魔術訓練開始
三連休が終わった後の会社って、行くの面倒ですよね。
テレワークしてみようかな…と考えるが、出社しないと仕事やる気にならない古い人間です。
魔術書を開き初級魔術を詠唱してもらう
まずは、カールから
「我が魔力よ、大地を焼き尽くす炎となって敵を焼き尽くせ!ファイヤーシュート」
聞いててこっちが恥ずかしい
しかも、適性がなくて火球が出ない
カールも照れてこっちを見れないでいる。
「つ、次の属性を試しましょう!
どんどん進めて早く魔力の強化鍛錬に移らないと」
「そ、そうだね。次は水属性か、えーっと…
我が魔力よ、清き水の調べとなり全てを洗い流せ!
ウォーターシュート!」
出ない…辛い!見てられない!
その後も、詠唱を唱えながらすべての属性を試した結果
カールの適性は氷だった。
続いてレームスにやってもらう
「ファイヤーシュート!」
詠唱を華麗に省略、呪文のみで火球が飛んでいく
カールが口をぱくぱくさせている
「魔術はイメージですよね、カール君の詠唱を聞いてしっかりとイメージできましたから。」
ニコッと笑いながら次の呪文を唱えていく…
カールが不憫でならない……
結局、レームスの適性は火だった。
週に3日、練兵場に通って魔力強化訓練を行う
始めのうちは2,3発初級魔術を撃つと
倒れていた、カール、レームスも
1ヶ月もすると初級魔術なら10発くらいは撃てるようになっていた。
俺とヘンリーは、中級魔術を練習中だ
「ファイアショット!」
複数の火球が自分の周りに現れ
的へ向かって飛んでいく
爆発音とともに的は跡形もなくなっていた
そして俺も地面へとへたり込む
「撃てたけど、もう立てない…」
「ストーングレイブ!」
ヘンリーの手のひらの辺りが光り輝く…
が、何も起こらない
悔しそうに歯を食いしばりながら
自分の手を見つめるヘンリー
「…1ヶ月、訓練してきて、魔力量は多少増えたけど、強い魔術を使えるようになる兆しはない。
僕は、ウィザード向きじゃないみたいだな。」
「ヘンリー兄さん…まだ1ヶ月ですよ、もう少し続けましょう」
「マッテオ…そうだな、もう少し続けてみるよ」
互いに励まし合う兄弟を、魔力切れで倒れ込んだまま
青年2人が微笑みながら見守っていた。