疑問
大雨に気をつけましょう
ギルドに戻る前に依頼元の村によって、キラーエイプの討伐報告をした、アイテムボックスから20頭程死体を取り出して、もう大丈夫だと伝えると、村人達から囲まれ感謝されてしまった。
マッテオもノアも少し照れながら村を後にして、ギルドへと向かった、受付で討伐完了の報告をして、討伐証明は解体所で出す旨を伝えると、一先ず買取カウンターでと言われたので、そっちへ移動した。
「出しますね」
ノアがそう言って、キラーエイプを5体ほど出したところで、ストップがかかった。
「待った待った!何体いるんですか?!」
「えーっと僕とマッテオ合わせて50数体ありますけど」
「えぇ!本当ですか?!どっちにしてもここじゃなくて解体所に行きましょう、ちょっと何人か手伝って、あとマスターも呼んできてちょうだい!」
受付のお姉さんは周りの職員に指示を出して、2人を解体所に案内した、マッテオは「だから言ったのに」という表情をしている、解体所に入ると、ギルドマスターもすぐやってきた。
「どうした?何事だ?」
「お疲れ様です、実はこちらのお2人がキラーエイプを50頭程討伐してきたとおっしゃるので、一緒に確認してほしくてお呼びしました」
「ご、50!?信じられん数だな、そんな数のキラーエイプに囲まれて無事でいるのも、信じられんが…」
「とりあえず出しますよ、いいですか?」
早く報告を済ませて休みたいのか、ノアが話を遮り次々と討伐したキラーエイプを出していく、最後に大型のキラーエイプを出すと、ギルドマスターが目を見開いて驚いた。
「ちょっと待てキングエイプじゃないか!」
「えっ?キング…?」
思わずノアは聞き返した。
「キングエイプ、キラーエイプが進化した上位種だ、なるほど、こいつがいるから、こんなに大きな群れになったんだな」
「俺も出していいですか?」
「兄さんはこっちにお願いするよ」
職人が台の上を片付けて、場所を作ってくれた、マッテオはそこにどんどんキラーエイプを出していく、2人が出し終わりギルドの職員が数を数えると、合計でキラーエイプ54体とキングエイプ1体だった。
「ちなみにキラーエイプの素材って何になるんですか?」
「そうだな、歯や骨は武具に加工するし、内臓系はポーションや魔導陣の材料になったりするな、後、丸々剥製にするなんて注文があったりするし、肉はあまり美味くないから食用には向かない、罠におびき寄せる餌に使ったりだな」
「剥製ですか…」
「あぁ、金持ちの家に飾るんだとよ、今回のキングエイプなんて滅多にお目にかかれないモンスターだし、傷もほとんどないから、金持ちが剥製にしたがるかもな」
「そ、そうですか」
呆れていると、ギルドマスターが声をかけてきた。
「討伐は確認できた、この討伐数とキングエイプの討伐も加味して追加で報酬を出そう」
「えっいいんですか?」
「もちろんだ、出さないとギルドへの信用に関わるレベルだ、素材はどうする?買取でいいか?」
「はい、全て買取でお願いします」
「わかった、少し時間をくれ、明日の夕方には計算も終わって報酬の準備も終わってるだろう」
「わかりました、では明日の夕方にまとめて受け取りに来ます」
そう言ってマッテオとノアはギルドを出て宿に向かった。
宿ではグスタフとベティが、紙を広げて図面らしき物を描いていた。
「戻りました」
「おお、お疲れさん、国境越えの道は分かったか?」
「ええ大丈夫です、さすがに越境してからどれくらい森が続くかは、分からなかったですけど、少しは見てきましたし、危険なモンスターも追い払えたと思いますよ」
「流石ね、なら大丈夫でしょう」
「それでそれは何を広げてるんですか?」
「あぁ、これはなアンドリューサルクス討伐の時に使っていた兵器の改良版の設計図だ」
「あぁ、あの大筒の」
「大筒?なんだそれは?」
「えーっと見ためのイメージで勝手に名前つけました」
「んー大筒か…シンプルで悪くないな、よし!この兵器の名前はそれでいこう」
思わず大筒と言ってしまったが、グスタフは気に入ったみたいですんなり受け入れてくれた。
「それでどこを改良したんですか?」
「お前さんの言った通り、発射時に後ろから風が噴射するようにしたんだがな、砲身が長くなって前みたいに抱えるのが難しくなりそうなんだよ」
設計図を覗いてみると、形は前とそんなに変わってなく、円柱状の兵器のままみたいだけど、後方にも前方と同じくらいの長さの砲身をつけている、つまり単純に長さが2倍になっている。
「いや、後ろはもっと短くていいんじゃないですか?」
「そうか?玉を発射するのと、同じくらいの勢いで風を吹き出すなら、同じ長さにした方がいいんじゃないか?」
「そんな事ないと思いますよ、後ろに風を出すだけですし、それに砲身自体が長いと扱い難くてブレやすくなる気がしますね」
「そうなんだよな、後ろを短くしてもけど多少は重くなるし、どっち道、照準に関しては課題だな」
するとノアが話に入ってきて
「肩に担げばいいと思いますよ、その方が脇に抱えるより安定するし、砲身と目線も近くなって狙いやすくないですか?」
「肩に担ぐか、なるほどな!それはいいかもしれんな」
グスタフは図面の端に、簡単に絵を描いてノアに見せた。
「こんな感じか?」
見せられた絵には、まるで丸太を担いだ人が描かれていた。
「だいたい合ってますけど、もっと安定させるために肩に乗せる部分に肩当てをつけて、照準を合わせやすいように取手を付けてはどうですか?」
ノアはアイデアを伝えていく、隣で聞いてきたマッテオは少し驚いている。
(それってまるで、バズーカとかロケットランチャーじゃないか…)
図面を描き終え4人は食事に出かけた、食事を済ませそれぞれ部屋に戻って休む事にしたが、マッテオはある疑念をぶつけるべくノアの部屋に向かった。




