アルムガルト
夜はもう寒いですね
半袖では出かけられない
吹き飛ばされたエルダーウォーリアはダメージを負いながらも、立ち上がった。
アークウィザードは、巨体に勢いよくぶつかられて完全にのびている。
「いてて、くそっ我ながらしょうもない手に引っかかったな」
砕けてしまった盾を捨て、ゆっくりと立ち上がった、のびているアークウィザードに気づいて!頬をパシパシと叩いて起こそうとする。
「おい、起きろ」
アークウィザードは頬を叩かれ、気がついたが何が起こったのか理解が追いついてない様子だ。
「いたたた、何が起こった?」
「あそこの小僧だ、俺の魔力防御のスキルでも防ぎきれない魔術に吹き飛ばされて、あんたにぶつかったんだ」
「なんだと!」
アークウィザードはノアの方を見て驚いている。
「あんな子供が…」
ノアは魔力をまた溜め始めていた。
「まだ、何かするつもりか、恐ろしい子供だな、だが私がいればやつの魔術など恐るるに足らん」
「ああ、頼むぞ他のナイトやアーチャーは、問題ないだろう」
手に持った斧を強く握り、エルダーウォーリアが構える、その時部屋の扉が開き、中からナイトが数人出てきて、エルダーウォーリアとアークウィザードを囲んだ。
「結界への攻撃が止んだから出てきたが、正解だったようだな」
最後に部屋から、出てきたのはアークウィザードのハインツだ。
「出てきたか!王を監禁した痴れ者め!」
エルダーウォーリアがハインツの方を向いて罵る。
「愚か者め、大臣たちにころっと騙されて情けない」
「黙れ!裏切り者の言葉は聞かん!くらえ閃風断!」
囲んでいるナイトも巻き込み、斬撃がハインツへ飛んでいった。
「ロックウォール」
岩の壁がハインツの前に現れ斬撃を防いだ。
斬撃を防いだ壁は崩れて消えていった。
「私のロックウォールにこれ程の傷をつけるとは、やはりお前はなかなかの実力者だな。
それだけに考える頭がないのが惜しい」
「馬鹿にしやがって!」
「そこまでだ!」
部屋の中から声がして少年が現れた、ハインツは頭を下げて迎えている。
エルダーウォーリアもアークウィザードも戸惑っている。
ガスパールがそばに駆け寄り膝まづいた。
「陛下、ご無事でしたか」
「ガスパールか、ここまで加勢に来てくれた事、嬉しく思うぞ」
ガスパールの肩に手を置いて感謝を述べたあと、エルダーウォーリアへ近づいていく。
「お前はさっき、ハインツに王を監禁した痴れ者と言ったな?それは私に忠誠を誓ってくれていると言うことでよいか?」
エルダーウォーリアは自分が棒立ちになっていることに気づき膝をついた。
「勿論です陛下、自分は先代の王様に実力を見出して頂いた故、今ここにおります。
その先代のご子息もまた、自分がお守りするべき存在だと思っております」
「そうか、お前の名は確か…オリバーだったな」
「はっ!名前を覚えて頂き光栄です!」
「お前はどうだ?アークウィザードの…ヴィクトル」
名前を呼ばれたアークウィザードも膝まづいて答えた。
「私も陛下に忠誠を誓っております」
「ありがたく思うぞ、ハインツこれで2人の誤解はとけたな」
少しかたい表情だったのが少年の顔に戻り、笑顔を見せるとノアの方を向いた。
「もうそんなに魔力を高める必要もなくなったぞ、少し落ち着こう」
そう言われ、ノアも落ち着いた表情になりその場にへたり込んだ。
その様子を見て、ガスパールが近づいて頭を撫でる。
「よく頑張ってくれた、お前がいなかったらどうなっていた事か、ありがとう」
気を失っている兵士たちを念の為拘束して、外に出て大臣たちと戦うべく、アルムガルトも鎧を付け準備を整える、ハインツがアルムガルトに近づき声をかける。
「陛下、ついにこの時が来ました、あの大臣共を倒しこの国に秩序を取り戻しましょう、その為には陛下には無事でいてもらわないといけません、先頭に立って我々を鼓舞して頂く事は、兵の士気も上がりますが、一歩引いて、教えた魔術で援護をお願いします」
「そうです陛下、前線は俺に任せてください」
「ハインツ、オリバー…分かった、無茶はしないよ。
しかし第一はこの国を大臣達から取り戻すことだ、私の身の安全じゃない、それでは行こう!」
ハインツ&オリバー「承知しました」
「ガスパール、疲れていると思うが、もう少し付き合ってくれ」
「勿論です、陛下」
アルムガルト一行は、外で苦戦してるであろう、クラウスたちの元へ向かった。




