玲7歳 椿月-2
馬車に乗り込み、馬車が動き出すと佳那が聞いてきた。
「彼女物凄い美人でしたね。玲様で見慣れていると思いましたが、思わず見とれてしまいました。でもどうしても彼女に居て欲しいのですか?」
「佳那彼女じゃなくて彼よ」
「はい?」
「え~!あの神秘的であのまま成長したらどれほど美人になるか分からないのに!あの妖艶さで男を何人たぶらかせることができるのかと思わせる美少女が彼ですか!」
「高城!」
警備でお父様に付いてきて馨を見て、私の警備にと一緒に乗った高城が佳那に叱られた。
「妖艶?たぶらかせる?佳那どういう意味?」
「玲様、玲様が覚える必要がないことです忘れてください」
佳那が高城をぺしぺし叩きながらもそう言って私を見ようともしないので、きっと教えてもらえない。
「そう?でも馨は美少年になると思うわ」
私にわかったことは、馨が成長したらすごく美人になることは間違いないと思う。
「それは間違いないと思います」
佳那がそれには賛成してくれた。
「馨は宮比神様が見た目も心も最高だって言っていたの。だから私の傍でいて器にちょうど良いと言われたの」
「それで今日どうしても行くのだと言われたのですか?」
「そう。私の中に入る前に探したのですって。私だけでは駄目だった場合傍に他の器がいないといけないって」
「どういうことでしょうか?」
「分からないわ。でも私には馨が傍に居てくれないと困るの。だから那智が一緒に探してくれるって今日ついてきたのよ」
「そうだったんですか」
「宮比神様は美しいものが好きなんですって。綾も葵も見た目もだけど、心が綺麗だから私の傍に居てもらいたいと貰いたいと思ったのですって。私が寂しくないようにお話し相手にいてほしいって」
「確かに綾様も葵様もきれいな方ですね」
「そうでしょう。綾は舞が美しいし素直で優しいから、葵はくじけず前を向けるから好きなんですって。でも、葵は1人で頑張るのは大変だから、傍に居てあげてねって言われたの」
「夢で宮比神様とそんなお話をされたんですか?」
「そう。夢で宮比神様を見たらたくさんお話しするの。馨は美人でしょ。それに一途で芯の強さが私の傍にいて守り人として最高なのですって」
「宮比神様がそうおっしゃるのなら、私は馨様と玲様をお守りできるよう努めます。ちなみに宮比神様は男性がお嫌いなんですか?」
たぶん私が当主たちとあまり会いたがらないことがずっと気になっていただと思う。
「宮比神様は舞が好きだからずっと舞っていたいの。でも宮比神様に違うことを聞きたがるから、それがあまり好きじゃないのですって。今は黎明の契りの契り直しの舞のことで頭がいっぱいでそれ以外あまり考えたくないって。それが今は一番のお役目だからって」
「なんでもできそうなのに、意外と宮比神様もお役目が大変なんですね」
しみじみと高城がそう言うとなんだかおかしかった。
「ふふふ、確かに人間と同じように感じますね」
「天津神様と国津神様から言われているから頑張らないといけないって。だから私も頑張るの」
「そうですね。宮比神様でさえ頑張らなければいけないのなら、私たちも頑張らなければいけませんね。でも玲様頑張りすぎはいけませんよ。葵様にも皆さん頑張りすぎは倒れるからいけないと言われてますでしょ。玲様もですよ」
「分かっています」
いつも佳那は口うるさく言うけれど、少しはどれくらいすれば駄目なのか分かってきたもの。ちゃんと寝込まないようにします!と思ったのもつかの間、帰宅した途端寝込んでしまったので、佳那にそう言わなくてよかったと思った。




