何か発見
仕事始めは憂鬱ですね
ミスリルの捜索が始まって4日経ったが、ミスリル鉱脈はまだ見つかっていない。
5日目、この通路は昨日までの通路より、 地下へ下っていくのがわかる、しばらく進むと、開けた場所に着いたその時、シーフの散策スキルで何かを感じだった。
「副長さん、この壁の奥に何かありますね」
「そうか!よし少し掘ってみよう」
「たぶん、5、6メートル奥なんで結構な労力になると思いますよ」
「なるほど…だがやはり確認しておきたい、今日はこれ以上奥には進まず、ここを調べよう」
ルイスの指示で、今日の探索に来ていた兵士たちがツルハシを取り出して準備し始めた。
俺は表向きには、火と風の魔術を使うという設定にしているけど、本当は全属性使える、こっそり訓練もしているから土系の魔術も中級くらいまで使えるのだが、あまり複数の魔術を使えることがバレると、また騒がれて面倒なので黙っている事にしている…しかし、ここを5、6メートル掘るのは大変そうだな…
「父さん」
「どうした?」
「俺、魔術の訓練して土魔術も少し使える様になったんです、だから俺が掘って中にある鉱石を確認しますよ」
実際、魔術を訓練して新たに使える系統が増える事はあるみたいだから、違和感はないだろう。
「お前、土魔術も使える様になったのか!そんな話、カールからもレームスからも聞いてないぞ…」
「あ〜…2人を驚かせようと思って、こっそり練習してたんですよ」
(取ってつけたような、誤魔化し方だけど…まぁいいか)
「だから任せてください」
「分かった、けどお前は万が一に備えてないと、いけない事を忘れないでくれ」
「了解、じゃあ始めます」
壁に手を当て岩が崩れるよう魔力を注ぎ込んだ、イメージ通り岩が崩れ、人一人分くらいの穴が空いた。
おお〜と後ろから低い歓声が上がった。
これを繰り返して進んでいく、崩れた岩は兵士たちが片付けてくれている、シーフの言った5、6メートル付近まで来て同じ様に魔力を注ぐと、岩とは違う感覚が伝わってきた。
「この先にありますね」
「そうか!慎重に頼むぞ」
岩じゃない物には干渉しないように、魔力を調整して岩を崩すと中から緑色の鉱石が現れた、どうやらミスリルではなさそうだ、その緑色の鉱石を岩盤から取り出して、ルイスに見せる為に穴から出ていった。
「父さん、どうやらミスリルじゃなかったみたいです」
手にした鉱石を見せながら伝えると、ルイスも覗き込んでじっくり見た。
「これは、マラカイトか?装飾とかに使われる鉱石だな、これはこれでいい発見になったと思うぞ!この奥に結構な量はありそうか?」
そうシーフに尋ねると、シーフは俺が空けた穴に入って奥を探る。
「そうですね、少なくとも俺の感知できる範囲には沢山ありますね、それから待っている間に辺りを探ったんですけど、反対側にも何かありそうですよ」
「じゃあそっちも見てみましょう」
反対側の壁も同じ様に、魔術で穴を空けていくと同じように緑色の鉱石が出てきた。
「こっち側もマラカイトみたいですね」
「そうか、この辺りにはマラカイトの鉱脈が広がっているみたいだな、マッテオご苦労だった、今日はここまでにして、報告に戻ろう」
この日は引き返して、テオバルトにマラカイト鉱脈の発見を報告しに戻った。
報告を受けたテオバルトは、領地に特産物ができたことが嬉しかったのか、早速ヨゼフと発掘計画を立て始めていた。




