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霊界のパンツ事情


とある休日。


千尋は下着売り場に居た。


(うーん、これとか可愛いかも。サイズあるかな……えーと。ん!? ない!? そんなぁ〜)


千尋は下着を物色しながら一喜一憂していた。そしてあらかた見終わった所で、ふと男性用下着売り場に目がいく。


(男性用下着……。ん? そういえば晴明様は何のパンツを穿いてるんだろう。ボクサー? トランクス? はたまた、もしかして(ふんどし)!? 帰ったら聞いてみよ〜)


そうして千尋は気に入った下着を買い、自宅へ帰るのだった。



帰宅後。



(めい)〜、ただいま帰りましたー」


「良い。おかえり、千尋」


「ただいまです。明、気になったんですけど明は下着は何を身につけてらっしゃるんですか?」


「下着? 我は穿いておらぬ」


「……え? 穿いておらぬ?」


「うむ。穿いておらぬ」


「…………」


(ま、まさかのノーパン〜!? 知らなかった! あ、まさか信治達もノーパンなの!?)


「信治ー!」


バンッ(霊界と下界を繋ぐ扉)


「なぁに母さん」


「信治、下着穿いてる!?」


「穿いてるよ母さん」


「は、穿いてるの!? どんな下着!?」


「ボクサーパンツだよ母さん。ちなみに選もそうだよ。愛香は知らないけど」


「そ、そっか。良かった〜信治達は穿いてて。晴明様は穿いてないっていうから驚いちゃったよ」


「そっか。確かに父さんは穿いてないね。まぁ父さんは昔の人だし、仕方ないんじゃない?」


「そうだよね。ありがとう信治、またね!」


「またね」


バタン


「……千尋、我下着を穿いた方が良いか?」


「あ、いえいえ。穿かなくとも良いですよ。その方が慣れているのでしょう?」


「うむ。慣れておる。だが信治達は穿いておる。我、仲間はずれは嫌なのだ」


「そうですか……。では下着、試してみますか?」


「良い。試すのだ」


それを聞いた千尋は携帯で男性用下着を検索し、まずはトランクスを造る事にした。


「えーと、固定保存! 明、穿いてみて下さい」


「良い」


晴明は狩衣を脱ぐと全裸になってトランクスを穿く。


「うむ、まるで穿いていないようなのだ。良い良い」


「そうですか……。では試しにボクサーパンツを……固定保存! 穿き替えてみてください」


「良い」


晴明はボクサーパンツに穿き替える。


「うむ……身体にぴったりしておるなぁ。なんだかムズムズするのだ。我はあまり好みではない」


「そうですか……。じゃあブリーフを……固定保存!」


晴明はブリーフに穿き替える。


「うむ……ボクサーパンツとやらよりはムズムズせぬが、これもまた身体にぴったりしておるな。やはり我はトランクスとやらが良いのだ」


「分かりました、じゃあトランクスを五枚程造りますね! えーと、まずはシンプルに白で──」


そうして晴明はトランクスを穿く事に決まり、千尋はトランクスを五枚造るのだった。



数日後。



千尋は凛と話していた。


「凛、凛って下着何着てるの?」


「上は襟足が大きく開いたスポーツブラってやつよ。下は現代女性が穿くパンツね」


「そうなんだー、霊界の下着も時代に合わせて変わってるんだねぇ」


「そうよ。最初は違和感あったけど、幸太郎さんに『絶対に下着をつけろ!』って言われてからつけてるわ。まぁ慣れちゃった今となっては、つけてないと違和感というか、恥ずかしいわね」


「そうだよねぇ。私も成仏しても下着はつけたいなー。あ、そうそう。ちょっとした興味本位なんだけど、幸太郎さんって下着何穿いてるの?」


「紅いボクサーパンツよ」


「そうなんだー。下着まで紅いんだね! サクトもそうなのかなー」


「聞いてみたら良いじゃない」


「男性に『パンツ何色ですか?』って聞くの、逆セクハラじゃない?」


「セクハラが何かは知らないけど、サクトなら大丈夫よ」


「そっかー。じゃあ今度聞いてみる。あ、りょうたろうさんはどうかな?」


「それはまいに聞けば分かるわ。今聞いてみるわね。……白のブリーフを穿いてるらしいわ」


「そうなんだー、なんかイメージ通りかも! うーん、なんだか霊界の男性陣のパンツ事情が気になってきた! あっきー達にも聞いてみよ! じゃあ凛、またね!」


「またね、千尋」


凛の家と繋がった扉を閉めた千尋は、あっきーにテレパシーを送った。


(あっきー、暇が出来たら声かけて!)


そう声を送った千尋は、サクトとの扉を繋ぐ。


「サクト〜!」


「なんですか、千尋さん」


「サクト、突然なんだけど、パンツ何穿いてる?」


「俺は紅の褌ですよ、千尋さん」


「えっ、褌なの!? へー、どんな形なの?」


「俺は越中ふんどしっていう、股間の前に帯が垂れる有名な形です」


「そうなんだー。渋いね、サクト! 教えてくれてありがとう」


「お安い御用です千尋さん。ではまた」


「じゃあね〜。サクト、褌かぁ。今でも居るんだなぁ、褌穿く人」


「何か用か、千尋」


「あ、あっきー! あのね……その……」


「なんだ?」


「ぱ、パンツ……何穿いてる?」


「はぁ? そんな事で呼んだのか?」


「ごめんあっきー! でもどうしても気になるの! 言えないなら言えないで良いから!」


「まぁそれくらい良いけど……。俺は白のブリーフだ」


「そうなんだ! 教えてくれてありがとうあっきー! あ、ねぇねぇ。マーロと橘のパンツ、何穿いてるか知ってる?」


「ああ、知ってるが……個人情報だから教えらんねぇ。自分で聞くんだな」


「そっかー、分かった! 聞いてみるよ。ありがとう、あっきー」


「ああ。じゃあな」


「うん! ……マーロー!」


バンッ


「なぁにー千尋。そらたん×あっきーの漫画ならまだ出来てないよ」


「うん、それは良いんだけど、マーロ、パンツ何穿いてる?」


「え? パンツ? なんで?」


「ただ気になって!」


「あ、ああ……。僕はトランクスだよ」


「おお、晴明様以来のトランクス! やっぱり穿いてない感じがするのが良いの?」


「うん、なんかスースーする感じが好き」


「そうなんだね! 教えてくれてありがとう! じゃあまたね!」


「じゃーねー」


バタン


「次は……橘ー!」


バンッ


「なんだよ、千尋」


「非常に聞きにくいんだけど、パンツ何穿いてる?」


「変態か! いきなりなんだよ!」


「ちょっと気になって! 変態じゃないよ、変態という名の腐女子だよ!」


「意味わかんねー事言うんじゃねぇよ! とにかく、俺は言わねーかんな! じゃあな!」


バタンッ


「ちぇー、振られちゃった……。ま、大体の人の聞けたしいっかー。むふふ……これで脳内で脱がせる時どんなパンツか想像出来る……! あ、そらたん……は心が清いから汚しちゃいけない。じゃねーよ君はこの前迷惑かけちゃったし、自重するかー」


こうして千尋は霊界の男性陣のパンツ事情を知るのだった。







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