視察の結果
気持ちも少し落ち着きました。
屋敷に戻った翌日、主要な面子を集め、視察の内容について会議を開いた。
「皆、ご苦労だった、視察内容の確認と行かなかった者にも情報を共有したい。
まず、2つの領地に共通していたのは、領民が疲弊していたという事、以前から高めの税率だったようだが、シャルル、リウドルフ共に大臣に取り入るようになってから、領地の税を更に引き上げたみたいだな、2人共相当嫌われていたよ。
増税せいで、農民は過剰に作物を作る必要があり、土地も痩せていた、商店も物の値段を上げざるをえないが、買い手も手持ちがないから買えず、悪循環になっていた。税に関しては下げる事にするが、なにぶん領地が一気に広くなったからな、運営にどれ程かかるか計算してから、適正な税率にしたいと思う。ヨゼフ任せていいか?」
「承知しました。早急に対応いたします。」
「土地の改善には、うちの領地から熟練の者にも意見を聞きいて対策したいと思う。
領民が現金を持っていない事への対策だが、奴らたいそう立派な住居を構えていてな、リウドルフは小さな城を築いていた、それを解体する仕事を1日銀貨3枚で出す事にする。
印象の悪い元領主の象徴などない方がいいだろう。
加えて私の屋敷も少し大きくして守りを固くしたいと思う、これにも1日銀貨3枚で仕事の依頼をしようと思っている、これにはうちの領地から職人を出して、現場の指揮をしてもらいたいが、誰か適任者を知っていないか?」
ヨゼフが手を挙げ答えた
「それならこの屋敷を建てた職人が適任でしょう。
先代からのお付き合いですので、声をかければ引き受けてくれると思います」
「そうか、それならばお願いしよう、声をかけておいてくれ。
それから、兵士団の事だが、人数を増やす、想定としては100人程度を考えている。
元々の兵士がそれぞれの領地に残っていて、合わせて50人程度だな、声をかけたら入団したいと言っていたから、一先ず入団テストを行おうと思っている。
というのも、領民に話を聞くと、兵士団のほとんどの連中は態度が横柄で、酒場や食事処で無銭飲食などもよくしていたらしい、そういった輩は考えを矯正しないといかんからな、テストの結果、何人残るか分からんが…あとの足りない分は募集をかけよう、新たにウィザードやプリーストの適正がある者を見つけたいな」
「なるほど、民を守るべき兵士団が無銭飲食ですか、これは、鍛え直しがいがありそうですね」
兵士長が拳をボキボキ鳴らして、不敵に笑っている。
そしてニルスが、1つ提案を出した。
「そうですね、そういった連中は仮に入団しても、気功術の訓練には参加させず、しばらく様子を見ましょう」
ダニエルも提案をする。
「無銭飲食をされた店に、誰が代金を払わなかったのか、聞き取りをしましょう、そういった者はそもそも入団させない方がいい、力をつけた後にまた、犯罪を起こされては大事ですから」
「うむ、それならば聞き取りはダニエルの隊に任せるから、取り掛かってくれ」
「承知しました」
テオバルトから任務を言い渡され、ダニエルは頷いた。
その後も、新しい領地運営について話し合い、この日は夜遅くに解散となった。




