これからどうするか
新しい環境に疲れているのか…体調崩しました
次の日、グスタフとベティに見送られて、マッテオ達3人は町へと戻っていった。
帰り道でカールから魔術ギルドの職員にも聞いてみるが、期待しない方が良いと言われた、ノアの考えていた通り、研究設備の整った今の環境から、移動したいと思う者はたぶんいないだろうとの事だ。
町に着いて、魔術ギルドにホワイトウルフを納めている間に、カールがアーベルにマッテオ達の事を説明してくれて、アーベルから職員へ話をしてくれたが、やっぱりギルドを離れる者はいなかった。
「こちらのギルドでは、あなた方の要望に応えられなくて申し訳ないです」
アーベルがわざわざ謝ってくれた。
「いえいえ、元々簡単にはいかないと思ってましたので、ただ何か情報があれば教えて下さい、しばらくはこの国にいると思いますので」
「分かりました、何か情報あれば、各地のギルドに共有しておきますので、確認してみて下さい」
「すまないね、私が行ければよかったのだけれども」
「あっそれは大丈夫です、ギルドマスターの仕事頑張って下さい」
にこやかに2人で答えた、魔術ギルドを離れ、宿に入って2人でこれからどうするか話し合う事にした。
「さてどうしようか」
「そうだな、王都の方に行ってみるくらいしか、今のところ思いつかないかな」
「だよね、念の為、後2,3日この町で探してみる?」
「そうだな〜ベティさんも元々民間の研究所にいたって言ってたし、ギルド未所属の研究者とかいるかも知れないしね」
という事で、もう少しこの町に留まる事にして、次の日から冒険者ギルドや色々な所で聞いて回った…が結局この町の近辺では目星い人物は見つからなかった。
町から移動しようとした日、王都への道のりを聞く為に、冒険者ギルドへ立ち寄った、受付で話をしようとした時、奥から職員がかけてきてギルド全体へ声をかけた。
「緊急クエストが発行されました!今ここにいる冒険者の方々は全員聞いてください!」
ギルドの中がざわつく、呼びかけた職員の後から大柄なドワーフが出てきて説明を始めた。
「Aランクモンスターのアンドリューサルクスが現れた、別のクエスト遂行中の冒険者が既に被害にあっている!このままでは近隣の村にも被害が出るだろう!この町だって危ない、緊急という事でCランク以上の冒険者は討伐に参加してくれ!」
アンドリューサルクスの名前を聞いて、更にギルド内は騒々しくなった、やってやると興奮する者、嫌だと怯える者、関係ないと安堵している者、そんな冒険者達の中を数人の職員が冒険者の証を確認して回っている。
確認が終わると、Cランク以上の者は受付前に集められた、Bランクのマッテオ達も当然捕まって一緒に集められている。
集まったのはCランクが16人、マッテオとノアを含めたBランクが5人、Aランクが2人だった。
大柄のドワーフはやっぱりギルドマスターだったみたいで、集まった冒険者に話し始めた。
「よく集まってくれた、Aランクが2人にBランクも5人いるのは心強いな、状況の説明をするぞ、当該のアンドリューサルクスは普段は北の山に生息しているはずだが、何故かすぐ南の森に行動範囲を広げたみたいだ、襲われた冒険者は森で遭遇したらしい」
森の場所を聞いてマッテオとノアはピンと来た、先日ホワイトウルフの群を討伐した場所だ、ホワイトウルフがいなくなった事で、アンドリューサルクスが南下してきたのではないかと想像した。
(これは、魔術ギルドの依頼だったとは言え、余計な事は言わないでおこう)
「直ちに現地へ向かって、討伐を開始してほしいのだが行けるかお前達?」
ギルドマスターの言葉を聞いて、Aランク冒険者の1人が話し始める。
「直ぐにでも向かいたいの山々だが、多少準備する時間は欲しい、準備なしに行っても全滅しかねない」
「あ、あぁそうだな、焦りは禁物だな、あまり時間に余裕はないが、確かに準備は大事だな、ギルド内でもそれなりに物資も武具も揃うだろう、準備を進めてくれ、ただ遅くとも午後には出発してほしい」
集まっていた冒険者はパーティー毎にそれぞれ準備し始めた、マッテオとノアも回復のポーションなどを買い揃える事にした。
「そう言えば俺達って、ポーションとかあんまり買ったことないよね」
「そうだね、城から支給されてたから自分で選んだ事ないし、種類もよく分かってないね、いい機会だしちゃんと見ておこう」
店の陳列棚を見て回り、商品を確認する。
・治癒ポーション(低)
・治癒ポーション(中)
・魔力ポーション
・魔石
「治癒のポーションってランクあったんだ、魔力ポーションってたぶん魔力を回復させるって事だよね」
「そうだろうな、魔石ってなんだろ?初めて見るな」
2人がヒソヒソ話しているのが、店頭の職員に聞こえたのか、こちらに話しかけてきた。
「君達、アンドリューサルクスの討伐に参加するメンバーだよね、あそこでマスターの話し聞いてたと思うんだけど」
「あ、はいそうです」
「ゴメンね、2人の会話が聞こえたから、君達は少なくともCランク以上なのに、アイテムについてあまり詳しくなさそうだけど…」
やばい聞かれてたと思って、どうにか言い訳を考えていたらノアが話し始めた。
「実はそうなんです、今までは別のメンバーに買い出しを任せてたんですけど、自分達で買うのは初めてに近くて…魔石なんて物は使った事も無かったもので」
「そうなのか、じゃあ説明したほうがいいかな?」
「いいですか?助かります」
「まず、治癒のポーションだけど、うちでは低級と中級しか扱ってないけど、商人ギルドや王都に行けば高級のポーションも扱っているよ、ランクに応じて回復量が違う、高級ともなると骨折しててもすぐ治るし毒や麻痺も回復するよ。
魔力ポーションは、想像通り魔力を回復させる物だ、大体中級魔術5発分くらいらしいよ。
最後に魔石たけど、こいつに魔力を込めて敵に投げつけて砕くと爆発を引き起こすんだ、それにこいつを持って魔術を撃つと普段より威力が上がるみたいだよ」
「へぇ~そんな代物があったのか、魔石があったら今まで手こずったモンスターも、もう少し楽に倒せてたかもしれないな」
マッテオはアーマーリザードやギガントフィスの事を思い出して呟くと、ノアも興味が湧いて魔石を見つめる。
「1つ買ってみる?」
そのノアの一言に職員が少し驚いた。
「買ってくれたらありがたいけど大丈夫かい?1つ金貨2枚するよ」
確かに高い、魔力ポーションが銀貨50枚、中級治癒ポーションが銀貨10枚と考えると段違いだが、買えない事もないので2つ買うことにした、金貨4枚を渡しマッテオとノアそれぞれ1つずつ持つ事にした。
他にも中級治癒ポーションを4つと魔力ポーションも2つ買った。
「ありがとうございました〜」
職員はニッコニコだ、続いて武具を扱っている店で品物を見ることにした、前回のインフェルノホーク討伐の時に、槍が折れたままだし剣も買い替えたほうがよさそうだった。
今使っているのは鉄製の剣だけど、Aランクモンスターを相手にするにあたって、鉄製では心許ないと思い、鋼製の剣と槍を購入した。
ノアは胸当てを買って防御面の強化したみたいだ、準備を終えて午後になるまでの少しの間ギルドですごした。




