対面アンドリューサルクス
暑かったり涼しかったり
臨時パーティーをグスタフ達の小屋の近くまで案内している途中に、レンジャーのミュラーが巨大な足跡を見つけた、足跡はパーティの向かう方向へと続いていて、マッテオとノアに戦慄が走った。
「この足跡は…アンドリューサルクスの物で間違いないだろう」
ミュラーが足跡を見ながら、推測していると後からハンナが近づいて覗き込む。
「そう判断した根拠は?」
「アンドリューサルクスは獰猛な肉食性のモンスターだけど、足には爪じゃなくて蹄を持っているんだ、しかも珍しい3本の蹄、この足跡からはその痕跡が見て取れるから間違いないよ」
「それなら急ぎましょう、足跡が知人の家に向かってます!」
ノアが皆を急かして、足跡を追って進んで行った、グスタフの家に近づくと食料保管庫が壊され、小屋の壁にも穴が空いていた。
「グスタフさん!ベティさん!」
ノアが叫んで2人を呼んだが返事はない、小屋に入って中の様子を調べてみると、かなり荒らされていた。
「ひどい有様だな」
「2人とも大丈夫かな」
ミュラーが中の様子を調べる。
「たぶんお知り合いは逃げてると思うよ」
「どうしてそう思うのですか?」
「部屋が荒らされている割には、血が落ちてないからね、少なくとも、ここからは無事に逃げたか、たまたま留守の時にモンスターが来たか、どちらかだと思うな」
ハンナも中に入って来た。
「外に人の足跡があったよ、そっちにアンドリューサルクスの足跡も続いている、早く追いかけよう」
「それは一刻を争いそうだ、急ごう」
全員、小屋から出て足跡を追っていった、少し進んだ所でミュラーの探知系スキルにアンドリューサルクスの気配を感じた。
「皆、対象モンスターがこの先にいる、戦闘の準備をするんだ」
前衛職は武器を構えて駆け始め、後衛職はミュラーの進む方向に対して横に広がりながら弓を手にして進んでいく、進んでいった先には洞窟があり、入口の前に巨大なモンスターが左右にウロウロしながら洞窟の中の様子を伺っていた。
「いたな、アンドリューサルクスだ」
アンドリューサルクス
Aランクモンスター
体長10〜15m
獰猛な肉食性のモンスター、大きな犬歯を持ち強い咬合力を持つ、爪でなく蹄を持っていて、前蹴りや踏みつけも要注意。
「何故洞窟に入らないんだ?」
ターヒルが疑問に思い、目を凝らしてよく見ると、洞窟の入口には魔導陣があり、そのせいでアンドリューサルクスは、洞窟に入れないでいるようだった。
ミュラーは前衛の3人に持つように指示して、後衛の人たちにはハンナが対象を囲む様に指示を出した。
取り囲んだ全員が弓を構えてアンドリューサルクスを狙う、ノアは魔力を溜めて強力な一撃を放つ準備をする。
「ノアくん頼んだよ!」
ノアはアンドリューサルクスをしっかり見据えて呪文を唱える。
「ワルプールライトニング!」
轟音と共に強力な電撃がアンドリューサルクスに降りそそいだ、不意打ちで電撃を食らったアンドリューサルクスはよろめき倒れた、一瞬やったかと思ったけど、奴はすぐに立ち上がり、こちらの気配に気付いたようだ。
「矢を放て!」
一斉に矢を放って攻撃するが、アンドリューサルクス周りに、石壁が現れて矢を全て防いだ。
「グルルル」
唸りを上げると、アンドリューサルクスはこちらに向かって駆け始め突っ込んで来るのを見て、ターヒルがいち早く反応し前に飛び出しハンマーを振り下ろした。
ハンマーは額に当たったが跳ね返され、ターヒルは体当たりを食らい後ろに吹き飛ばされた。
「今だ!」
ミュラーは体当たりの後で、動きの止まったアンドリューサルクスに束縛のスキルを使った、光る帯のような物が相手に絡みついて動きを止める、その隙にマッテオとクリューガーはアンドリューサルクスの左右に分かれて攻撃を仕掛ける、マッテオは剣で突き、クリューガーはナックルを装備して殴りかかる、しかし鋼の剣でも少し刺さる程度でダメージにはなってなさそうで、クリューガーの拳も分厚い筋肉には効いてない。
「うおぉぉ!」
それでも何度も斬りつけて攻撃を続ける、クリューガーも何度も殴りかかり脚にダメージを与えようとしている、そんな2人にアンドリューサルクスが魔力を使い地面から石柱を飛び出させ反撃してきた、マッテオとクリューガーは突然、飛び出してきた石柱に横から突かれて飛ばされた。
「くらえ!破魔の矢」
ハンナが死角から心臓辺りを狙って矢を放った、矢は胴体に刺さったが心臓には届いていないようだ、ハリムもスキルで強化した矢を放つが、こちらは刺さっていない、他のアーチャーも矢を撃っているが硬い毛皮に弾かれている、そうこうしている内に、アンドリューサルクスは全身に力を込めて、束縛のスキルを解いてしまった。
ミュラーを睨んで、前脚を振り下ろした、ドスンと音を立てて踏みつけたがミュラーはそれを躱した。
「ノアくん!もう一発いけるか!」
「はい!いきますよ、ワルプールライトニング!」
再び轟音と雷撃がアンドリューサルクスを襲った。




