54:Technology
三月も終わり、春休みに突入した。四月からは、高校二年生だ。そんな中、とうとうテロリストが動き出したようだ一本の電話がかかってきた。
「テロリストたちがニッポンに、やってきた」
「そうか…。止めることはできないんだよな?」
「計画を邪魔しようとしていることがバレたら、殺されるだろう」
「………」
「テロリストはαを手に入れたら、きっとαを野放しにするだろう。そこからがシザキカイト、オマエの出番だ」
「とは言っても、も言う一度感染したら死ぬんだろう?」
「一応、防護服みたいなものはある」
「でも、大丈夫なのか?めっちゃ不安なんだが」
「まあ、そこらへんのことはハシモトミヅキから聞いてくれ」
「わ、わかった」
「という感じのことを言われたんだが。」
早速みづきの部屋に行き話をする。碧もいた。
「そうか。実は君に隠していたことがある」
「なんだ?」
「君は普通の人間とは少し違った、特殊な人間なんだ」
「それは……どういうことなんだ?」
「君の能力は、前に君が思っていた、他人の声が聞くことが出来る。そして、会話できるというものだ。動物と会話できると言うのは能力と関係ないんだ」
「ん?どういうことだ?」
「君の五感病による能力は確かに他人と心の中で会話するという物だ。だが、動物と会話なんて普通の人間で有り得ない事なんだよ」
「……じゃあ、俺は一体何者なんだ」
「人間と機械との融合体なんだよ」
「そんな話を信じろって言うのか……」
「でも、実際に本当のことなんだ」
「………」
「だから、君はもう一度感染したところで死なないし、感染もしない」
「……そもそも、人間と機械との融合体ってなんなんだ」
「君は元々、持病を患っていたんだ。そして、治療方法が機械との融合しか無かった。君は脳に関係する病気を持っていた。生まれた時からね。そのまま、過ごしていたら、脳が自由に使えなくなってしまう。それを克服したのが機械との融合。だから今、君の大部分の脳は機械で出来ている」
「そんな話があるのか……?」
「あるんだよ。信じられないだろうけどね。」
「俺の脳は機械でできてるんだろ?だったらなんで、勉強しまくっても一位が取れないんだ。機械だったら、そのくらい出来るだろう」
「さっきも言ったけど、大部分が機械で出来ているだけなんだ。完全体ではないし、一度学習したことを完全に覚えるほどの機能は脳みそ程度の大きさには収まらないんだ。あくまで脳の代わりなだけだから、脳の役割を担っているだけなんだよ。つまり、人工知能としては、まだ不完全体と言うことだ。」
「だから、俺にやれと?」
「まあ、そういうことだね」
「………」
なんだ、俺は利用されていたのか?裏切られたのか?そんな気持ちが込み上げてきた。
「一応言っておくけど、別に裏切ったわけじゃない。勿論わたしたちも出来る限り協力はさせてもらうよ」
「わ、わかった…。碧は知ってたのか?」
「うん。前にみづきから聞いた」
「こんな俺が彼氏でもいいのか…?」
「うん」
「普通の人間じゃないんだぞ」
「うん」
「それでもか?」
「うん。海斗じゃないとダメなの。それに、それを知ってたうえで、告白したんだし」
「そうなのか」
「急にこんな話してごめんね。」
「別にいいけど……」
はあ……なんだか気分が悪くなってきた……
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