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イケメン
初めて見たときの印象は、
ああ、またか
だった。
先輩は俗にいう「イケメン」で、さらにはスポーツ留学をしていたほど運動神経がよく、誰に対しても愛想よく接する人だった。噂では合コンに行きまくり、そしてもてまくっているらしい。好みのタイプは細くて足がキレイな女性。良くも悪くも、先輩は典型的な「イケメン」だった。
それまで、私は安易な恋愛をして傷つくということを繰り返していて、特にイケメンには弱かった。散々、痛い目を見てイケメンはこりごりだと思っていたので、なんとなく先輩には近寄らないほうがいいと思っていた。