異国の剣士
連休中に書いた2本投稿します。
魔術訓練の気分転換に、街を散策していたある日、冒険者ギルドの前に、人だかりができていたので不思議に思い、近づいてみた。
ギルドの中を覗いてみると、そこにはこの世界では見慣れない出で立ちの男女が2人ずつ。
しかしそれは俺にとっては教科書やゲームなんかでよく見た佇まい。
甲冑を着た侍と巫女がいたのだ!
(うお〜〜侍だ〜すげ〜〜☆)
と目をランランとさせ眺めていたが、周りの人たちからすれば、怪しい格好した見知らぬ男女、だんだんとざわつきが大きくなっていた。
当の本人たちは、我感せずといった感じで食事をしている。
すると聞き知った声に呼ばれた。
「マッテオじゃないか、どうしたんだこんなところで?っていうか、この人だかりはなんだ?」
振り向むくと声の主は、剣術を教えてくれているトムだった。
「あっトムさん、中に見慣れない人たちがいるから、人が集まっているみたいです。」
「見慣れない人?」
一緒にいたのは弓術を教えてくれているフィン、2人もギルドの中に目を向ける。
「本当だ、変わった格好をしているな」
「トム、ちょっと声をかけようか」
「えー、今日は非番だぜ、一杯飲もうっていうから来たのに」
「いいから、ついて来いよ」
そう言うとフィンは、人混みをかき分け中に入って行った、渋々トムもあとに続く、ついでに俺も入っていく。
「よう、あんた達、見ない顔だな。
俺達はこの町の兵士団の者なんだけど、気になったんで、声をかけさせてもらったよ」
警戒されないように、軽い感じで声を掛けるフィン
「あんた達、どこから来たの?この国どころか、この大陸じゃなかなか見ない格好だけど」
嫌がっていたトムも、彼らを挟むようにもフィンと別の席に座り声を掛ける。
甲冑姿の男性の1人が、トムの方を向いた
「私達は、確かにこの大陸の者ではありません。
東の大陸から海を渡り来ました。旅の目的は修行です」
東の大陸と聞いて、フィンが驚く。
「海を渡ったのか!海にもモンスターがいるだろ?しかも大型のモンスターが多いらしいじゃないか、海での長距離移動はかなり危険と聞いたことがあるが…」
驚くフィンとは対照的に落ち着いた様子で、甲冑の男性は答える。
「ええ、それも含めて修行の旅ですから」
なんという強者だ!渋い!かっこいい!
俺は彼らの話を興味津々で聞いていた。
海を渡った話を聞いてトムも興味が湧いたみたいだ。
「本当か!凄いなあんた達!なぁ机に立て掛けているのは剣だよな!おれも剣を使うんだ、飯食った後でいいからさ、俺と手合わせしてくれよ、違う大陸の剣術を見てみたいんだ!修行中なんだろ?稽古の一環だと思ってさ!」
トムが興味本位で試合を申し込んでみた。
俺もちょっと見てみたいと思い、期待しながら返答を待っていると。
「手合わせですか、いいですけど、私としては、この辺りで1番強い方とも手合わせできると、ありがたいのですが、お知り合いにいませんか?」
トムも結構腕の立つ方だと思うけど、この侍はトムでは、力量不足と踏んだらしいのか、もっと強い相手も所望した。
不機嫌になるかと思いきや、素直に少し考えるトム。
「この辺りで一番強いか…ルイスさんじゃないかな、ほら、その子の父親だよ」
父親の名前が出て、少し驚いた顔をしている俺を、トムが指さした。
「そうだな、兵士団の中じゃ1番強いし、冒険者ランクもこのギルドじゃ高いほうだ」
フィンも後押しする。
「では、その方を紹介して頂けますか?あなたとも、その方とも、手合わせしてみたいと思います」
甲冑の侍が頭を下げると、他の3人も頭を下げた。
「よし、決まりだな、一杯飲もうと思ってたけど、それどころじゃなくなったな」
「そうだな、ルイスさんは今日は、訓練の日だよな」
トムとフィンが話している間に食事を済ませ、侍たちは立ち上がった。
「では、行きましょうか」
その一言で、一行はギルドを後にした。




