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恋とか愛とか結婚とか  作者: 更西東花
第一章
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葵7歳 梶月-1

 いつものお茶会だと思って北条家に来たのに、綾の部屋に入った途端綾に手を繋がれ「葵に会わせたい人がいるの」と引っ張られながら部屋を出る。


「会わせたい人とは?」


「会ってからのお楽しみ」


 綾は私の手を引いたままどんどん進み、2階にある別の部屋の前に来た。


 後ろから付いてきていた綾付きの侍女の唯さんがノックをすると、中から女性が顔を覗かせた。


「綾様と葵様がいらっしゃいました」


「お待ちしておりました。どうぞ」


 女性が大きくドアを開けてくれると中が見えた。


 そこは綾の部屋より広く、お茶をするための机は見えずがらんとしていた。


 窓の傍にはベッドが置かれ、そこには遠目でも可愛らしいのが分かる小さな女の子が座っていた。


「玲様葵を連れて来たわ」


 綾は私の背中を押して部屋の中に入った。


 ベッドに座っている女の子は色白で髪は焦げ茶色でとてもかわいらしいく、クリンとした目で私を見つめていた。


「初めまして。東条葵です」


「はじめまして、南条玲です。今日会えて嬉しいわ」


 小さな口元からした玲様の声は小さめだけど鈴を転がすような声で、容姿にと相まって抱きしめたくなる可愛さだった。


「玲様は神子様なの。そのせいで体がとても弱いの。今日は体調がいいから会えそうだって佳那さんから聞いたから是非会わせようと思って、特別に玲様の部屋に来させてもらったの」


 神子様のことは彰吾さんやおじい様が話しているので知っている。


 宮比神様が体の中にいて、先が見えるとか言われていた。先が見えると何かいいことがあるらしい。


「体がとても弱いのでしたら、一緒にお茶会は出来ないのですか?」


 せっかくお会いできたし、綾と一緒にお茶会が出来たら楽しいと思う。


「今日は出来ないけど、もう少ししたら一緒にお茶会でお話ししたいの。その時は葵も会ってくれる」


「もちろん。楽しみにしています」


「私も楽しみにしていますから」


 綾が慌てて私と玲様の間に入って言う。


「うにゃ~ん」


 急に猫の声がして驚いた。


 玲様の足元に真っ白な猫が丸まっていて、私達がお話ししたせいで目が覚めたのか不機嫌そうに


「に~」と鳴く。


「真白起きちゃった。ごめんね」


「可愛い!玲様触ってもいいですか?」


 綾がそうっと猫に近づいて手を伸ばす。


「ふぅぅぅ」


 猫は怒ったように綾に牙をむけて鳴く。綾は怖くなって差し出していた手をさっと引っ込める。


 玲様はベッドの上をもぞもぞ動いて猫のもとに行き優しくなでる。


「真白撫でたいって。綾達が触ってもいい?」


「に~」


「いいって。優しくなでてあげて」


 玲様はそう言うけれど、本当にいいと言ったのか分からず2人で顔を見合わせる。


 お互いの顔を見てどうする?と無言で尋ね合うが、撫でたいのには勝てなくて、頷き合ってそろそろと猫に近づく。


 猫は玲様に撫でられてぐるぐると喉を鳴らして嬉しそうにしている。


 勇気を出して綾がそうっと手を伸ばすと、猫は喉を鳴らしながらもちらっと綾の手を見る。


 また怒るのではとドキドキしたが、今度はぷいっと横を向いただけで怒らなかった。


 綾は玲様が撫でていた辺りを、玲様が手を退けた後に優しくなでる。


 猫はぐるぐると言わさなかったが、大人しくなでられていて、綾は嬉しそうにぱぁ~と笑顔になった。嬉しさを言いたいけど、騒いで嫌がったら嫌なので無言で撫でる。


 少ししたら綾が私を手招きするので私は綾の傍に行き、綾が手を退けると私も同じように撫でる。


 ふあふあの毛が気持ちよくていつまでも撫でていたかったが、猫が「にっ」と鳴いて私の手を見るので、怒らせたら怖いので急いで手を離した。


「にゃ~ん」


「もう少し撫でて欲しいの?」


 玲様がもう一度猫を撫でると、ぐるぐると気持ち様さそうに身を任せた。


 それをしばらく傍で見させてもらうと、玲様の侍女に玲様が声を掛けた。


「玲様そろそろ横になりましょう。綾様申し訳ありません。玲様はそろそろお疲れが出始めますので今日はここまでとしてください」


「えぇ、玲様今日はお部屋に来られて良かったですわ。今度は私の部屋に来てくださいね」


「是非。葵にも会えて今日は嬉しかった。今度は皆とゆっくりお話ししたいわ」


「楽しみにしていますね。では今日はこれで失礼しますね」


 私は綾と一緒に玲様に会釈して部屋を後にし、いつのも綾の部屋に移動した。


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