決意
お盆休み家でゆっくりします。
高台からは、兵士たちの常況がどんどん悪くなっていくのが見えていた。
ポールとヘンリーは目の前の状況に恐怖し、へたり込んで、動けなくなっていた。
一緒にいた兵士は、動揺してどうしたらいいか分からなくなっている。
(かなりまずい、このままだと全滅する。
その後、このモンスターたちが町へ向かったら大変なことになる。なんとかしないと、けど今の俺じゃ気を練っても大した攻撃はできない、そうなると魔術しかないけど、中級を1,2発当ててなんとかなるのか?
…迷ってる暇はないな、カールとレームスは無事っぽいからまずは彼らと合流しよう)
そう考えて俺は駆け出した。
それを見て、我に返ったポールとヘンリーもついてきた。
「マッテオ!どうするつもりだ!」
走りながらポールが問いかけてきた。
「カールさんとレームスさんは無事みたいだから、彼らと合流します。その後、3人同時に今撃てる最大魔術をブラックウルフに撃つんです。」
「なるほど、常況の打開にはなるかもしれないな、俺はマッテオの護衛として付いて行く、ヘンリーお前は、木に登って弓で俺達を援護してくれ!」
「分かった!気を付けてな」
ヘンリーは別の方向へ走っていった。
カールとレームスに近づくとダイヤウルフに囲まれていた、ポールが速度を上げ、1匹を斬りつけ倒すと、矢が飛んてきて、後ろからポールを狙っていたやつに当たった、それを見て、振り向きざまに斬りつけ倒した。
2匹を俺が魔術で倒し、カールたちと合流した。
「マッテオ君、こんなところまで来てはだめだ!今はかなり危険なんだ」
カールが叫ぶように言ってきたが、構わず考えた打開策を説明する。
「そうか…確かにこのまま初級魔術でダイヤウルフばかり倒していても埒が明かないな、けど3人同時となると確実に当てないと、中級を2発も3発も撃てるほど魔力が残ってないんだ」
「それなら、ヘンリーに矢でブラックウルフを攻撃してもらおう、そうすれば矢の出どころを探して、少しの間、動きが止まるだろう。」
「それ大丈夫かな、下手するとヘンリー兄さんが狙われないかな…」
そう俺がツッコむと、カールが別案を出す。
「それなら、やつは氷の魔術を使っているだろ、俺の魔術は効きにくいと思うんだ、ならやつの足元を凍らせて一瞬動きを止めるから、君ら2人の火の魔術でやつに攻撃したほうがいい。」
「その方が良さそうだな。マッテオ君も大丈夫だね?」
「はい、僕はまだ魔力に余裕がありますから、撃ち終わりに次の魔術の準備をします。兄さん護って下さいね。」
「分かった。それは任せろ!」
「それじゃ、もう少しやつの横に回り込もう、この位置だと正面に近いから、避けられるかもしれない。」
そう言ってカールは茂みの中を移動し始めたので、俺たちも続いた。
「この辺りでいいだろう」
俺達が移動し終えると、ブラックウルフの爪攻撃をルイスが剣で受け止めて、ちょうど動きが止まっていた。
「今だ!アイシクルピラー!」
カールが呪文を唱えると、地面から氷柱が突き出ながらブラックウルフへ向かっていき、後ろ足を凍らせた。
ブラックウルフは、凍りついた後ろ足の方に目を向け氷を簡単に払い除けた。予想通り氷の魔術は効き目が薄いようだ。
だが、その一瞬のスキを逃さず、俺とレームスが呪文を唱える。
マッテオ「フレイムカノン!」
レームス「ファイヤーランス!」
フレイムカノンの炎が一直線にブラックウルフに向かい体を炎が包む、そこにファイヤーランスの火が刺さり更に火力を増す。
「ギャイン!」
ブラックウルフが悲痛な叫びを上げた!
と同時に吹雪が止んだ。
視界が良くなった事で、アーチャー達が一気にダイヤウルフたちを狙い撃ち始めた。
炎を払いブラックウルフが怒りを込めてこちらに目線を向けた。
「ファイヤーショット!」
俺は2つ目の呪文を唱えた。
ブラックウルフの周りを複数の火球が囲み、一斉にやつに向かっていった。
ドドドドド!
四方八方からの火球の攻撃を躱せず
ブラックウルフがよろめいた。
「ウーー」
こちらを睨みつけ唸り声をあげている、まだ、立っているのかよ…
もう少し弱ると思っていたけど、かなりタフだ、これはまずい…
カールの魔術は効き目が薄い、レームスはもう中級魔術を撃つ魔力が残ってない、俺は撃てて後一発だけど、一発で倒せるとは思えない…
と必死で色々考えていた時。
「よくスキを作ってくれた。十二分に気を練れたよ。」
そう聞こえた瞬間
「瞬歩、剛剣」
そう言ったルイスは、地面を蹴り姿が消えた。
次に姿が、見えたのは数メートル先だった。
剣には血が付いている、すると、ブラックウルフの首が地面に落ち、体が倒れた。




