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闇の覇者  作者: 快良
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奪還戦

作戦はこうだ。

まず、俺がアイツ...教祖と心置きなく戦えるようにすること。恐らくアイツは二人を人質として使う。

まあ、桃香に関しては亡霊王の一件もあるしもしかしたら人質以外の使い方もするのかもしれないが。

それはおいておくとして。

つまり、二人の解放を第一の目標として設定する。

その二人はグリードに帰らせる。その後に俺が教祖と一対一で殺り合う。あの強さなら十分に勝てる。あんまりちんたらしてると桃香になにかされかねない。


「...到着。」

そこはわかりやすい教会。ステンドガラスがあるような教会。だが、それならやりやすい。二階から侵入する。

「グリード、後はさっき伝えた通りだ。」

さっき伝えたのは、俺が最初に侵入するから正面で待機していろということ。

外から見て回った時に二人の場所は確認済み。

ただ...。二人がステンドガラスのところにくくりつけられてるのが痛い。階段は正面から入って手前の左右にあるのに、肝心のステンドガラスは祭壇の後ろ。階段から攻めるにはあまりに不利。だから、敢えて正攻法ではいかない。場所は...この辺りでいいか。足に魂力を込めて...。思いっきり壁を壊す!

着地場所は祭壇ドンピシャ。

「帝人!?」「お兄ちゃん!?」

そりゃこうなれば驚きもするか。幸いなことにアイツはいない。...いや。

持っていた短剣(ダガー)を桃香に投げる。

「なぜ...。なぜわかった!?」

さっきまで桃香の姿をしていた奴は変身が解けおっさんに戻る。こんなおっさんにお兄ちゃんとかいわれたの普通に鳥肌なんだが。

「...馬鹿にしてるのか。桃香の兄はこの世に唯1人、俺だけだ!桃香が本気で驚いた時はもう半音高い!俺が気付かないとでも思ったのか!」

「帝人、君ってホントシスコンだよな...。」

シスコンで結構。俺がシスコンでなかったら今このなりすましに気付けてなかったのだからな。

「というか、なんでそんな姿を変えられていたんだ?能力持ちでもないだろ?」

「はははは!!!わしは、とうとう手に入れた、亡霊王の魂を!!」

亡霊王の魂を抜いたのか...?

「どうやって」

「あの娘の魂から亡霊王の魂をとってやったのだ!!ははは!!これで魂もみえる!お前の薄汚れた魂が!!あの小娘の魂も汚かった。穢らわしい。所詮は穢れた血というわけだ!!」

そろそろ、許容のボーダーラインを超えそうなんだが。

「お前も、あの小娘も...所詮は人間でもなんでもない...ただのゴミだ!!」

「はぁ...はぁ...はは...。お前を殺す前に...。莉、逃げろ。正面からでると化物がいるかもしれないが..。そいつは仲間だ。逃げさせてもらえ。」

「嫌だよ。帝人のことだから、どうせ親の死ぬところなんて見せられないって言うんだろう?でも...人の心は簡単に操れないんだよ。僕も戦う。」

「だが...それは。」

「あぁ。僕は...帝人の言うとおり、とんでもなく偏った見方をしていたことを気付かされた。高校で...ここ1週間ぐらいかな、見てきてわかった。能力持ちは穢らわしくもなんともないってこと!普通の人間と変わらない。人間より少し強いだけの人間だ!」

やっぱりな。親の洗脳が強いだけで本人自体は良い奴だった。

「この馬鹿息子が...!そいつ諸共殺してくれる!!」

闇の繭(オスクロズカプラ)

先手必勝。相手に行動をすることすら許さない。

「それは...?」

「あぁ。この技は相手を暗黒の繭の中に閉じ込めてこっちに攻撃することを許さなくする。」

「でも...これだと、こっちも攻撃できなくないか?」

「それは...。物理ならの話だ。...父親がどんな酷い死体になっても文句言うなよ。」

終焉(フィナーレ)-改』

周り全体で爆発というのがめんどくさかった。そこを潰した。改の方は、この技とセットで使うことを想定して繭の中だけで爆発するように改良した。これで灰になるはず。なにせ、終焉の威力と規模はそのままに、繭の中に凝縮しているのだ。終焉はラスキーシュですら穿つ。それを超凝縮された終焉なら?塵すら残らない。

「一緒に戦うと言ってくれたのは嬉しかったが桃香が心配だったから秒で終わらせてしまった。出番なしで悪いな。」

「い、いやいいが..。今ので本当に殺したのか?」

俺は闇の繭を解く。想像通り、そこにあるのは灰だけだった。

「こんな、ことが...。」

「これで晴れて俺はお前の親の仇なわけだが...。どうする?」

「どうするって...。今更仇討ちなどするわけないだろ、早く桃香さんを助けに...。」

ドアが開いた。

「あまりにも出番がねえもんでさあ...。」

...グリード、合図があるまで入ってくるなと言ったはずなんだが。まあ、無事に倒せてたからよかったが。

「た、帝人...。あれは...?」

「ああ...。あいつは鬼だ。本当のな。」

「本当の鬼が...!?」

そりゃそうなるよな。鬼を見て驚かなかったのは藍と桃香だけだ。

「お前が莉か。...桃香はまだなのか?」

「あぁ、いまから地下に行く。」


「桃香!」

桃香は酷く衰弱していた。なぜ...。

「これは...まずいぞ。このままだと、桃香は死ぬ。」

「なんでだ!?」

「魂にいた亡霊王がいなくなったことによって魂のバランスが取れなくなってる。魂のバランスが乱れた状態が長く続くと...。」

どうしたらいいんだ...!!さっき、あいつは亡霊王を取ったとか...。

「近くに亡霊王がいるかもしれない。グリード、探してくれないか」

「...。いたら気付いてる。亡霊王や閻魔様みたいな同じ妖怪でも偉い人らは魂の放つ気が桁違いなんだ。帝人も感じただろ、閻魔様が戦うときの気を。」

あれか。あれを魂にもまとっているのか。それはたしかに気付かないわけないな。

「あの男の魂にやけに輝きがあったが...。復活しきってないからその程度なんだったら。」

「あいつの魂を持ってきてくれ!頼む!」

「あぁ。任せろ。」

「つまりどういうことだ...?」

俺らが話している間莉はほとんど空気だった。俺達の会話についてこれなかったんだろう。

「そうだな...。あいつの魂にいるかもしれない亡霊王の元を、桃香に返せば桃香はまた生きれる...かもしれない。」

「....なるほど。だったら、移す機械が必要じゃないか?」

「たしかに、それはそうだな。機械を調べてみるか。」

あいつがさっき力を手に入れたならその機械が近くにあるはずだ。

ご丁寧に近くに説明書が落ちてた。多分元はセーロス教のものなんだろう。...というか、セーロス教はどうしたんだろうか。まあいい。今は桃香だ。

『動力源は電気。魂を吸い魂に与える』...か。

電気を繋いで...。

「持ってきたぞ、こいつだ。ここに魂がある。」

「吸い取り開始!」

装置が動きだした。

「あ、魂壊れたぞ。もういい」

装置をとめ、矛先を桃香にむけて注入する。

これで大丈夫なはず...。

装置が再び動き始める。

「んん...。おにい、ちゃん...。」

よかった。目を覚ました。だが....。亡霊王の魂がないと桃香は死ぬ。復活しても死ぬ。どうしたらいいんだろうか。

「そうだ、前にグリードが俺に取り憑いてたみたいに亡霊王の復活後に桃香の魂にとりついてもらえばいいのか!」

そうすれば、亡霊王も復活するし桃香も死なない。それが一番良い。復活させるときに他の依代を用意するのを忘れないようにしなくちゃな。


グリードと桃香には先に帰ってもらった。二人でゆっくり話す時間が欲しかったから。

「ところで...。莉は俺みたいに強くなる気はあるか?」

「強くなりたくないわけじゃないけど...。でも、僕は人間の範疇で強くなってみせる。父さんがやろうとしてたみたいに。」

「あの、教祖がか?」

あの醜い化身がそんなことをしようとしてたなんて考えられない。

「あぁ。実は...。一輝先生が、その研究対象だったんだ。一輝先生は、僕のお母さんの弟だったんだ。世間は狭いね。...父さんは、一輝先生とよく模擬戦をして...。能力がないなりに強くなろうとしていたって。まあ、最終的に嫉妬に狂ってあんな集団を作り上げたりしたわけだけど...。父さんが昔の話を聞かせてくれた時のことを思い出してさ。」

なるほど。最初に戦ったときに言っていたアイツとは先生のことだったのか。では、リッパーとは一体...。

「そうそう、僕本格的に教師になろうと思って。こんな手の汚れた奴でも、一輝先生はなれるって言ってくれた。校長先生にちゃんと話してみようと思う。」

莉は、ちゃんと更正した。だけど...。俺は、変われているだろうか?

「あぁ、頑張れ。」

俺らはそれぞれの帰路についた。


莉から電話だ。ちゃんと家に帰ったという報告か?

『先生が....一輝先生がいないんだ...!』

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