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恋とか愛とか結婚とか  作者: 更西東花
第一章
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貴祥11歳 椿月

 葵のことを頼むために綾に合わせて夕食を取る。


 食堂に行くと珍しく玲が綾と一緒に夕食を取っていた。


「貴祥様も夕食ですか?」


「あぁ、ちょうど勉強のきりもついたし。綾に頼みたいことがあったから」


「私に頼み事ですか?」


 綾はお箸を置いて僕を見た。


「葵が入学したら1週間後ぐらいに葵を誘って昼食を食べに行って欲しい」


「出来なくはないですけど、毎日誘われるのでお断りするのが大変ですから」


 僕気が合う人間としか行かなかったが、綾が断るのが面倒だったのか順番に行っているようだ。


「葵は東条と名乗るが正確には違う。それをよく思わない者もいると思う。そのせいで葵に友人が出来ないのはかわいそうだろう。それに綾もたまには葵と学生食堂で食べたいと思うだろう」


「まぁ葵と昼食を食べるのは楽しそうですし、私も別に好きで教室の女の子たちといっているわけではないから誘って食堂に行くのは構いませんわ」


「ありがとう綾。綾の友人だと分かれば学院でひどい目に合うこともないだろうから安心だ。あとできればさりげなく東条を名乗っているのを話して欲しい。」


「お兄様からのお願いですし、私も楽しいでしょうから月に1度は一緒に食べるようにしますね。東条を名乗るのをさりげなくは伝えられないと思いますから期待しないでください。


お兄様は葵のこと大好きですから仕方ありません協力しますわ。私のことも同じように思ってくだされば嬉しいのですけど」


 幼い頃に泣かれてから綾には甘いと思っていたのに、いまだに言われるのか。


「同じ思いではないが、大切に思っているよ」


「綾、綾のこと貴祥様は大切に思っているけど、葵は貴祥様の対だから仕方ないわ。綾も心配しなくてもちゃんと対と会えるわって宮比神様が言われているから大丈夫」


「やっぱりお兄様のお相手は葵なのね。これからずっと仲良くできるのは嬉しいわ。……玲様、会えるって言われたのでしたら、私はいつ頃会えるか分かりませんか?」


 綾は自分の対の心配をしていたのか。僕はとても早く出会ったが、普通は中等部ぐらいからやっと対だと分かるものだと南条から聞いたから、今いなくてもおかしくはない。


「綾はたまたま会わないと上手くいかないから内緒って教えてくれなかったの」


「そうですか。……残念ですけど、楽しみにしています。葵には教えてあげましょう。葵いつもお兄様に相応しくないって言うもの」


「綾葵に言っちゃ駄目なの。内緒にしないと上手くいかないのよ」


 それは聞き捨てならない。


「玲どうして上手くいかないんだ?」


「葵は今うまく受け取れないとか言っていたけれどよく分からなかったの。ごめんなさい貴祥様」


「大丈夫だよ。内緒にしておかないと駄目ってことは分かったから。綾も言っちゃいけないよ。玲もし分かったら教えてくれる?」


「もちろんお兄様たちにはうまくいって欲しいから言いません。玲様私にも教えてくださいね」


「分かりました。宮比神様に教えて貰ったらすぐにお話ししますね」


「玲様いつ出会うのか分かったら教えて欲しい……」


「宮比神様に教えては駄目と言われているので言いません」


 綾が諦めきれず玲にお願いしたが、玲はバッサリだ。


「綾宮比神様に駄目と言われているんだ。教えてもらうのは諦めろ。楽しみにしておくんだろ」


「は~い」


 綾がしぶしぶ諦めるが、玲は申し訳なく思ったのか自分の苺を綾の方に差し出す。


「綾この苺あげますから、これで許してください」


「玲様駄目です。許すも何も、玲様が謝るようなことはしていませんからいただけません。玲様が食べてください」


「そうだ玲。玲は悪くないのだから苺は玲が食べないと。なんなら僕の苺も食べるか?」


 僕が自分の苺を差し出すと、玲は2人の顔を見て「本当に私が食べてもいいのですか?」と自分の苺を引き戻した。


「あぁ食べたらいい。ほらこれも食べていいよ」


「じゃあこれは綾と分けます。はい綾」


「ありがとう玲様」


 綾と2人で嬉しそうに苺を頬張る。


 苺ぐらい頼めばいつでも食べられるだろうに、玲は大事に自分の苺を食べる。


「欲しいなら追加でもらえばいい」


 あまりにも大事に食べるのでそう声を掛けると、玲は「お腹いっぱいになっているからいいです」と最後の一口を食べると固まってしまった。


「玲?」


「貴祥様大丈夫です。寝てしまっただけです」


「寝たのか」


 急に固まって動かなくなるから驚いた。


「貴祥様も来られてお話しされていたので我慢されていたのでしょうが、睡魔に勝てなかっただけです。失礼します」


 佳那は玲をよいしょと抱き上げ部屋へ連れ帰った。


「玲様体調が悪くないといいのですけど」


「食堂にまで来られたのなら大丈夫だろうが、楽しく話をして疲れたのだろう」


「早くお元気になられればいいのですけど」


「そうだな。その方法が分かれば僕も嬉しいし南条も晄も喜ぶだろう」


 玲が去ったほうを見ながらそうなることを切に願った。


読んで頂きありがとうございます。


以前書いたものは綾と対のことで、綾と対との間ですれ違ったり問題が発生したりしないといけないのに、それをするとそれは綾の対じゃない感じになってしまっていて。


自分の持つ対の印象のままにしたかったので変更しました。

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