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恋とか愛とか結婚とか  作者: 更西東花
第二章
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晄19歳 柏月

 貴祥様のお話が終わり、家まで送らせるため一緒に部屋をでる。


「ここまででいい。後はうまく調節してほしい」


「分かっております。高城貴祥様を送るように。北条家の家僕が向かえるまでちゃんと見ているように」


「分かっております。玄関が閉められるのを確認してから戻ります。貴祥様こちらです」


 貴祥様が警備に連れられ帰路につくのを見て部屋に戻る。


 部屋では柳田は考え込んでいて、俺が戻ってきたのも気が付いていないようだ。


「まだ確証を得たわけではないから、信哲様にはそのことを忘れないで伝えて欲しい」


 急に話しかけられ驚いてこちらを振り返る。


「本当に神子様のご友人が信玄様の対ならこれほど嬉しいことはないです」


 よほど嬉しいのか感情が出にくくなって随分になるのに、興奮しているのが分かるのが珍しくついまじまじと見てしまう。


「あまり喜びすぎるなよ。もし違ったらひどく落ち込むことになる」


 俺は柳田の肩を叩いて落ち着くように言う。


「今のところその可能性が高いから私に教えたのでしょう?東条にも話していないことを」


「今西条家に神子の友人がいないこと。神子が本家の西条だけ蔑ろにしないだろうと思われること。


これは詳細は教えられないが、宮比神様が話されたことがあるとだけ言っておく。あと神子が棗は小説を頑張らないと会えないと言ったが理由だ。」


「確かに綾様は北条家・神子様は南条家・貴祥様の許嫁が東条家。おかげで西条家は神子様とご縁が無いと朔良様が嘆いています。


でも許嫁様は東条家と言い切れないところもあります」


「そうだな。そこで神子が小説を頑張らないと会えないと言ったことが関係する。


すでに彰吾と棗は会っているんだ。許嫁の迎えに毎回来るからな。彰吾の息子彰啓の可能性もあるが、それだと小説を頑張るが分からなくなる。


年下の人間に会うなら真路で会えるだろう。


後彰啓の場合、2人の年回りが男が婚約できる年になった時には、友人の結婚適齢期が終わってしまう。


友人が恥ずかしい思いをするようなことを宮比神様はしないだろう。それよりも信玄と小説が出版されるかその打ち合わせかで会う可能性の方がありそうだろ」


「信玄様は出版関係にご縁がありませんが。でも年回りを考えると納得できる気がします」


「出版なら彰吾だから、彰吾経由で会えるのかもな。まだ情報が少なすぎるな。


そのことも踏まえて信哲様には知らせて欲しい。信玄には言うなよ。あれは焦りから何をしでかすか分からん」


「……そうですね。心苦しいですが話さないほうがいいですね」


 簡単に想像できるだけに、話せば絶対に何かやらかすに決まっている。


 お互い無言で頷き合って笑った。これだから信玄は厄介で面白い。


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