リア充と天使
初投稿です
よろしくお願いします
俺の名前は藤原怜也
はっきり言っておこう。
俺 は リ ア 充 だ。
県で一番の進学校に在籍、成績は常にトップ、身長185cm、モデルもやっている。
生徒会と軽音部に所属している。パートはギターボーカル
自慢だがTwitterのフォロワーは30万人。
バレンタインでは事務所にチョコが2万個。
学校に2000個届けられた。
昨日史上初の高校生2年生による〇〇アリーナでライブをしてきた。
親は大企業の代表取締役、ゆくゆくは俺がその後を継ぐことになる。
なんて素敵な人生だ。さあ今日も充実した一日を始めよう――――
通学路を歩いてる怜也の前に「白」が現れた。
なんの比喩でもなくまさに「白」そのもの。
修正液を空間に零したようなそれを「白」といわずになんと述べようか
そしてその「白」は怜也をめがけ迫ってくる、猛スピードで。
「ちょっ、なにk…うおおおおお」
――――静寂。
「白」に取り込まれた怜也の耳に情報は入ってこず、
聴覚ばかりか、五感全てが封じられているようだった。
そんな静寂の中、怜也の脳内に直接音が伝えられた。
「あーー、テステス。んっんん。きっこえるぅ?」
いわゆるアニ声が怜也の聴覚情報を支配する。
露骨に耳障りだという表情を怜也がとると声の主はまた喋り始めた。
「おっ、聞こえてるみたいだねぇ」
「僕の名前は――まっ、いいや。秘密にしとこう。」
「そっちの方が後々たのしそうだしねぇ」
「あっ、さっきからだんまりの怜也ちゃん、もう喋れるよ?」
怜也は周りの空間が空気で充満していくのを感じた。
「おい、ふざけた野郎。ここはどこだ。俺を元の場所に戻せ」
「おっ、元気がいいねぇ~」
「おい、ふざけるのもいい加減にs――――!?」
怜也はまた周りから空気が失われるのを感じた
「元気が良すぎるのも問題かねぇ。まあ落ち着きなよ」
「さてどこから説明しようか――あっそうそう今日の僕のパンティーはセルリアンブルーだよっ!どうどう??興奮した??――って嘘だって、そんな怖い顔で睨まないでよぉ」
「えーおほん、まず君、藤原怜也くんはこの世界に生まれるべきじゃなかった」
「なんだって?って顔してるね」
「そもそも君は自分の能力の高さに疑問を感じたことはないかい?」
「――どうやら自覚がないみたいだね。やれやれ」
「君は幼少期の神様が「ぼくのかんがえたさいきょうのにんげん」として誕生させられた人物だ。」
「本来、人はどこかに欠点を持つ。だけど君は欠点がない。人じゃないんだよ」
「つまり君の存在は周りの人に過剰に劣等感を与えるってわけだ」
「気づいてないかもしれないけど、君に劣等感を抱いて不登校になっちゃった子もいるんだよ?」
「そして君は将来大成してこの世界にとても大きな影響を与える」
「そこで責任を感じた神様は君を異世界に飛ばしちゃおうって考えた」
そこまで声の主が説明すると再度空気は充満した
「ふざけるなよなんだよそれ!!」
怜也は怒気を込めて叫んだ。
「僕も申し訳ないと思ってるさ。」
「だからね君のための世界を創った。」
声の主はさも当然かのように言った
「なんだって…?」
怜也は聞き返す。
「だから君が無双できる異世界を創ったんだよ」
「君はチートでもなんでも使い放題!」
「さあ!レッツラノベ主人公ってわけさ」
楽しそうに声の主は話す。
「ふざけるな!そんなまやかしの世界なんていらない!」
「俺を元の世界に返せ!」
声の主はわけがわからないといった声色で
「なんで?とにかくもう時間だから転生させるよん」
「たのしんでねぇ~」
「おいまて、ふざけ…」
――そこで怜也の意識は途切れた。
「何かの冗談だろ…おい…」
眼下に広がるのは怜也好みの中世風の街。
なるほど、たしかに自分のための世界というわけだ。
文明のレベル的には産業革命前といったところだろうか。
そしてその街のはずれにある少し小高い丘に怜也は立っていた。
怜也の心境とは裏腹に太陽は暖かな日差しをあたり一面に届けている。
状況を把握した怜也は絶望した顔でいる。
すると足元に一枚の紙切れが落ちていた。
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れいやたんへ♡♡♡
「異世界取扱説明書」
①この世界は魔法により成り立っている
②魔法には「赤」「青」「緑」「黄」の4属性が存在する
③普通1人1属性、鍛錬した者なら2属性の魔法を使うことができる
④君は全ての属性の魔法を使うことが出来る
⑤元の世界に帰ることはできない
使い方は簡単!いめーじするだけ!
以上だよん!たのしんでねぇ~
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イライラしながら怜也が読み終わると紙切れが消え、その代わりに怜也は自分に力が宿るのを感じた。
「これが魔力ってことか…?」
怜也は試しに頭の中で炎をイメージしてみた。
赤褐色に燃え盛る紅蓮の渦をだ。
するとあたり一面は炎で包まれ、紅蓮の渦が天空まで届いた
「やっば!消さなきゃ…」
次は頭の中で大量の水を想像してみる。
すると天空から滝が落ちてきた。
滝は瞬く間に火を消し去り、イメージをやめると先程までの様子が嘘かのように圧倒的な質量の水が消失した。
怜也は大きなため息を一つ。
「なるほど…確かにチートだなこれは…」
「気に入ってもらえたかなん?」
耳障りなアニ声が怜也の耳を刺激する。
「お前…えっ?」
そこに浮いていたのはいわゆる天使だった。
純白のヴェールに包れ、背面には大きな白き翼を携えている。
そしてなんといっても頭の数センチ上に聖なるオーラを放つ輪を浮遊させていた。
そうまさしく想像上の天使だ。
ただ胸は薄く、顔立ちも整っているが幼い。
普通に考えれば12歳くらいに見える。
「もう~ジロジロみないでよぉ~惚れちゃった??」
「俺にロリコンの趣味はねえ」
「もぅ、照れちゃって~」
イラっとした怜也は即座に「黄」――雷をイメージ。
雷鳴が轟き、その雷は天使を直撃した。
が、
「もぉ~僕じゃなかったら死んでるよ。」
「なっ!?」
手から「白」の盾を出し、雷を完全に無効化している。
「ねぇ、知ってる?」
「「白」っていうのはね4原色を混ぜると出来上がるんだって~」
「もちろん僕も4属性全ての魔法が使えるよ。それに加えて、最強の魔法「白」、もね」
しかし怜也は不敵にニヤつく。
怜也もそれをヒントに4つの魔力を合成。
「白」をイメージしながら天使にその魔力をぶつけながら叫ぶ。
「目には目を、「白」には「白」ってな」
するとどうだろう、なんと怜也の手からでたのは「白」ではなく
「黒」だった。
「なんだこれ!?」
怜也は驚きながら天使を見ると
天使も驚いた表情で
「これは…サタンの素質…!?」
と頬を強ばらせる
「なるほど。4原色を束ねると「黒」にもなるってことか」
そう言って怜也は「黒」のオーラで天使を包む
「くっ」
天使は「白」の障壁を張るが、無駄だ。
黒は障壁にに遮られることなく、むしろ侵食していく。
そして「黒」のオーラが天使を蝕むと、天使は恐怖の表情を浮かべる。
「まてっ、それをすると…」
「黒」のオーラに包まれた天使の輪は聖なるオーラが曇っていくに連れてヒビが入り、しまいには地面に落ちた。
するとどうだろう。
羽は自然ともげ、純白のヴェールは漆黒へと姿を変える。
そして頭には輪の代わりに禍々しいオーラを放つ2本の角が生えていた。
そして天使だったものは絶叫した
「うわあああああああああ堕天しちゃたあああああああ」
怜也は何がなんだかわからない。
「えっと、どうしたんだ?」
豹変した天使に驚いた怜也は「黒」のイメージを解除する
「見て分からないの!?君に堕天させられたの!!」
「もう神様の元に帰れない…」
そういって元天使は泣き出した。
「それ、治らないのか?」
と怜也が尋ねると
「神様なら治せるかもだけどその前に堕天使なんて顔すら合わせてもらえないし、あったところで消されるのがオチさ…」
流石に怜也は天使に対して罪悪感を…湧きそうになったが
もとと言えばコイツの上司である神が悪いのだ。
そう思うと怜也は逆に腹がたちあるアイデアを閃いた
「おい、元天使」
「なんだい糞悪魔」
「1つ提案がある」
「へぇ」
「俺はその糞神様に元の世界に返してもらわないといけない」
「無理だけどね」
「お前はもう一度天使に戻りたい」
「当たり前だよぉ」
「そこでだ」
怜也は悪魔のような笑みを纏いながら続ける。
「 2 人 で 神 様 を ぶ っ 飛 ば そ う 」
「えっ」
「そして要求を飲んでもらうんだ」
「………」
「どうした?悪い話じゃないだろう?」
堕天使は10秒ほど時が止まったかのようにフリーズしたあと、
「ぷっ、あはっははっはははははは」
「君やっぱ面白いね」
「無理に決まってんじゃん」
「なんだっ――」
「――僕がいなければね」
堕天使は堕天使らしく不敵にニヤつきながら言った。
「…その性格前から思ってたけど全く天使っぽくねえな…」
「だって堕天使だもん!」
飄々と堕天使は答える。
「切り替え早すぎだろ…っと」
「おい、そういえば名前聞いてなかったな。」
と尋ねる
「あ、そういえば言ってなかったね」
「僕の名前はルシファー、元天界第2位の実力者さ。」
ルシファーは内心驚かせようとワザと平坦に言ったが、
「へえ、よろしくルシファー」
と平然と答える怜也にルシファーは
「普通はもっと驚くんだけどな…」
と苦笑する。
そして二人は向き合い握手をする。
その二人の目には清々しさと同時に禍々しさが混在していた。
まだ昼だったが、その瞬間日は雲に隠れあたりは薄暗くなる。
「まさかこんな事になるにゃんてね…」
天使は頬に手を当てながら大きなため息をつく
「おい、今更ビビってんのか?」
怜也が茶化すように笑うと
「まっさかぁ」
ルシファーも嘲笑する。
「じゃあ、俺は元の世界に戻るため」
「僕は天使に戻るため」
「「神様を、ぶっとばす!!!」」
その瞬間、日を覆っていた雲は更に密度を巨大化させ、雷鳴が轟き、あたり一面の生き物は驚いて逃げ出していった。
そうすると雲は晴れたが、雨が降り始め、空は異様な光景を演出する。
こうして2人の奇妙な物語は幕を開けた。




