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枕の下に 希望の上に(7)

妄想ペーパーカンパニー

想像のトンネルを抜け

また

想像のトンネルに入る

そして

急激に戻されると街灯

明かりと灯り

出来上がった酷く黒い影

目の中に閉じ込めて

トンネルを選んだ




想像なんて物は

口に出せば妄言で

妄想になって終わる

だが

言葉で置けば形になり

物語になって終わるのだ




それを研ぎ澄ましたから

それで生きていけたりする

いつ捨てても構わないという

まちの上には無いのだ

片時も離れない青さと

あり続ける煌めきと

無かったかのように出来る

ブラックホールのゴミ箱

疲れ難いペンと硯

色良い黒と白

いつもの目と

誰かわからない

もう一つの目




ガラガラと玄関の扉

声と宅配便

擦り寄る野良猫は黒猫

御歳暮のお返しか

あるだけで

それなりの人物だ

物を送り合う文化は

昔からある

御中元と御歳暮

大切な方に送る物だが

売り上げは芳しく無いのか

それとも

漢字だからしないのか

数は少なくなったみたいだ




チョコレートを送り合う事も

限定されているが

物を送る事に他ならない

しかも

大切な人へ送るという精神を

しっかりと継承している

それと何が違うのだろう

「御歳暮には家族チョコ」なんていう

キャッチーな感じがあれば良いのか

御節料理ばかりだから

丁度良いし

年に二回食べれるなら

嬉しい人が居るかもしれない




御中元には何が良いだろうか

かき氷セットとか

冷んやりしたお昼寝用マットとか

枕も良いかもしれない

不意に食べ物で悩む

素麺や水羊羹以外に

何があるだろうか

いっその事

肉の塊でも良いのか

ケバブセットを

都会のマンションに住む友人に送ったら

どんな顔をするだろう

わざわざキャンプにでも

行くだろうか

小学生の男の子が三人だから

重量感のある仕事になるだろう

絵が浮かんで少し笑った




そうやって

妄想と想像のトンネルを

行ったり来たりしながら

送られて来たビールを

冷蔵庫へ入れる

もう少しだけ

遊んでいたい

思考の中に

住んでいたい

そこに住んで居なければ

冷たい手足を

温める事すら出来ない

ペーパーカンパニーみたいな

人間なのだから


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