初任務は
暑くない?
会議の場に、マッテオとノアがやってきて近衛師団へ入団と任務について、推薦したハインツから説明がされた。
「わざわざ来てもらって申し訳ないな、実は君たちには是非とも正式に、国王兵団の近衛師団に入団してほしいと、話題上がったからこの場に来てもらった、君たちも今の情勢は分かっていると思うが、ドワーフの国との関係が悪化している、包み隠さずに言うと、この前の戦闘結果を見て強力な戦力へと成長した君たちを、我々は何としても我が国に留めておきたいと思っている」
マッテオとノアは顔を見合わせた、訓練を受ける内に2人共この国の兵士になるつもりでいたからで、入団しないという選択肢がある事を忘れていた。
ただこれだけお世話になって、断るという事もできないのでマッテオは申し出を受ける事にした。
「お受けします、そのように評価頂いて光栄です」
「僕もお受けします」
2人の入団の返事にその場にいた一同はほっとしたが、ここでアルムガルトが口を開いた。
「ハインツ、あまりせこいやり方をするな、マッテオ、ノア、話はもう1つある、それを聞いてから決めてくれ」
アルムガルトの言葉にハインツが少し下を向く、彼の珍しい反応が気になり、もう一つの話が始まるのを待って2人でじっと見つめる。
「あー…実は正式な入団と共に、ある任務を任せたいと考えている、その任務は、侵攻してきたドワーフの国へ使者として向い、あちらの考えを探ってほしいと思っている、ここ最近の彼の国の動きを考えると、かなり危険な任務になることは明白なのだが、君たち以外に適任が思い浮かばないんだ…」
その話を聞いて、マッテオは少し考えてある事を確認してみた。
「確かに今の状況では使者は拘束されたり、最悪は殺される危険がありますね…ちなみにその様な動きを相手が見せてきた場合、その場で反撃してよろしいのですか?」
マッテオの質問が予想外だったのか、ハインツもクラウスも、キョトンとしてしまった。
なんとかクラウスが、考えを巡らせながら答えた。
「えー普通はこちらの考えを伝え、更に相手の考えを聞き出して、こちらに持ち帰るというのが使者の役目だから…反撃するというのは、如何なものかな…そもそも武器は、取り上げられているだろうし、相手からもかなりの猛攻を食らう羽目になるだろう、なんせ敵地のど真ん中だからな」
「では相手の敵意がこちらに向けられた場合の対処は、最後まで落ち着けと説得を試みるだけって事ですか?」
「基本的にはそういう事になるな」
このやり取りを聞いていたアルムガルトが口を開く。
「マッテオの言っている意味が分かっているかハインツ?お前はマッテオとノアが使者に適任だと言ったな?」
「はい、陛下」
「戦闘に長けたマッテオとノアを送り込むんだ、その場で戦闘になっても、拘束されても対処できると考えたのだろう?けどお前たちは、今何もしないのが当たり前だと言った、矛盾しないか?戦闘しないのなら交渉に長けた人物を送るべきだろう」
「………」
矛盾を突かれハインツは黙る、クラウスもフォローできずに黙っている。
「使者は別で探すという事でいいな」
「はい、この子達への期待感と交渉が上手く行く期待感を混同して考えていたようです、使者は別を探します」
「ああよろしく頼む、ただ別の任務を思いついた、この任務をもって正式な団員になってほしいと思っているのだが聞いてもらえるか?」
「別の任務ですか?それはどのような…」
アルムガルトは皆を見回してから話し始めた。
「砦での戦闘の後、魔導陣を見つけたな?あれは有用だと思うんだ、だから魔導陣を運用できるドワーフを見つけてきてくれ、ドワーフの国の全てがこちらに侵攻している訳じゃないだろ、彼の国とは別の国へ行って職人を見つけてきてほしい」
アルムガルトの提案を聞いて、ノアが話す。
「それは確かに、いいかもしれませんね、魔導陣を研究するのはいいと思います」
「そうだろ?転移の魔導陣は難しいかもしれないけど、防衛に役立つ物や、単純に暮らしに役立つ物もあると思うんだ、どうだハインツこの案は?」
「確かにそれは有用ですね、旅をするような物ですから、彼等の実力も十分活かせる、1つ懸念点は我が国の南面は全て、侵攻してきたドワーフの国と面しているという事ですね」
「幸い今はまだ国交を断絶しているわけじゃないから、入国自体は難しくないだろう、マッテオとノアなら彼の国も抜けれるさ、どうだ?この任務受けてくれるか?」
確かにそれなら、使者の任務より向いていると思ったのでマッテオは受ける事にした。
「はい、そうですね、陛下から直々に任命されたのであれば、断る理由がありません、お受けいたします」
ノアも続いて答えた。
「私もお受け致します」
こうしてマッテオとノアは正式に国王兵団に、入団する事になり、初任務で国外に出ることになった。




