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49.5:Moving

昨晩は引越しの疲れが溜まっていたせいか、ぐっすりと眠れた。が、やはりまだ、あまり慣れないな。防犯カメラにイカつい警備員、指紋と顔認証の扉。

今日もまた碧に朝食を作ってもらった。

「なあ、碧」

「なに?」

「毎朝、作ってくれるのは嬉しいし、助かるんだけどさ、なんで毎日チャーハンなんだ?」

「いや?」

「別に嫌ってわけではないけどさ。なんで、毎朝チャーハンなのかなって」

「得意だから?」

「なんで疑問形なんだよ」

「わたしのチャーハンって美味しい?」

「めっちゃ美味しいけど」

「じゃあ、得意だから」

「お、ハテナが消えたな」

「他の料理も食べたい?」

「ああ、そうだな。作って貰えるなら」

「わかった」

今日は学校に行き、何かをするらしい。


学校に着いた。外観はいたって普通だ。新しい学校ということもあるのか、かなり綺麗だった。

校門の前に先生らしき人が待っていた。

「あなたが、山下さんと志崎くんね」

「はい」

「わたしは、あなた達のクラスの担任になる、高木由美(たかぎゆみ)です。よろしくね。」

「はい。こちらこそよろしくお願いします。」

「覚えてないかもしれないけど、わたし君たちが通ってた小学校で働いてたんだよ」

「え、そうなんですか?」

「うん。保健室の先生ってやつ」

「保健室……。すいませんあんま記憶にないです。保健室行ったこと無かったので……」

「まあ、そうだよね。山下さんは覚えてない?」

「由美先生ですよね……?」

「うん、そう。覚えてる?」

「はい、覚えてます!」

「うん、なら良かった」

先生はにっこりと微笑んでそう言った。

「あの、ちょっといいですか?」

「ん?どうしたの志崎くん」

「この学校って五感病の関係者しか居ないんですか?」

「うん、そうだよ。普通の人は居ないかな」

「先生達もなんですか?」

「先生達は研究者がメインかな。もちろん教員免許は持ってるよ」

「そうなんですか」

「じゃ、そろそろ行こうか」


先生について行く。見た感じ、やけに防犯カメラが多いくらいで他は特には変わったところはない。

「まずここが君たちの教室だよ」

「なんか思ったより普通なんですね」

「うん、まあそうだね」


その後、他の教室などを案内してもらったが、普通だった。アブノーマルなのは、マンションだけだった。あと、健康診断と言うか、身体測定みたいなこともした。走らされたりはしてない。


マンションに戻ると、優依がいた。

「よお、優依」

「ん?あ、海斗」

「お前も引越しか?」

「うん」

「一人か?」

「いや、わたしはお母さんと一緒に暮らすよ」

「そうなのか」

あくまで学校の隣に建っているだけだから、家族と住んでも問題ないらしい。

「それにしても、このマンションってセキュリティ凄いね」

セキュリティのレベルにドン引きしていたのは俺だけではなかったようだ。

「そうだな、ちょっと面倒くさいよな」

「え、いや、カッコイイなって意味での凄いなんだけど」

「でもなんか、凄いというか、凄すぎないか?」

「そう?最近の家ならこんなもんじゃないの?」


俺の感覚がおかしいのか?それとも、優依の感覚がおかしいのか?


読んでいただきありがとうございます。

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