不穏な空気
連休中の書き溜め②
12歳になり、学校に通うのも最後の年
俺の住むベルツ王国の王様が流行病にかかり崩御された、まだ46歳という若さだった。
跡継ぎには、15歳の第1王子が即位することとなったが、新王は、まだ若く治世の経験がない為、実質大臣に就いていた2人によって政治は執り行われた。
当然、権力の暴走が起こる。
軍務を仕切る、左大臣
外交、内政を仕切る右大臣
彼らはそれぞれ国を食い物にし、私腹を肥やしていった。
そんな国の状況に、各地の貴族たちも動く、それぞれ懇意の大臣に媚を売り、自分もいい思いをしようとする者、自分の領地は守ろうと周辺の貴族同士結託する者、未だどうすべきか迷っているもの。
領主テオバルトは、この現状を良くするべく動くべきか、それとも周辺の領主と、力を合わせ、領地の治安を守るべきか思案していたある日。
一羽のカラスが、部屋の窓をつついてきた、見ると脚に小さな筒が括り付けてある。
窓を開けカラスの脚から筒を取ると、カラスは霧になり消えた。魔術で作った使い魔のようだ。
中身を確認すると、手紙が入っていた。
「テオバルト・フォン・マッケンゼン殿、突然の手紙で失礼する。私は、アルムガルト・フリードリヒ・フォン・ベルシュタイン」
新王からの手紙だった。
「私が若輩者であるが故、今この国は、悪い方向に向かっている。現状を打開すため、両大臣を排しなければならないと考え、気概ある貴族たちに声をかけている。是非、貴公にも参加してほしいと考えて手紙を送った。いい返事を期待している。この手紙は捨てずに持っていてほしい。」
読み終え、テオバルトは顔を覆い悩んだ。
これは大臣たちの罠なのではないかと、しかし本当に新王自らの手紙だったら、これは大きなチャンスじゃないだろうか…一体何人に、こんな手紙を出しているのか…
しばらく悩んだが、考えは纏まらない。
「1人で思案していても、仕方ないか。」
テオバルトは兵士長と3人の隊長、執事のヨゼフを読んだ。
「このような手紙が届いた、この領地としての方向性を、決めたいと思い、皆に集まってもらった。」
状況を説明し、手紙を見せた。
手紙を見た兵士長はまず疑った。
「使い魔を寄越したという事は、高位のウィザードが付いているということ、若い王にそのような者が味方にいるでしょうか」
ヨゼフが答える
「新王には、幼い頃からアークウィザードの教育係がついていると伺っておりますよ」
「噂だろう?テオバルト様含め、ここにいる者は実際に見たことがない」
「この手紙が真偽を確かめる方法として、他の領主にも来ているのかどうか、知ればある程度は、確証が持てると思ったのだが、直接聞くわけにはいかない、そこで、兵士団で密偵のような働きができる者はいないか?」
テオバルトの提案に、兵士長は3人の隊長に目を向ける
「誰か適任者に心当たりはないか?」
ニルスが口を開いた
「兵士団では難しいでしょうな、斥候役は何人かいますが潜入などはほとんど経験がありません、向かわせても、失敗するでしょう」
その意見にルイスが付け加える
「それにゆっくり時間をかける、余裕もないでしょう
だったら、プロを雇いましょう。」
「プロ?心当たりはあるのか?」
テオバルトからの問いにルイスが答える
「暗殺者ギルドです。ギルドの場所は、知ってますので、私が行きます。どれくらいの人数を調べますか?」
「そうか、ならばお前に任せるとしよう、とりあえず調べるのは、近場のシャルル、リウドルフ、ガスパール、ザルムの4人でいいだろう」
「分かりました。早速出かけようと思いますが、報酬についての話は、私に委ねて頂けますでしょうか?」
「うむ、お前に任せる。その暗殺者ギルドまでは着くのにどれくらいかかる?」
「馬を飛ばせば、明日の昼には着くかと」
「分かった、頼んだぞ」
「はっ!では行ってまいります」
そしてルイスは馬で出かけていった。
一同は、ルイスからの結果を待つことにして、一先ず解散し、各々いつもの日常へ戻った。




