8話 オーク戦
本日2話目の投稿です。
1話目を読んでない方は気を付けてください。
御者が叫び、馬も鳴く。
その声を聞いてオークまでも吼える。
それを聞いて馬車からミツキが飛び出てくる。
ミツキはオークを目視すると腰から剣を抜き出しオークに向かって駆けだした。
「あなた達は退がっていて!」
オークは手に持っていた剣をミツキに振るう。
それをいなしてミツキは足元を斬りつける。
斬りつけられた場所から血が流れ出てくるが、オークは気にした様子もなく踏み込みながら剣を振る。
ミツキはそれを間一髪で避け距離を離す。
しかし距離を離した所にオークがもう一歩踏み込んでミツキに剣が迫る。
ミツキはまたしてもそれをギリギリで避け、オークの肩に斬りつけるが傷は浅い……。
その攻防が進み、両者共決定打のないまま疲れと傷が溜まっていく。
ミツキには悪いがグオズさん程の余裕がないのが素人目にもわかる。
もしミツキが負けたら俺達どうなるんだろうか…。
そしてその時もまた唐突に来た。
ミツキが何度目かのオークの剣をいなすが、
いなされたオークはその勢いを使い一回転。
ミツキに裏拳を繰り出し、意表を突かれたミツキはそれを頭にモロに食らって吹き飛ばされる。
吹き飛ばされたミツキは体に力が入らないのか立てずに倒れたままだ。
なっ……!
ヤバイ!
ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ!
ミツキが死んでしまう。
そしたら俺も死んじゃうじゃないか!
どうする…!
逃げるか…!?
オークはミツキに歩いていく。
「たす…けて…」
ミツキの小さな声が俺の頭の中に鮮明に聞こえてきた。
それをきっかけに混乱した頭の中がクリアになっていく。
………そうか。
例え逃げても俺は生きていけないんだな。
気付くと俺はオークの前に立っていた。
「ダメ…にげて…」
「おいおい、いくら俺でも助けを求める女の子を見殺しにして逃げたら罪悪感に殺されちゃうよ。
折角なら女の子を助ける為に死んだって方がカッコよくないか?」
自分でもバカなのはわかってるんだ。
けどどうせ死ぬならカッコつけさせてくれ。
「勝負だオーク」
オークは乱入者の俺に敵意丸出しで吼えてくる。
さぁ、戦闘開始だ。
魔法を使うなら「ジャジャン拳」か?
いや、発動までが時間かかるしなにより外れた時を考えると使えない。
なら魔力消費が少ないもの…?
そう考えている間にもオークが剣を持って迫ってくる。
取り敢えず距離を離そう。
近付かれたら勝ち目がない。
俺はオークから走って距離を離す。
するとオークの視線はミツキに向かった。
そこに俺が水魔法でオークに水玉を当てて挑発する。
「グォ"ォ"!!」
すると見事にこちらに走ってきた。
が、その表情は完全にブチ切れている。
「ガチおこだ!」
なにか攻撃を!
ジャジャン拳みたく一撃で決めるものだと魔法が暴走しかねないからなるべく小出しの技!
そう考えながらオークの注意を引くための水玉をいくつかストックしていく。
この水玉に攻撃力を与える方法があれば良かったのに!
いや、待てよ、
与えられるんじゃないか…?
俺は足を止めてオークの方に振り向きストックしておいた水玉を周囲に浮かせる。
それを見たオークは警戒して足を止める。
「いくぞオーク、『シャボン・カッター』」
すると周囲に浮かせていた水玉が突然泡になり回転を始めた。
よし、成功した!
オークは警戒を続けているがその泡が危険だという発想には到底至らない。
「こいつはテメェを切り刻むッ!」
泡は回転を続けながらオークへと一斉に向かう。
オークは剣で一つの泡を斬るがそれは割れずに剣を弾いた。
そこでオークはこの泡が何かおかしい事に気付くが、それはあまりに遅すぎた。
泡は一斉にオークに触れ、オークの体をズタズタに切り裂いた。
「オレの勝ちだ」
オークは灰となって消えていく。
こうして俺は女の子を救った。
さて、読者は一体何人このネタがわかるんでしょうか。
基本分からなくても伝わるように書くつもりですがなかなか難しいですね
というか今回短くなって申し訳ないです。
次回か次々回が膨れ上がってしまってるのが私の技量不足を物語ってますね汗。