魔剣の脅威
急に秋めいてきて、夜なんて少し肌寒いくらいになりましたね、さらばクーラーお疲れ様。
クラウスの話はこうだ。
「いい案ですけど、もっと確実性がほしいですね、私もそう長くは持ちそうにないですから。
マッテオ君、障壁を張りながら、攻撃魔術は撃てそうか?」
「どうでしょうか、2種類の魔術を同時に使ったことはないので…でもやってみます、どうすればいいですか?」
「ぶっつけ本番ですがやってみましょう、ルイスさんの攻撃が当たる確率が、上がればいいと思った程度なので気負わずにやってみて下さい、君は風の魔術を使っていたね?」
「はい」
「風魔術で炎の壁に穴を空ければ、お父さんも魔族に近づきやすくなるでしょうし、障壁の耐久も持つでしょう」
「分かりました、やってみます」
現状を打開すべく覚悟を決めた。
ルイスに魔力障壁をかけようとした時、エバーハルトの部下のプリーストが近寄ってきた。
「微力ながら聖霊術で支援致します」
聖霊術
魔術と似ているが、違う力で回復や支援、いわゆるバフをかけることができる。
魔術では妨害、デバフをかける事ができる。
聖霊術を使うには、霊力がある事が条件になる。
「ありがたい、お願いします。」
プリーストはルイスにメイスを向け、支援を施した。
「フィジカルアップ、レジストアップ」
「おお、これはすごい!」
「じゃあ、父さん障壁を張るよ」
「頼んだ」
魔力障壁を張るとルイスは深呼吸して気を高め始めた、俺も風魔術を撃つために集中する。
相変わらず、魔剣の炎攻撃は続いている、もう1人の魔族が魔槍を投げようと振りかぶっているのが見えた。
まずい、と思った時に…
「マッテオ!撃て!」
ルイスの声を合図に俺は呪文を唱えた。
「エアバースト!」
違う魔術を2つ同時に使う事には成功したが、魔力障壁も風魔術も本来の威力より落ちている気がする。それでもなんとか、炎の壁に穴が空いた、その瞬間にルイスが駆け抜けていく。
支援と気を高めた事で、ルイスはいつも以上に速く、あっという間に、魔剣を振っていた魔族の目の前に到達した。
慌てた魔族は、剣を大きく振りかぶって、ルイスに向けて振り下ろした。
がルイスは低い姿勢から剣を振り上げ、既に魔剣を握る手首を切り落としていた。
「ぐあぁぁ!」
魔族は叫び、後ずさり魔術を放とうと手のひらを向けた、俺も慌てて魔力障壁をしっかりかけ直す。
一瞬でルイスは魔族の横に回り、剣を振ろうとした時、
魔槍が飛んてきてルイスに当たり、轟音と共に稲妻が落ちた。
魔力障壁のおかげで稲妻のダメージは軽減されたが、
魔槍での負傷は大きく、ルイスは重症を負ってしまった。
思わず俺はルイスの元に駆け出していった。
「父さん!大丈夫ですか?意識はありますか?」
「うう…支援のお陰で意識はあるが…この傷では動くのは難しいな…」
安全な所まで運びたいけど、体格差があり過ぎて動かせない、けどここに居るのはまずい、腕を斬った魔族が今にも魔術で攻撃してきそうだ。
「つあ!」
掛け声と共にテオバルトが剣を振り下ろしてきた、その攻撃は避けられたが、魔族が下がっていった。
下がった魔族にルカが矢を放って俺たちから離そうとしている。
魔槍を投げた、魔族にはトムが攻撃をしている。
炎の攻撃が止まり、魔槍を投げた事で魔族たちへと近づく事が可能になっていた。
「ルイス!大丈夫か!?」
「申し訳…ないです、ちょっと…動けそうには…ないです」
「いや、よくやってくれた。お前のお陰でここまで近づけたのだからな。
マッテオ、ルイスを連れて下がるぞ」
「はい」
動かそうとした時、エバーハルトとプリーストが駆け寄ってきた。
「うちのプリーストが傷を癒す、テオバルト殿、魔族にとどめを刺そう!」
「治療はお任せください、今がチャンスです、この機を逃さないで下さい」
「その通りです…テオバルト様…マッテオ…魔族を倒すんだ」
テオバルトと顔を見合わせ頷く
「では、ルイスの事は任せたぞ、マッテオ剣を取れ、私と共に魔族にとどめを刺すぞ」
「分かりました、父さんの事お願いします」
プリーストは頷いて、聖霊術で治療を始めた。
俺は剣を取り、テオバルト、エバーハルトと一緒に魔族に向かっていった。




