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6話 進路選択

俺達は森を抜けオイラーの町へと入った。

街並みはヨーロッパの古い町のイメージに酷似していた。

それを見て静かにテンションが上がったが、さすがに知らない人の前で声を上げるのは恥ずかしかったのでここはグッと堪えた。

そして町に入ると俺の制服が嫌でも人の視線を集めるので服屋で制服を売り、代わりに安物の白の服と茶色のズボン、お金を入れるための小袋、

それとグオズさんの勧めで布の茶色いマントも買った。

スマホなんかも売ろうかと考えたがそもそも町の服屋では売れないし今後何かに使えるかもしれないのでやめる事にした。


その後俺達は宿屋に行くため服屋で訊いた宿屋に向かった。

その道中、ガエタナさんが俺に真剣な顔で話しかけた。


「ダイキ、僕達と別れた後はどうするか決めたかい?」

「そうですね、とりあえず仕事を見つけるために冒険者ギルドに行こうと思います。

幸いお金はかなり余ってるので仕事が安定するまでの間も暮らしていけると思います。」


俺は制服を売ってそこそこの大金の入った腰の袋をマント越しに触りながら言う。


「そっか」


ガエタナさんは残念そうに言う。


「えっと、どうしたんですか?」


何かマズイ選択だったのだろうか。


「僕は君には魔法の才能があると思う。

だから君にはできればそれを伸ばす道に、

学園か、あるいは誰か魔導師の弟子として進むのを少し期待していたんだ」


そうか、そんな道もあるわけか。

確かに俺の魔法は水を出したりする分には問題ないが暴走したら動けなくなる。

魔法を先に習ってから冒険者を始めるのも決して悪くない。


「君さえよければ学園にも推薦状を書くし高名な魔導師の知り合いだって紹介できるんだ。

どうだろう、魔法を勉強してみる気はないかい?」


非常にありがたい申し出じゃないか。

特に冒険者に拘る理由もないし受けてもいいんじゃないだろうか。

それに学園で俺がとんでもない成績を出してスゴイって言われたりするのもいいな。


「学園で魔法を勉強します!いや、むしろさせて下さい!」

「おお!そっか!受けてくれるか!

じゃあ早速推薦状を書くよ!それを持って学園に行けば通え始められるはずさ」


なんだかとってもトントン拍子だなぁ。

まぁ楽なのはとてもいい事だよな。


「だったらこのまま学園まで行った方が早いんじゃないですか?」

「いや、学園はこの町にはないからね。魔術都市か学術都市にしかないんだ」


ん?


「じゃあこれから学園のある都市まで向かうんですか?」

「いやぁ、本当に悪いんだけど僕達は学園のある都市には向かわないんだ。この後は王都に帰るんだよ」


ガエタナさんは罰が悪そうに言う。


「え、じゃあひょっとして俺はそこまで一人で行くんですか?」

「うん。本当にごめんね?一緒に行けたらよかったんだけど」


ちょちょ、ちょっと待った!


「俺一人じゃ行ける訳ないじゃないですか!」

「僕達みたいにガイド兼護衛を冒険者ギルドで雇えばいいんだよ。

それに魔術都市までならここからそう遠くないし乗り合い馬車も出てるんじゃないかな」


急にこの人の頭がおかしく思えてきた。

今までは優しいお兄さんだと思ってたのに…。

異世界人との価値観の違いがこんな所でわかってしまうなんて。


これだったら冒険者の方が…。

いや、考えてみれば冒険者の方が危険じゃないのか…?

けど冒険者ってカッコイイし…いや、魔法使いもカッコイイか…。


うーん、異世界にきてすぐに死にたくなんかないしな。

…魔法使いの方が安全か。


「分かりました。じゃあガイドを雇って魔術都市に向かいます」

「よし!じゃあ先に宿に荷物を置いてからギルドにガイドの依頼を出しに行こうか」


こうして俺達は夕陽のかかるレンガの壁の家が連なる街並みを抜け宿で部屋を借り荷物を預けたが、

ガエタナさんとティエラさんは銭湯に行ってくると言って俺とグオズさんを残して宿を出ていった。

多分二人でギルドに行けって事なんだろうな。


その指示通りに二人でギルドへと歩いていった。


ギルドに着き、開きっぱなしの両開きの扉を通ると扉からまっすぐ続く道の先に受付らしき場所があり、その横の大きな掲示板にはおそらく依頼の貼り紙がいくつも貼ってある。

扉から受付までの道の左右にはショッピングモールのフードコートのように椅子や机が置いてあり、チラホラ人がいる。


真ん中の道をグオズさんが歩いていき俺はそれに付いて行く。

そしてグオズさんが受付の男性に話しかける。


「こいつが護衛の依頼を出したい。場所は魔術都市まで。乗り合い馬車を利用する」

「わかりました。募集条件はなにかありますか?」


グオズさんが手際よく依頼していく。

それに受付の男性は事務的に質問する。


「悪評のない奴なら誰でも構わない」

「依頼料はどうされますか?」


そこでグオズさんが俺を見る。

相場を知らないので俺は肩をすくめて知らない事をアピールする。


「600G(ゴールド)だ。食費は出さない」


ふむ、ティエラさんと話した限りでは、1Gは大体元の世界の10円だと思う。

つまり俺の護衛料は6千円か。高いのか低いのかわからないな。


「わかりました。最後に何か身元を証明できるものはありますか?」


そう言われるとグオズさんはマントからバッジを取り出した。


「これでいいか?」

「冒険者の連れ、ということでいいですか?」

「ああ」


受付の男性はそれを聞いて手元の紙に書いていくと受付の奥から青い紙を持ってきてそれに写していった。

そして一通り書きおわるとその青い紙をグオズさんに渡した。


「それを横の掲示板のお好きな所に貼ってください」


そしてグオズさんが掲示板に紙を貼るとギルドから出ていき、俺もそれに付いていった。


「案外早く終わりましたね」

「複雑な内容の依頼でもないしな」

「受けてくれる人いますかね?」

「ものすごく簡単な依頼なんだ、今日中にも受ける奴はいるだろう」


俺の三歩先を歩くグオズさんと話しながら宿まで帰っていった。


宿に着いてもまだ二人は帰ってきていなかったので部屋で魔法の練習ついでに水を作って体を洗った。

その後はグオズさんと他愛ない会話をして二人の帰りを待った。



二人が帰ってきたのは俺達が帰ってきてから20分ほど後だった。

二人は銭湯に行くついでに魔術都市までの乗り合い馬車についても調べてくれたらしく、どうやら5日に一度のペースで馬車が出ているらしい。


そして明日の昼頃に馬車が出るそうで、護衛の依頼が受けられていたら明日にでも俺は出発する事になりそうだ。


案外早くガエタナさん達と別れる事になるかも知れない。

もっと長く過ごすと思ってたのにな…


という事を俺が思っているだろうと考えたガエタナさんが気を遣って酒を買ってきて宿で飲むことになり遅くまで飲み、軽い宴会が行われた。


異世界での初めての夜はとても楽しく、

生まれて初めて飲んだ酒は苦かった。

人の名前を書く時にわかりやすいように役職とか特徴にフリガナとして名前書いてたんですけど今回からやめてみました。

わかりにくいですかね?

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