな感じでしたの?」


玲との出会いはそれこそ事細かくすべてを話すまで終わらなかった。


あまりの質問の多さにぐったりしたころ皋様が貴祥様におねだりした。


「貴祥玲様が傍に居させたいと望まれているのは知っているけど、空いた時間もあるでしょう?私の手伝いをしてもらってもいいかしら?」


お茶会が始まってから存在を忘れるほど黙っていた貴祥様だが、きっぱりと断った。


「駄目です。馨は僕が手伝ってもらうつもりです。大体今はいいですが成長すれば傍に居させるとお母様に変な噂が立ってしまいます」


「あらこれだけ美人ならそんな噂が立ったりしないと思うけど」


心底残念だと思っているだろう。がっかりした顔でもう一度おねだりされる。


「許可しません。馨は玲が望んだ人間です。玲のことは僕に任されているはずです。ということは馨は僕の管理下にあると言うことです。馨には玲の傍に居させるためになるべく家に居てもらうつもりです。


その為真路でも入学早々から僕の手伝いをしてもらうからほかの者が頼むなと言うつもりです。実際に手伝っていないと困ることもありますのでお母様の手伝いは出来ません」


「本当に忙しい時にお願いするのはいいでしょう?玲様と一緒なら舞のことも少しは覚えた方がいいと思わない?」


「その時の玲の状況と僕の手伝いの余裕がある時であればですね」


「それは手伝えないって言っているようなものじゃない」


「そう聞こえたのならそうなのでしょうね」


「貴祥酷いわ。独り占めするつもりなの?」


「独り占めしているのは玲だと思いますけど」


「あぁ~もう玲様ったらずるいわ」


「馨もそれで構わないだろう?」


「はい、玲といられることを優先して頂けるのであれば、どなたの手伝いもさせて頂きます」


今の所誰の手伝いができるのかは分からないが、生活のすべてを見てもらっているこの状況で何もしないという選択はない。


皋様が諦めたと思ったら、今度は綾様だ。


「馨さんもお茶会の時玲様とご一緒されるの?」


「はい、当分の間同席するように言われました。玲の体調が大丈夫なら同席するのを止めるそうです」


「ではその時楽しみにしていますね。葵も紹介します。葵はお兄様の許嫁なの」


「もう許嫁がいらっしゃるんですか?」


流石本家もう許嫁がいらっしゃるのか。貴祥様を見ると自慢気にしている。


「葵は僕の対だ。仲良くしてやってくれ」


真家には対がいるとは聞いているが、こんなに早くにいるのを聞いたことがない。


「本家ではこんなに早くいらっしゃるのが普通なんですか?」


「貴祥は驚くほど早く見つかったの。幼すぎて婚約できないから許嫁なのよ」


確か婚約は16歳にならないとできなかったはず。結婚はすぐにしてもいいので、それまでに準備しておいて16歳で婚約できればすぐに結婚することもあるがかなり稀だ。


「葵は誰にも渡すつもりはない。馨葵を気に入ってもやらんぞ」


「玲が居るので要りません」


女性陣が再度きゃあきゃあ言い出したので、これでは惚気合っているみたいだったと後悔した。


「お前玲が居るとはいえ、葵のことを知らないのに要らないって酷くないか?」


「会ってから要らないと言う方が失礼だと思いますが。たぶんどんなに素晴らしい女性でも惹かれたりしないと思います。綾様も美しいとは思いますがそれだけなので」


「まさか、馨は玲の対か?」


全員が僕を見るが答えようがない。真家には対が現れると言われているのは知っているが、それはどんな風に感じれば対なのかを知らない。


「対かと聞かれても、何をもって対だと判断しているのかが分からないので。綾様のこともきたばかりで緊張しているせいでなんとも思わないだけかもしれませんし」


「それもそうだな。葵も綾も馨にはやるつもりはないが、なんとも思わないのは緊張のせいだろう。綾達に惹かれないなんてあり得ないぞ」


「そうでしょうね。綾様はとても美しく舞姫としても素晴らしいと聞いていますし、葵様には会ったことがありませんが、貴祥様の許嫁であれば美人で聡明な方なのでしょうから。玲が居るのでどちらとも結婚したいと思いませんが」


「まぁ、玲の傍に居ることは認めましたけど、玲との結婚まで認めたわけではありませんよ」


すっかり勘違いをしていた。傍に居てもいいと許可してもらったのでずっといられると思っていた。


「申し訳ありません。玲にずっと傍に居ると約束したので、勝手にそのつもりになっていました。これから認めてもらえるよう頑張りますのでよろしくお願いします」


「玲と結婚するつもりなのか?」


「ずっと傍に居るのならそれが一番だと思っただけです。お互いに他の方と結婚すると面倒くさいことになりますし、僕は結婚をあきらめても大丈夫ですが、玲は結婚しないなんてあり得ないですよね?」


「あり得ないな。結婚のことはまだ先になるし、馨もまだ一緒にいる手段としか思っていないから保留としよう。馨はとりあえず玲と思いあえる関係になることや結婚を認めてもらえるよう努力していけばいい」


「玲との結婚はなかなか認めないわよ。玲は体が弱くて心配なの。ちゃんとそれも分かったうえで共にしてくれる人でないと」


「晄さんからも言われました。玲が少しでも元気になれるように努めるつもりです」


「頼んだぞ」


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