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誤解



夜。



千尋は夕食を作っていた。


「豚汁〜、豚汁〜、美味しい豚汁〜」


すると玄関の方に何か気配を感じる。


「ん?」


千尋はじっと玄関を見る。


ガチャガチャ!


玄関のドアのレバーがガチャガチャといきなり鳴った。


「ひぃ!」


千尋は慌てて玄関の覗き穴を覗く。


「……誰も……いない?」


千尋はそっと鍵を外し、ドアを開けて左右を見る。


「……誰もいない。なんだろ、上か下の階の人が間違えて開けようとしたのかな?」


「千尋」


「ひぃ!」


千尋は驚きに心臓が跳ねる。

ドアを閉め、鍵もかけた千尋は、振り返り声の主に話しかける。


(めい)! 驚かせないでくださいよ!」


「すまぬ、千尋。何をしておるのだ?」


「いえ、今玄関のドアのレバーがガチャガチャと鳴ったので、誰がやったのか確かめてたんです。結果誰もいなかったんですけどね」


「そうなのか。危ないなぁ。一体誰なのだ」


「それは分かりませんが……。それより明、何か用では?」


「うむ。信治達へのクリスマスプレゼントは何が良いかとなぁ」


「なるほど! うーん、財布なんてどうです?」


「財布か。良いかもしれぬな。千尋、造ってくれぬか」


「良いですよ! でも今は夕食を作ってる最中なので、夜寝る前に造りますね」


「良い。ではまたな」


「はい!」


こうして千尋達は夜寝る前に信治達の財布を造るのだった。


その時、千尋は守護霊様達にも何か贈ろうと思い立つ。


「明、守護霊様達にも何か贈ろうと思うのですが、何が良いでしょうか?」


「うむ……。何でも嬉しいと思うぞ」


「なんでも……。じゃあお着物にします! 何人いるのかわからないから沢山造ろう! まずは女性の着物で検索!」


「良い良い」


千尋は数十着の着物を造り、あっきーを呼び出す。


「どうした、千尋」


「あ、あっきー。あのね、守護霊様達にお着物造ったんだ。これ、クリスマスイブの日に配ってくれない?」


「なんだ、俺たちに造ってくれたのか? ありがとうな」


「こちらこそ、いつも守ってくれてありがとう。じゃあ、よろしくね」


「ああ」


こうしてあっきーに着物を預けた千尋は、晴明と共に寝るのだった。




──霊界にて──


サクトは仕事を終え、閻魔界から霊界へ帰ってきた。


家の前まで瞬間移動してくると、家の鍵を開ける。


ガラッ


「よく来ましたわねサクト!」


ピシャン


「……何故あいつが俺の家の中に居るんだ」


ガラガラッ!


「ちょっと、閉めるんじゃありませんことよ!」


「おい、てめぇ、どうやって家の中に入った」


サクトに凄まれて麻里奈はビクッとするが、弱みを見せるのが嫌いな麻里奈は気丈に振る舞う。


「ふ、ふんっ。そんなの簡単ですわ。貴方の彼女からちょっと拝借しただけですわ」


「愛香から? どうやって借りた。愛香が易々と貸すわけねぇ」


「わたくしがサクトにどのような想いを抱いてるか説明してさしあげましたの。そしたら貸してくださいましたわ」


「俺にどんな想いを抱いてるんだ」


「もちろん、敵対心ですわ! わたくしの雅泉様を奪う不届き者、成敗してさしあげますわ! 行け! 黒蛇ちゃん!」


「ニョロ〜」


黒蛇はサクトに身体を巻きつけ締め上げる。


「なっ、黒蛇殿!? 何故こいつの言うことを聞くのです!」


「愛香の命ニョロ〜」


「愛香の!? 黒蛇殿、どういうことです!」


「ニョロ〜、愛香は凄く傷ついていたニョロ。サクト、婚約者がいるニョロ? しかも男ニョロ。許せないニョロ〜」


「なっ、まさか愛香は雅泉殿との事を勘違いして!? 黒蛇殿、違うのです! 俺は雅泉殿とそういう仲じゃありません! 愛香に伝えてください!」


「でも麻里奈が見たと言ってるニョロ〜。雅泉とサクトが接吻しようとしたニョロよ〜。サクト、苦しまずに逝かせてやるニョロ〜」


「ま、待ってください黒蛇殿! おい、そこの。俺は雅泉殿とは婚約者でもなんでもない! ただの友人だ! 雅泉殿には女性の婚約者がいる!」


「嘘ですわ! 雅泉様のサクトを見つめる目……。愛しい者を見つめる目でしたわ! 黒蛇ちゃん、やっておしまい!」


「良いニョロ〜」


「くっ、こうなったら……!」


サクトはとある人物にテレパシーを送る。


(早く来てくれ──!)


黒蛇がサクトを丸呑みしようと大きく口を開けたその時。


「これは一体どういう状況なの?」


「にゃあのぉ」


「来てくれたか、みさと、にゃんじろう! みさと、頼む、俺が嘘をついてないか視てくれ!」


「別にいいけど……。何について?」


「俺は雅泉殿とは友人であり、婚約者でもなんでもない。そうだな?」


ジーッ


「……うん、その通りだよ」


「にゃあのぉ」


「な、何を言っていますの? その方の発言に何か根拠でも?」


「ニョロ〜、みさとは『真偽の目』を持ってるニョロ。嘘を見破れるニョロ〜」


「真偽の目ですって!? どういう事なの、じゃあサクトは本当に雅泉様とはなんでもないって仰るの?」


「君が誰かは知らないけど、そうだよ」


「なんて事……。ということは雅泉様には別の婚約者がいるということですわね。待ってなさい、わたくしがコテンパンにしてやりますわー! おーっほっほっほ!」


そうして麻里奈は何処かへと瞬間移動して消え、サクトの家の前には黒蛇に巻きつかれたサクトとみさととにゃんじろうが残されたのだった。


「黒蛇殿、俺愛香の誤解を解きに行かなきゃなんで、離れてください」


「良いニョロ〜」


「みさと、にゃんじろう。悪いがお前達もついてきてくれ。愛香に信じさせるために」


「よく分からないけど、分かったよサクト。じゃあ行くよ、にゃんじろう」


「にゃあのぉ」


それからサクトとみさととにゃんじろうは愛香の住む家に行き、みさとの真偽の目を使いなんとか愛香の誤解を解くのだった。






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