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目的の国へ

夕方、国境の町に着いて宿を取り、食事と情報収集をしにギルドへ向かった。

何人かに南の国について聞いてみた、その中には何日か前までその国にいた人もいて、地理について聞けた。

国の名前はビリエル王国、このまま国境を越えるとちょうど国の中心辺りに着くらしく、東に行くと首都で西に行くと大きな町に着く、西の町はウシャクと言って魔導陣の研究を盛んにしているそうなので、2人はそっちに向かう事にした。

次の日、関所を越えてビリエル王国に入国して、街道沿いに西に進む、いくつか小さい村を通り過ぎ、何度か野宿をしながらウシャクの町に着いた、マッテオはいつも通り冒険者ギルドへ行って情報を集める事にして、ノアは魔術ギルドがあったのでそちらへ向かった。

冒険者ギルドに着いてクエストボードを見ると、目についたのが、魔術ギルドからの依頼が全体の半分ほどもあった、依頼内容はモンスターの特定の素材の納品といった内容だ、他ではあまり見ない事なので、少し不思議に思って受付の人に聞いてみた。


「すみません」


「はい、どうされました?」


「クエストボードに魔術ギルドからの依頼が多いと思って、何か理由があるんですか?」


「あ〜もしかして、この町には初めてお越しになりました?」


「はい、この国自体つい先日入ったばかりです」


「そうだったんですね、魔術ギルドの依頼が多いのは単純に魔術ギルドだけでは、素材の収集が追いつかないからです、ここの魔術ギルドは魔導陣研究が盛んだからいつも大量のモンスターの素材を必要としているんですよ、王都には行かれました?」


「いえまだ行ってないです」


「王都は王都で国立の研究機関があるので、あっちの冒険者ギルドには、国立研究所の依頼がたくさんありますよ」


「へぇ~そうなんですね、どっちの方が研究が進んてるとか分かりますか?」


「いえー研究の事はうちではさっぱり分からないですね、ただお互いライバル視してるみたいで、頻繁に研究結果の発表をしてますね」


「そうなんだ、ありがとうございます、もうちょっと依頼見て考えます」


「よろしくお願いしますね」


冒険者ギルドでの情報収集も十分だと思って、ノアと合流するため、冒険者ギルドを出て魔術ギルドへ向かった。

魔術ギルドではノアがドワーフの研究員の長話にうんざりしていた、魔導陣についての理論や構築の法則などの話はまだ聞いていたが、話がいかに魔術ギルドが優れていて、国立研究所は遅れているのかなど、聞いてもない事も延々とギルドに来てからずっと話している。

マッテオが魔術ギルドに着いて、ノアの事を受付で話して案内してもらった、見つけたノアは明後日の方向を見ながら「はー」「へー」「ほー」の3単語しか喋ってなかった…ノアに声をかけて、遠くに行っていた意識を呼び戻した。


「ノ…ノア?」


声をかけられたノアは(はっ!)と言う感じでこっちを向いた。


「マッテオ!どうしてここに?」


「冒険者ギルドで色々聞いたから合流しようと思って、ここまで来たんだよ」


「そ、そうか!じゃあ、すみません今日はこの辺で」


帰ろうとしたマッテオに研究員が声をかけてきた。


「君、君、君は見たところ魔力がそこそこ高そうだけど、魔術は使えるのかね?」


(そこそこって…)


「使えますけど…それが何か?」


「ほう〜ウィザードでは、なさそうだが魔術が使えるなら何故ウィザードにならないのかね?」


「近接攻撃の方が得意だからですよ、でもサブクラスはウィザードですよ」


「何!サブクラスにだと、今すぐメインクラスにしなさい、ウィザード程、有能なクラスはないのだから」


「嫌ですけど…何なんですかあなた?」


「私はこのギルドのギルドマスターだ、さぁ早くメインクラスをウィザードにて、ギルドに登録しなさい、そして私の頼みを聞きなさい」


「頼み事があるんですか?」


「そうだ、だから早くウィザードに…」


「マスターもういいです」


横から別のドワーフが出てきて話を遮った。


「すみません、ご迷惑お掛けしました、私はサブマスターのアーベルと言います。

失礼ですが先ほど、お連れの方との会話から察するに、あなたは冒険者ギルドに登録されてる冒険者でよろしいですか?」


さっきのギルドマスターとは打って変わって、礼儀正しく話しかけてきてくれた。


「はい、確かに俺は冒険者登録してます」


「なるほど…重ねて失礼だとは思いますが、冒険者ランクは?」


「Bランクです、ちなみにノアも同じですよ」


「なんと!そうだったのですね、それで先程の話の続きなのですが」


「ど、どの話でしょう…」


「あっ…ギルドの頼み事の話です、受けていただくには結局、魔術ギルドに登録してもらう事になってしまいますが」


「そうだ、だからウィザードをメインにして登録を…」


「登録にそんな必要はありません」


また、話に入ろうとしたギルドマスターをアーベルはピシャリと遮った、アーベルは冷静な判断ができそうなの人なので、話を聞くことにした。

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