包囲突破!
また暑さが戻ってきましたね
包囲していた兵士達をほとんど倒し、クラウスが大臣達に近づいて行き言った。
「大臣、側近たちは無力化しましたよ、大人しく降伏して下さい」
勧告を受けた大臣達は俯いて答えない。
近づいて行くと2人の大臣が肩を震わせていることに気づいた。
「余計な事を…余計な事をしおって!」
顔を上げた大臣は興奮して叫んだ。
「直接手を出しては、被害も多く出て面倒だと思って、内部から崩しておったのに!」
そう叫ぶ両大臣はみるみる体が大きくなり、体色も変身していった。
「な…なんだ!どうしたんだ」
近づいていたクラウスは驚きのあまり後ずさった。
「お前たちは本当に大臣なのか?」
驚きながらもテオバルトが尋ねた。
「我らは魔王軍配下の魔族だ、大臣に受肉しこの国を乗っ取る計画だったが、ここまで狂ってしまっては仕方がない、力ずくで乗っ取るまでだ」
魔族と聞いて、クラウスは動揺しながら言った
「魔族は召喚されないと、この世界には来れないはずじゃないのか?まさか大臣達が召喚したというのか?」
「召喚されずとも条件が揃えば、こちらの世界に干渉できなくはない、我らが魔王様の力があればそう難しくないことだ」
転生の時に、神様が言っていたような気がするな、魔王が侵攻してきているとかなんとか…
12年間、魔王なんて言葉聞いてこなかったからすっかり忘れていた。
「魔王だと、魔族の王が我が国を支配しようとしているのか?」
「この国だけではないぞ、この世界ごと乗っ取り魔族の繁栄をもたらすのだ」
「だったら、出鼻はくじかれた訳だな、このまま計画ごと潰してやろう」
テオバルトが剣を抜き皆を鼓舞する。
ルイスとトムも剣を構え、戦闘態勢に入る。
その姿を見て、クラウスも落ち着きを取り戻した。
「生意気な、我らに勝つつもりか」
魔族が、手を前に出すと剣が現れた、もう一人の魔族は槍を召喚した。
「魔剣レーヴァテインの威力、とくと見せてやろう」
魔族が、魔剣を振るうと炎が巻き起こり、炎の壁がこちらに迫ってきた。
「うわぁ!」と叫ぶと同時に、目の前に魔力障壁が現れ、炎を防いでくれた、クラウスが杖を構え障壁を作っている。
「ほう…このレーヴァテインの炎を防いだか、だがいつまで続くかな?そこで倒れている、役立たず共との戦いで魔力を結構、消費しているのではないか?」
「魔力が尽きる前に何とかするさ」
「それは楽しみだ!」
そう言うとまた炎を起こしてこちらを襲ってきた、連続で魔剣を振り、炎の壁が何枚も迫ってくるのを、クラウスの魔力障壁で何とか防いでいる。
「レーヴァテインの炎だけではないぞ、この魔槍ブリューナクの一撃をどう防ぐ?」
もう一人の魔族が、槍を振りかぶって投げた、槍は雷に包まれ轟音を上げながら飛んできた。
「ぐっ!」
バキッという音と共に魔槍が、弾かれて魔族の手元に戻っていく。
「なんと!魔力障壁と共に物理障壁も張ったのか、人族にしてはなかなかやるな!」
「一息つけると思うな!」
魔剣の炎が容赦なく襲ってくる。
クラウスの額には大量の汗が流れている、かなり辛そうだ、するとルイスが近寄ってきて、話かけてきた。
「マッテオお前は魔力障壁は使えるのか?」
「はい、ただクラウスさんみたいに、広範囲は防げませんし硬さも全然及ばないです」
「俺1人くらいなら覆えるか?」
「そうですね…父さん一人なら大丈夫です」
「よし、俺に障壁を張るんだ。あの魔族は魔剣を使っているが、剣術が使えるようには見えない。そこに勝機があると想う」
「な、なるほどでも具体的にはどうやって」
「俺を魔力障壁であの炎から守ってくれれば、隙をついて奴に斬りかかるくらいできるさ」
その話を聞いていたクラウスが、話しかけてきた。




