ドワーフ兵進軍
桜って咲いたの?いつの間に!?
〜ドワーフ兵側〜
偵察の兵が砦の様子を伺っていると、見慣れない3人のヒューマンを見つけた、その1人に見覚えがあったので、じっと望遠鏡を覗き込む…そして気付いた、それがベルツ王国国王のアルムガルト・フリードリヒ・フォン・ベルシュタインであると、偵察の兵は急いで魔導通信機で隊長と連絡を取った。
「伝令、偵察中の砦にベルシュタイン発見、繰り出します!砦にベルシュタイン発見!」
「なに!それは本当か!?」
「間違いありません、ここにある写真を見て確認しております」
「了解した、軍部に報告する、そのまま動きを探れ」
「承知しました」
〜ドワーフ国 軍部〜
偵察からの報告を聞いてきた上層部は、どうするか話し合っている、その様子を見ていた、ドワーフの王が一声かけた。
「何を悠長に議論している、ベルシュタインの小僧がノコノコと我軍の目の前に来ているのだろう?討ち取ってしまえばあの広大な領土と、ヒューマンの奴隷が大量に手に入るではないか」
ドワーフ王 ゴーム・ド・カッセル
武勇に優れ魔術にも精通しており、先代の王の時代には軍を率いて戦やモンスター討伐にもよく出陣していた、王位を継いでからはその武勇で家臣たちからも人望が厚かったが、ここ数年は性格に変化が見え、武力による侵攻で周りの小国を吸収し領土を拡大している、そんな王に1人の家臣がゴームの言葉を聞いて自らの考えを唱える。
「しかし王よ、今までの様な小国が相手ではありません、ベルツは大国なのです、もう少し慎重に…」
家臣からの進言を聞き終わる前に、ゴームは土魔術で作った岩石を飛ばし、その家臣の頭を吹き飛ばした。
他の家臣達は驚きのあまり声も出す事ができず、倒れた頭部のない死体を凝視している。
「このように頭を潰せば、すぐに事は終わる、たかが国境の砦1つだ500程の兵と巨人何体かいればすぐに落とせるだろう、いつもの様に兵を送り込めばそこでベルシュタインも終わりだ、後はその砦を拠点に各地を制圧すればいい」
「はっ!早急に進軍致します」
家臣達は、引きつった顔でゴームの指示に従った、将軍から大隊長に進軍の命令が伝わる、最近のこの国では突然の進軍命令は珍しくないので、準備は毎日整えてあり、兵士たちは常に兵舎で待機している、国境付近に潜んでいた偵察の兵にも、進軍の命令が伝わり準備を始める。
大隊長からの進軍命令を聞いて、待機していたドワーフ兵達は各々武器を手に取り隊列を整えていく、最後に巨人族が現れ大隊長の号令により進軍を開始した。
〜国境付近砦〜
突然現れたドワーフ兵は500人ほどになった、その中には巨人族が3人いる、ドワーフが作ったのか巨大な鎚を持っている、あんな物で攻撃されたら砦の壁もすぐに壊されてしまう。
ドワーフ兵は進軍準備ができたようで、銅鑼を鳴らし前進し始めた。
砦の中は慌ただしく迎撃の準備をしたり、他の砦や城へ使い魔を飛ばしている。
「巨人族がいるぞ!バリスタ用意しろ!弓兵、魔術兵、配置につけ!」
隊長が指示を飛ばして、迎撃の準備を整え始めている中、ノアがアルムガルトに話しかけた。
「陛下、僕とマッテオも防衛に加わろうと思いますがよろしいですか?」
「そうだな頼む、私も参加して戦おう」
アルムガルトも戦うつもりのようだ。
「陛下、ブリューナクはお持ちですか?」
「あぁ、アイテムボックスの中にしまってある、マッテオはレーヴァテインは持ってきているか?」
「俺もアイテムボックスの中にしまってあります」
マッテオ達3人はアイテムボックスのスキルを習得していた、異次元にアイテムを収納できるスキルで、収納量は魔力量に比例するのでノア、マッテオは結構な容量をしている。
「では陛下は砦内から、ブリューナクで対応をお願いします」
「了解した、マッテオはどうするんだ?」
「俺は取り敢えず弓で対応します」
ドワーフ兵が砦に取り付き始めた、準備できた弓兵が近いドワーフ兵を狙い、魔術兵が遠くの兵を迎撃始めた。
マッテオも自前の弓を出して、ドワーフ兵を迎撃していく。
門の前のドワーフ兵が左右に別れて道ができた、その先には巨人がいて、鎚を構えて走って来た、門を壊すつもりだ、それを見た隊長が指示を飛ばす。
「バリスタ狙え!」
この砦にはバリスタが2台備えてあり、2台で同時に巨人を狙い撃った、放たれた槍が巨人に向かって飛んでいったが、他の2人の巨人によって撃ち落とされてしまった、2射目には少し時間がかかる、その間に巨人がどんどん近づいて来ている。
「リーンブロッセ!」
城壁の上から稲妻が走り、向かって来ていた巨人に突き刺さって激しく放電し、近くにいたドワーフ兵も感電している、槍をくらった巨人は倒れ、その様子を目の当たりにしたドワーフ兵達の進軍の勢いも止まった。




