奥にいた者
長野には雪が積もってました
寒いわけだ
南関東ってまだ温かい
暗い洞窟を進んでいき、人の気配がする辺りまで到着した。
分かれた道は奥でか繋がることなく、分かれたままだった、大きな気配は壁の向こうのようだ。
「よし、道は繋がっていないな、人の気配は…その窪みの当たりか」
窪みを覗くと3人の男が身を潜めている、2人はケガをしていて、横になっていた。
ヘンリーが小声で呼びかけた。
「そこの人、あなた方は近隣の村の猟師で間違いないですか?」
看病していた1人が驚きながら振り向いた。
「ひ、人か?誰だ?」
「俺達は兵士団の者です、見回り中に奥様方から事情を聞いて探しにきました」
「そうですか、それは助かった、ちょうど食べ物も尽きてどうしようかと…そうだ、連れ2人がケガをして動けなくなっています。治癒のポーションは持ってないですか?」
「あります、ちょっとお待ち下さい」
そう言って、ヘンリーはポーションを取り出そうとしながら、俺に指示を出した。
「マッテオ、俺達じゃ大人2人を担ぐのは無理だ、スタファンさんとエーリクさんを呼んできてくれ」
「わかったよ兄さん、傷が癒えても動かないよう、あの人たちに言っておいて」
壁があるとはいえ、大きな気配は近くにいる、気をつけるに越したことはない。
そうヘンリーに言って、マッテオはスタファン達のところに戻った。
「猟師の人たちはこの奥にいました、けど2人がケガをしていて動けない状態です。ヘンリー兄さんが治癒のポーションを使っていますが、衰弱しているので、スタファンさんとエーリクさん肩を貸してあげてください」
「分かった、道は繋がっていなかったのか?」
「はい、別れたままです、けど大きな気配は壁のすぐ向こう側なので静かに行きましょう」
そう注意をして、猟師たちの隠れているところまで戻って、ヘンリーに声をかけた。
「ヘンリー兄さん、2人を連れてきたよ」
「ああ来てくれたか、そうだ状況がわかったぞ、壁の向こうのモンスターはアーマーリザードだ、この人たちは、小型のモンスターを追ってこの洞窟に入ったところ、アーマーリザードに遭遇してここに隠れて動けなくなったみたいだ」
アーマーリザード
Bランクモンスター
体長3〜5m
硬い鱗に被われた巨大なトカゲ
摂取した鉱物によって、鱗の硬さが変わる
「この兵士さんから聞いたけど、あのモンスターは壁の向こうにいるのか?俺たちは動いても大丈夫なのか?」
不安そうに猟師の1人が聞いてきたので、ヘンリーが答える。
「俺と弟は、探知のスキル持ちですアーマーリザードが動けばわかるので、俺たちの指示に従ってゆっくり進みましょう」
猟師たちは声を出さずに頷いた。
スタファンとエーリクが肩を貸し、2人の猟師は立つことができた、ヘンリーが先頭で俺が最後尾の形で、ゆっくりと出口に向かって進み始めた。
分岐している所まで戻ってきて、後ろを振り返り気配を探ったが、アーマーリザードは動いていない。
ほっとして更に進み始めたときに、出口の方から強めの風が吹き込んできた、一瞬立ち止まったが、すぐに出口に向かって進み始めた。
しばらくすると後ろのアーマーリザードがこちらに向かって動き始めた気配に気づいた。
ギョッとして、ヘンリーとマッテオは振り返った、アーマーリザードは少しずつスピードを上げて向かってきている。
「みんな、走ろう」
ヘンリーが全員へ声をかけて、ポールに先頭を譲り最後尾まで下がってきた。
スタファンが、困惑気味にヘンリーに声をかける。
「どうした?状況の説明をしろ」
「さっき風が吹いた後からアーマーリザードが動き始めました、こっちに気づいている様子です、早く出口へ向かって下さい」
「なに!どうして分かったんだ!?」
猟師の1人が気づいた
「俺達の服に着いた、血の匂いだ…風に乗って洞窟の奥へ血の匂いが伝わったんだ」
「くそっそういう事か!走るぞ!いけるか?」
「はあっはあっ」
猟師たちは体力を消耗していて、少し走っただけで息があがっている、その様子を見て、ポールは決意して最後尾へ下がった。
「スタファンさん、エーリクさん猟師さん達を洞窟の外へお願いします、俺達でアーマーリザードを食い止めます」
「いやしかし」
そうこうしている間に、アーマーリザードが見える所まで追いついてきた。
現れたアーマーリザードは全身が淡く白色に発光していて、体高は170cmくらいで体長が6,7mくらいある大物だった、その姿を見たエーリクがつぶやいた。
「こいつ、アーマーリザードか?こんなに大きいやつははじめて見たぞ、それに少し光っている?どういう事なんだ??」
「そんな事は今はいい、逃げるぞ!」
スタファンが少し強引に猟師と走り始めた。
ポールとヘンリーは、武器を構えてアーマーリザードを迎え撃つ態勢をとる、武器を構えた2人の前に立って俺は伝えた。
「兄さん達も猟師の人たちに肩を貸してあげて、一緒に洞窟の外へ向かって」
「マッテオいくらお前でも」
「忘れた?俺は魔剣を持っているんだよ、それにこの狭い洞窟の道で魔剣を使うと兄さんたちまで巻き込みそうなんだ、だから一緒に外へ出てほしい」
ポールとヘンリーは、顔を見合わせて、アイコンタクトで意思疎通できたようだ。
「今は任すけど、彼らを外に連れ出したら、戻ってくるからな」
そう告げ、猟師に肩を貸して急いで外へ向けて走っていった。
その様子を確認してから、俺は魔剣を抜いて構えた、魔力を込めると、全身に炎を纏った。




