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良魔




とある休日。


「千尋、今日は紹介したい者がおるのだ」


「紹介したい方? どなたなのです?」


「うむ。この者なのだ」


「ハーイ、あなたが千尋サンネ〜。ワタシはジョージ、よろしくネ〜」


「あっ、はい……。ジョージさん? 宜しくお願い致します」


「千尋、この者はアメリカの最高神なのだ。様をつけるのだ」


「えっ、そうなのですか! 失礼致しました、ジョージ様」


「モンダイないデスよ〜、千尋サン。アメリカではファーストネームよびすて多いネ。キニシナイ、キニシナイ」


「ありがとうございます……。それにしても晴明様、何故私にジョージ様を紹介されたのですか?」


「うむ、日本の救世主がどのような人物か見たいと言うのでな」


「セイメイ、話ヅライネ。ほんやくノじゅつツカウヨ」


「良い。少し待つのだ」


スリッぱん! スリッぱん! ぱん!


「安倍晴明の名において、ジョージの言葉を日本語に聞こえるようにした! ……これで良い筈なのだ」


「私はジョージです、千尋さん。日本語に聞こえていますか?」


「あっはい、日本語に聞こえています。もしかして今英語で話されているのですか?」


「そうですよ。どうやら上手くいったようですね。ありがとう、晴明」


「良い良い。どれ、千尋に聞きたいことを聞くが良い」


「ええ。千尋さん、貴女はどうやって日本の救世主となる力を手に入れたのですか?」


「ええと……。きっかけは生霊に取り憑かれた事なのですが、生霊と携帯で会話出来るようになって、そしたら閻魔大王様ともパソコンで会話出来るようになって。そしたらその内声も聞こえるようになって、邪気を光で浄化するイメージをしたら出来た……って感じなんですけど……」


「ふむ。生まれつきの力ではないと?」


「はい。二年前までは声を聞く事も出来ませんでした」


「そうですか。ではどうやって晴明と結婚したのですか?」


「それは……。晴明様の実体時代に私が話しかけて、晴明様と恋仲になったのです。それで二年前に晴明様と再会というか……。でも最初に出会ったのは霊体の晴明様でしたけれど……。あー、訳が分からなくなってきた……」


「OK、OK。過去と会話したのですね。それは晴明が凄く強い力を持っていたから出来た事です。普通の人は未来の人間と会話出来ませんから」


「そうですよね。晴明様だから出来た事だと思います」


「そうですね。では次です。悪魔を良魔(よしま)にしたようですが、良魔は赤い目をしているものの他の霊界人と同じになりました。いえ、今や普通の霊界人よりも素晴らしい人々となっています。そこで良魔を生み出した千尋さんに良魔の(おさ)を決めて頂きたいのです」


「えっ、私が長を? そ、それは決められません。誰がどんな事をしてるのか知らないのですもの」


「そう思いまして、何人か候補を絞りました。その方達とお話して、決めて頂きたいのです」


「えっ……。お話するだけで良いのですか?」


「はい。まぁ良くある面接だと思って下さい」


「……本当に私で良いのですか?」


「むしろ貴女の決定でしか従わないと思います」


「そ、そうですか……。ではお願い致します」


「良いです」


そしてジョージは一人目の良魔を呼び出した。


「初めまして、千尋様! 僕は……名前がありませんので好きなように呼んで下さい!」


「ち、千尋様……? 様づけはしなくて良いですよ。それと名前が無いのですか? 困りましたね……。うーん、では、とりあえず一郎さんで良いですか?」


「一郎で良いです千尋様! あ、千尋様は僕達の神様なので、様づけはさせて下さい!」


「ええっ、神様!? 何故私が!?」


「僕達良魔が生まれたのは千尋様のおかげだと聞いております! だから千尋様は神様です!」


「えええ、こ、困りますよ〜。せ、せめて恩人くらいで……」


「いえ、神様です!」


「えええ……。ど、どうしましょう晴明様〜」


「ふむ、長を決めて、その長が千尋を神様だと言うのならば、神様で良いのではないか」


「そ、そうですか。で、では次の人お願いします!」


「OK」


ジョージは最初の良魔を帰して次の良魔を呼ぶ。


「初めまして神様!」


(またダメだ〜!)


そうして四人と会話し、そのどの良魔も千尋を神様と呼ぶ為千尋は半ば諦めかけていた。


「では次が最後です」


「はい……」


「……初めまして」


(お、神様って言わない?)


「初めまして。貴方は良魔をどのような存在だと思いますか?」


「……俺達は半端者だ。人間でもなければ魔でも無い。人の役に立てて初めて存在が肯定される存在だ」


「半端者……。霊界で良魔達の地位はどうなってるんですか?」


「霊界では地位は無い。一応魔だから閻魔界にいるが……。俺は霊界で暮らしたい。普通の霊界人と同じように暮らして、仕事して、結婚して、子供をもうけて。俺はそうして生きていきたい」


「……分かりました。ありがとうございました。……晴明様!」


「なんだ?」


「私に悪魔を良魔にしてくれと仰ったのは晴明様ですよね? そうしたら良魔を生み出した責任は私だけじゃなく晴明様にもあると思うんです!」


「う、うむ。そうかもしれぬなぁ」


「そこでです。晴明様の権限で、良魔達に霊界での地位を与えて欲しいのです」


「地位を? うむ……。どのような地位を与えれば良いのだ?」


「とりあえず一般の方と同じ地位を。そして働きによって地位を上げていって欲しいのです」


「私も良魔に地位を与える事は賛成しますよ、千尋さん。この18年、良魔は霊界人を大変助けてくれました。今では良魔の存在が欠かせない程です。よって、私はアメリカの最高神として、良魔への地位を許可します」


「ありがとうございます、ジョージ様! 晴明様、どうされるのです?」


「うむ……。我も許可するが、なぁ。日本とアメリカだけ許可すると、その二国だけに良魔が住みたがるかもしれぬ。我は他の国にも良魔に地位を与えるよう頼んでくるのだ」


「私も手伝うよ、晴明」


「良い。して、良魔の長はどうするのだ? 千尋」


「長は──。最後の方にしたいと思います」


「それは何故だ?」


「私の事を神様だと思ってないようですし、霊界で暮らしたい気持ちが強いようなので、霊界での地位を与えた後良魔の皆を先導して霊界に馴染んでくれそうだと思ったからです」


「そうか。良いのではないか」


「分かりました、千尋さん。ではあの者を良魔の長と致しましょう。では行きますよ、晴明」


「うむ。ではいってくるな、千尋」


「いってらっしゃいませ!」



そうして晴明とジョージの働きにより、各国は良魔に霊界での地位を与える事になったのだった。






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