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青春(てんし)はエンゲル係数と共に。  作者: しめ鯖ルイ
第一天:青春(てんし)は突然やってくる。
7/10

青春はアルバイトと共に

今回はアルバイト編です。これで一日なんです長いですね~~~

エピソード7 〰〰青春はアルバイトと共に〰〰


とある店舗の奥にある場所で何やら盛り上がる人影が二人分。

一人は男でもう一人は女だ。どちらも学生だろう。


「ゆ、幸秀くん・・・どうですか?私変じゃないでしょうか?」


「ああ、かなりいいよ天子」


「私、こういうの初めてで・・・ちゃんとできてるか心配です・・・」


「大丈夫だ。僕がリードするから。天子は僕の言う通りにしておけばいい」


「で、でももう既に私の体力が赤ゲージなんですが!」


「それを乗り超えた先に新しい扉がある。だから頑張るんだ天子」


不安がる天子を幸秀はなだめるような声で安心させて取り掛かる。


「い、いたいです!も、もう限界です!!」


「天子・・・あんまり叫ぶと迷惑になるから静かにしようか」


「幸秀くんは鬼ですっ!!は、初めてなのに~!こんなたくさんできないですよ~!」

天子が疲れからか手を雑に動かすので白いクリームが少し飛び散ってしまった。

最初がよかった分、残念だが諦めるしかないだろう。他の事をしてもらおう。


「あ~・・・やっぱりコレは初めてじゃ無理だな。最初の方は上手かったが・・・」

「私の繊細な身体にこの内容はあまりにハードですよ・・・」

「まあそうだよな・・・ケーキ作りって難しいよな・・・すみません朱美さ~ん!」


離れた場所にいた朱美と呼ばれた一人の女性が幸秀たちの下に来る。


「やっぱりクリーム混ぜるのでギブアップしました」

「あはは~見てたよ~、幸秀君スパルタだったねぇ、この業界では良いことだね!」

明るい雰囲気で親指を立てて褒めてくれる朱美さん。

この女性は朱美さんといって、この店舗の店長及び現場責任者である洋菓子職人だ。最近なにやら賞を取ったらしく将来有望のパティスリーらしい。

「ということなんで、言ってた通り天子はホールに突っ込もうと思うんですがいいでしょうか?」

「あたしはウェルカムだけど一応オーナーに確認取ってきてもらえる?」

「わかりました、ありがとうございます」

「うぐぐ、すみません私のために・・・」

「天子ちゃんなら大丈夫よ!その見た目なら逆にホールの方がいいかもだし!!」

確かにそうかもしれないと思いながらこの話に乗ってくれた本人に会いに行った。




夏場では明るかった外も冬の空模様になった今ではかなり暗くなってきている。

学校に残る生徒は部活動をするものが多数で、その他の帰宅する生徒は近場のモール街へ遊びに行くグループやアルバイトに勤しむ人間が多い。


幸秀も帰宅する生徒に含まれる一人であり、金銭的状況から複数のシフトを組んでアルバイトに励んでいる。


今いるのは電車に乗って一駅かかる駅前のモールだ。

1年前にできたこのモールにはかなりの数の飲食店他専門店が立ち並んでおり、その一つにパティスリーが専属されたカフェが入っている。


洋菓子専門の部門がある天下原グループが現在勢いよく成長するモールに参入するためにできた店舗だ。


その人材や設計などを含むものは天下原光莉が総責任者として運営されている。

これは人の目利きが利く光莉ならではだろう。

当の光莉は現在友人であり現在はお客様の玲奈と和弘と一緒にテーブルで飲み物を飲んでいる。


「光莉~、朱美さんが天子をホールに出していいか確認して欲しいと頼まれたんだがいいか?」

「んむ?朱美がいいと言ったのだろ?ならアタシは別に何も言わないぞ」

「そうか、ありがとうな」


そう言うとは思っていたが念のためお礼を言って厨房に戻る。


後ろから「天子ちゃんの仕事姿が見たくて死んでしまう!!ヒデ何とかしてくれ」と馬鹿の声がするが似た名前の人違いだろう。そのまま死んでほしい。


朱美さんは店長兼現場責任者としてオーナーである光莉が直々に会社から引っこ抜いてきたのだ。

朱美さんの甲斐もあって休日の日中などは割とお客が入ってきてくれる。


普段は朱美さんがアルバイトを雇ったりしているがパティシエは日頃の業務が厳しく経営戦略や経理などは難しい傾向にある。


その面を現在カバーしているのが光莉であり補佐として雇われた僕だ。


とは言っても戦略などは光莉の専門であり僕がやることはお金の計算が主なのだが自宅でも使えるスキルなのでこちらとしてもありがたい。


「朱美さんOKでましたんで是非こき使ってください」

「わーお、そりゃぁいいね~人手不足ビシバシ行くよ~」

「うわああああん!!幸秀くんの鬼!悪魔!!女たらし!!!」

「はははは――――是非死ぬまで働かせましょう」

「う、嘘ですよ!幸秀くんは優しいです!ちょっとしたジョークです!」

「ほらほら~天子ちゃん行くよ~、大半はバイトの子に教えてもらえるから大丈夫だよ~」


そういって天子が朱美さんに厨房から引っ張られていく。

その姿に今日手玉に取られた分、少しスッキリする。


「い、いやああああ」

「さらば天子、労働の味を知ってくるんだ!はははは!」

「・・・何言ってんのさ幸秀君、君も一緒に来るんだよ」


「―――は・・・・えっ?」

「「えっ?」じゃないよ~、バイトの子はいるけど人出が足りないんだから君が教えるに決まってるじゃん」


何だって?僕が?一緒に仕事しなくてはいけない?


「テンシニボクガ?」

「そうだよ~。一緒にビシバシ使ってあげるからね~安心して頑張ってね~」

「あははは!!幸秀くん!お互い頑張りましょうね!!」




「い―――」


「い・・・・いやだああああああ」




※注意・・・人の不幸を笑うと自分へ返ってきます。やめましょう。





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友人三人は天子の接客の練習台となってもらった。

しばらくすると天子も慣れ和弘が余りにキモかったので連れて出て行ってもらった。


「いらっしゃいませ!ケーキのお持ち帰りでしょうか?わかりました!!こちらで選びながらお待ちください!」

「すいませ~ん注文いいですか~?」

「はい!少々お待ちくださーい。今行きます~」


天子はホールの店員としてしっかり働いている。

僕が接客の基本を教えるとそう時間はかからなかった。

時間は18時半頃で夕食を取る人は他の飲食店に行くことが多い。

そのため喫茶店による人はそう多くない。



ないのだが―――


「幸秀くん!追加で注文入りました!!1番にペペロンチーノと3番にケーキセットが二つ、飲み物は両方アイスティーです!ケーキはモンブランとチーズケーキです!!」

「わかった!!天子はそのまま注文とってくれ!―――山本さん!!お会計頼んでいいですか!」

「オッケー!あ、入江君!持ち帰りでオムライス2つ入ったから頼んだ!」


い、忙しい。この通り客席は埋まりお客の出入りが止まらない。


山本さんというバイトの大学生がいるがそれを入れてもホールは三人しかおらず明らかに足りない。

さっきまではそんなことはなかった。しかし今では猫の手も借りたいほどだ。


「これはケーキも追加で少し作ってもらった方がいいかもしれないな」


とりあえず厨房に注文を伝えに行かなければならないので早足で向かう。


厨房は現在二人で回している。

一人は主に料理を担当するお姉さんであり、

本人から「お姉さんもしくはアネさんと呼びな」と言われるほどの姉御肌の女性だ。

後もう一人は店長であるパティシエの朱美さんである。


「すみません朱美さん!また注文です!ペペロンチーノ一つ!次にモンブラン、チーズケーキのセット2つお願いします!!後、店頭のモンブランとショートケーキがなくなりそうです!!」


少し早口でオーダーしたがすぐ理解して返答してくれる。プロだ。


「わかったケーキは用意する!クソ~!!ありがたいんだけどこれは想像以上だわ!!」

「アハハ!ペペロンチーノ了解!まあいい事じゃないの!しっかし平日にこれとは恐れ入るねぇ!!」

「後オムライスがお持ち帰りで2つ入ってます!出来上がったら盛り付けます!」


「オムライス二丁了解」という声を聞いて僕は注文のアイスティーを入れる。

忙しいのはホールだけではない。厨房も戦場と化しているのだ。

幸秀が手伝えるのは飲み物と簡単な料理の盛り付けだがそれでも足りない。


「オッケー!ケーキセット盛り付けたよ!」

「ありがとうございます!!」


行ってきます、と告げて急ぎすぎないように急ぐ。

お客に忙しく見せてしまうのは余りよろしくないからだ。


「お待たせしました、モンブランとチーズケーキのケーキセットが二つとお飲み物のアイスティーです」

素早く、しかし雑にならないよう丁寧に並べていく。


「以上でお間違いなかったでしょうか?―――それではごゆっくり」


ここまで忙しい理由は実は分かっている。

今も客席で何名かその話題を口にしているからだ。


「ほら!!あの子だよ!!SNSで上がってた子!!マジ可愛くね!?」

「やべぇ!マジだ!!モデルか何かか!?」

「マジで今日たまたま来てて正解だったわ(笑)」

「あの~いかがしましたか?ご注文でしょうか?」


見つめていたので天子が行った。これは店員として良い対応だ。

そして次のがお決まりのやつなのだ。


「えっ!?あっあっハイ!!お、おいお前が頼め!!」

「は!?あ~・・・え~と、ケーキ?そ、そうだおすすめのケーキください!!」


こんな感じで皆天子に話しかけられると慌てるのだそして―――


「なるほど―――これは困りました。いくつもあるんですが・・・」

「お前バカ!!困ってるだろ!!」

「じゃ、じゃあ君のオススメ全部お願いします!!」

「―――それだ!!お願いしますなんでも大丈夫です好き嫌いしないんで!」

「かしこまりました!ふふっ、好き嫌いしないのは偉いですね~」

「「アハハ~それほどでも~」」


これでケーキ合計10個は確定だ。

本日何度目かのやり取りをまた目撃してしまった。


詳しいことは知らないが天子の姿を誰かがSNSで上げたらしい。

そしてそれを見た遊びに来ている学生や、

たまたま前を通りかかった人が天子を見て入ってくるのだ。


「すいませ~ん!3名で入りたいんですけど~」

おっと、こっちも気を取られている場合ではない。


「―――はい!お待ちを・・・・」

「よっ!ヒデ!!腹減ってまた来た!満席か?」

「田中お前!!!はあ、幸秀すまん。止めたんだがこいつが腹減って奢るから飯食おうと言い出してな」

「ユキ体調大丈夫!?天子ちゃんがインチュタで話題なってたけど・・・」


心配してくれるのは嬉しいが今は本当に構ってやれない。

そして和弘のテンションがうざい。


「チッ・・・お客様~当店ペット禁止でして、大変申し訳ありませんが――」

「俺か!?俺のこと言ってるのか!?ちょっとは定員らしくしろよ!!」

「定員として当然の対応だ!冷やかしなら帰れ!真剣に忙しいんだ」

「わあ~皆さんまた来てくださったんですか?でもすみません・・・今満席なんです」


天子まで集まってきた。頼むからこれ以上はやめてくれ・・・


「その通りだ!予約まで埋まってるくらいだ!こっちはねこ――のて―――も――っ!!!」


・・・ペット

そして猫の手も借りたいだと?

≪フハハ、使える手があるじゃあないか!!≫


「どうした~ヒデ?」

「猫だ!!」

「ね、猫?ヒデが狂った!このひとでなしぃ!」


そうか、そうじゃないか。


普通の人なら難しいが今は光莉もいる。

それに喫茶店で働いている玲奈もいる。

一人本物の猫の手レベルが混ざっているが正真正銘猫の手でもないよりはマシだ。


≪決まりだな!!≫



「おいレーナ!光莉!相談がある!!」


「「???」」





                            ・





「すみませんお待たせいたしました。ご注文お決まりでしょうか?」

「はい、私がナポリタンとアイスコーヒー、旦那はオムライスとアイスコーヒーでお願いします」


注文を受けると別のテーブルからも呼ばれる。そこで"新しい"アルバイトに声をかける。


「光莉!!5番テーブル頼んだ!!」

「わ、わかったぞ!幸秀このテーブルの皿頼んでもいいか?」

「持っていく!」


光莉はトテトテと歩いていく。そして次は厨房だ。


「ナポリタンとオムライス入りました!!!」


「あいよー!!さあ玲奈ちゃん~!オムライスはまっかせたわよ~!!」

「はいっ!あっユキ。カルボナーラできたから盛り付けて!!」

「任せてくれ!おい和弘、これ下げてきた皿だ」


やはり完璧だ。玲奈のクオリティは見ただけでわかる。


「うわああああああ!何でこんな目に合うんだ!!腹が減ったよ~!!」

「ソレ食べてたのめっちゃ可愛い女子大生だったぞ」

「!!謹んでやらせて頂きマス!!!!」


現在はこんな感じだ。というのも―――



「お前たちに頼みがある。店の手伝いとその許可が欲しい」


「――私達が手伝う!?でもユキっ、それって大丈夫なの?」


普通なら一般人を当日雇うなどできないだろう。

しかしそれができる人間がいるじゃないか。


「家が喫茶店で料理も作ってるお前なら間違いない!光莉には"その許可も"出して欲しい」

「なるほど・・・しかし今回既に天子一人雇っている状態だ。そうバイトは増やせないしバイトがそこまで頑張る必要はないんじゃないか?」


確かにそうだ。給料は変わらないし、光莉には迷惑かもしれない。

でも―――


「頼む!今回天子の初仕事でこうなったのは僕の責任だ!!朱美さんたちも頑張ってるんだ。力になってくれ!」


実際僕が頼んで仕事させて皆に迷惑をかけた。

これならとことんやってやらないと皆に申し訳ない。


しばらく目を見つめていると光莉は笑う。


「ハハッ!!面白いぞ幸秀!!わかった!幸秀の申請を認めてやる!!」

「ありが―――」


礼は言う必要はないと手を出して止められる。


「ただし・・・玲奈も天子もカバーするのはお前だ。朱美たちに押し付けるな。それができなければ雇うことはできない」

「大丈夫だ、何かあっても僕がサポートする。」


僕の責任で雇うがいいかと言う話だ。当然だ。

朱美さん達に投げるのは無責任だろう。


―――なら”3人”雇わせてもらおう――


「それならいいだろう。まあ人手不足はアタシも考えてい――――」

「じゃあ光莉はフロア担当で頼むな?」

「たから―――な?えっ?アタシ?」


光莉はポカンとしているが当然だという顔で話す。


「ああそうだ。了解したよな?」

「い、言ってないぞ!!アタシには"許可を"だしてほ・・し・・まさか!!」

「だれも許可"を"なんて言ってないぞ?」

「は。はめたなあああああああゆきひでええええ!!」

「優しさに漬け込むのがホストの基本だ」


光莉はこれでいい。

和弘もなんだかんだ良い奴だ手伝ってくれるだろう。

後は意外と臆病な幼馴染だ。


「ゆ、ユキ!!でも私っ他の店でアルバイトなんてしたことないんだけど!!」


・・・知っている。しかし大丈夫だ、臆病な事だけじゃない。

料理の腕は誰よりも僕が知っているつもりだ。


「レーナなら大丈夫だ!!」

「で、でもその料理が他の店で出せるかなんて・・・」


これではダメか・・・だが時間がない!断り切れない所に漬け込むようで悪いが押させて頂く!


「えっ!?ゆ、ユキ?ちょっとちかい―――」


玲奈の肩を掴んで目線が"逃げ"にならないようにする。


「僕は玲奈の料理が世界一美味いと思っている!!僕は玲奈以外を考えられない!今、玲奈が欲しい!」

「え、ええええええ!?ちょ、ま」

「待てない、もう(時間的に)僕は(店を)抑えられない!!」

「・・・うん」


真剣に話す時の"玲奈"呼びにしたのが成功のもとだろうか?


「よし!!それじゃあ行くぞ?」

「うん・・・いつでもいいよ」


玲奈の了解も貰い肩を離す。

離れると何故か玲奈は目をつむっていた。少し近すぎただろうか?

≪少し勢いをつけすぎてレーナを怖がらせたか?・・・≫

押しに弱い玲奈には相当の恐怖だったに違いない。少し反省しよう。



―――――後は今に至るという訳だ。


実際僕の目に間違いはなかった。


光莉は言葉遣いはアレのままだが持ち前の容量でそつなくこなす。

玲奈は料理担当のアネさんが認めるほどの腕だ。知っていたが。


かなり余裕ができたのでこちらの方が手が空きサポートに回りやすいオマケつきだ。


今はあれから1時間たって現在は19時半過ぎだ。

勢いは落ち着いたがお客さんは来ており、変わった人までいる。


例えば―――



「お待たせした!!!注文は決まったか?」

「でゅふふ!!ほら同士どの!これが噂のロリロリ少女でござるよ」

「なななな、なんとおお!!ま、魔法少女マジカル☆キラリちゃんそっくりでござる!!」

「ロリロリ!?魔法少女!?お、おまえらあああ――」


ま、不味い!


このままでは魔法少女(笑)が爆発してしまう。


とっさに止めに行こうとした時、横を人影が風のように通り過ぎた。


「おまえら!!!まてえええい!!」

「「「誰だ!?」」」

「その子はキラリではない!!!よく見ろ!目の色が違うだろ!!」

「「本当でござる!」」

「た、田中お前にも言いたいことが多くあるが・・・」

「お客様が間違ってる事をいったまで!!!こいつはキラリではなく!!」

「その変態性のおかげで踏みとどまれたぞ!感謝す―――」


人影もとい変態のおかげで冷静になれたようだ。よかっ――――


「ピカリは魔法少女ピカリンだ!!!間違えるなあああああ!!」

「誰が魔法少女ピカリンだあああああああああああああああ!!」


変態共は光莉のアッパーカットを一発ずつ受けて気絶した。


その後謝罪と共に料金はいらないと言ったが何故か感謝された。


「オプション料も払うでござる」と意味不明なことを言っていたが丁重にお断りさせていただいて普通にお会計して頂いた。






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「おっつかれ~~!!」

「「「お疲れです!!」」」


皆仕事をやり切った。時間としてはまだ8時ちょっとだがケーキも売り切れ材料的な問題で閉店させていただいた。


「幸秀くんお疲れ様です!!」

「ユキおっつ~♪」

「お疲れ天子、レーナ、今日はありがとうな」

「本当ですよ!!感謝してください!初仕事がこれだとパートさん絶対辞めちゃいます」


確かに初仕事でこれは物凄くしんどかっただろう。

皆には申し訳なかったかもしれない。


「あはは・・・私としてはちょっと楽しかったけど」

「それはよかった。玲奈にならできると思ったよ」

「はあ、幸秀くんはそうやって・・・はあ・・・まあいいです」

「なんだ天子?喧嘩なら買うぞ?それに玲奈の料理ならいけると思ったのはお世辞じゃなく本心だ」


これは嘘偽りのない僕の気持ちだ。たまに人の弱点を突くこともあるが今回それはないだろう。


「幸秀!今回は本当にご苦労だったっ!!」


光莉が朱美さん達との話し終わってこちらへ向かってくる。


「今の話を聞いていたがお前の玲奈への誘い方は問題だ!!!」

「光莉ちゃん、幸秀くんが何かしたんですか?」

「ああ!この唐変木は人を惑わす詐欺師の才能があるかもしれん!アタシもしてやられたからな」


かなりの言われようだ・・・

よっぽど悔しかったのだろうか・・・


「アハハ・・・光莉ちゃん・・私は大丈夫だよ。いつもの事だから・・・ちょっとラッキーなくらいかも」

「な、なにがあったんです!?幸秀くんの事ですよね?教えてください!」


確かに光莉は騙し、玲奈は強引に押しの弱さにつけ込んだかもしれない。


「ほら皆ケーキ作ったから食べよう」

「お前ら!!あたしがメシ作ってやったぞ!!!ほらカズ運んで来い!!」

「アネさん!わっかりましたーー!!」


少し謝ろうかと思っていたら朱美さん達が出てくる。和弘は何故か舎弟になってるな

ケーキは豪華な純白のホールケーキと見事なショコラムースだ。

料理もオムライスやパスタ等が運ばれてくる。


「朱美さん、店の在庫はなかったんでは?」

「まあね~一応光莉ちゃんに確認だけ取ってちょこっとね~。チョコケーキなだけに!」

「そうだ!!これだけ働いて皆を労わないなど上に立つものとして失格だからな!」

「マジ!うれしー!!でも光莉ちゃんが食べたかっただんじゃない?甘いもの好きじゃん」

「こ、コラ玲奈!そんなことはないぞ!!」


賑やかな雰囲気でよかった。

疲労困憊で意気消沈など望むわけではない。


「じゃあ光莉のケーキはいらないな!!オレンジジュースもあるんだが・・・いらないか!」

「幸秀えええ貴様ああ!!アタシへの今までの恩を忘れたかあああ!」

「―――と、和弘がさっき言って取り分けてたな・・・」

「田中あああああ貴様ああああああああ!!」

「ぐはあああっ!ナンデ俺が・・・」


賑やかなのは良いことだ。

お金がかからないこともいい事だ。


そんな風に楽しんでいると食事を目の前に皆手を止めたので不思議に思う。


「ど、どうしたんだ?食べないのか?」

「幸秀、食べたい気持ちは分かるがこういう時は功労者から一言があるものだ」

「そうだよ~オーナーは幸秀くんにど~~~~~してもやって欲しいって言ってたから」

「う、嘘を言うな!!・・・はあ・・・まあ嘘ではないから早く食べさせてくれ!」

「え・・・でも僕は天子やレーナにも迷惑かけて―――」


そんな僕の手に二人の手が重なる。


「幸秀くんがやらないなら私は許しません!明日から幸秀くんは入江 悪魔に名前を変更してもらいます」

「天子と悪魔って狙ってるだろそれ!!」

「さっきのナシ!しなかったらマジで許さないから!!明日からは入江 女たらしになってね」

「ナンパしてる報復か!?ああ分かった!やったら二人とも許してくれるのか!?」

「もち!!!(です!!)」」


オレンジ色に煌くグラスを持ち本日の感謝を本心を込めて話し、


「乾杯!!」

「「「乾杯!!」」」


それぞれ個性あふれる皆と会話しながら夕食を楽しんだ....





・・






・・・



・・・・



・・・





・・



「そういえば玲奈さん、幸秀くんとどんなやり取りしてたんですか?」

「え~?天子ちゃん聞きたい?かなり乙女心に来るよ?いいの?」

「お願いします!」

「実はね~~ごにょごにょ」

「・・・これは・・・」

「こ、怖いよ天子ちゃん!まじで鬼の形相だよ~!」


「玲奈さん・・・もう一度思い出して?そうです。それからです。これから同じことが起こると思ってみてください・・」

「・・・」

「どうです?たえられますか?」

「ヤバいかも・・・期待と絶望でココロ持たないかも・・・」

「なら今度、幸秀さんを――――」

「え、、まじで?・・・よしやろうちょっち楽しみかも・・」

「光莉ちゃんも誘いましょうね?」

「いいじゃん―――ふふ」

「あははは―――」








エピソード7 青春は企みと共に

              続く









どうでしたか?


どうもしめ鯖ルイです


最近絵を描き始めました。


キャラ書くには程遠いですが自身のキャラをかけたら嬉しいですね


そんなこんなですがやっと1日終わりました。書きたいことが山盛りで進みません。


しかし楽しんでいきます。


では今回はごきげんよう




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