堅実なやり方
「ギルドの職員は、誰でもいいってわけじゃない。」エティナは昼ご飯のパンを食べながら、言う。
「そりゃ、そうだけど。」レーベンは答える。
「考えてごらんよ。法律の知識も必要だし、税務に関する知識も必要だし、ただ字が読めるってだけでは、まあできて郵便配達ぐらいのものだから。」
「そりゃあそうだけど、あんなに地味な広告では、そもそも人が集まらないんじゃないかなあ。
冒険者じゃない人たちからしたら、僕たちの仕事って何をしているのかよくわからない、ただの税金泥棒と思われているだろうし……。」
「でも、あんまり派手に広告を打っても、仕事が楽になるわけじゃない。かえって私たちの仕事が増えてしまう。新人が来たら、新人に一から教えなくちゃいけないし、結局誰かからの紹介で入ってくれる人じゃないと、長持ちしない。」
「まあそりゃそうだけど。でも、もう少しハイスペックな魔法を使える人を探してもいいんじゃないかな。書類の山を片付ける魔法とか。」
「魔法を使って書物を読んでも、理解したことにはならない。ただ淡々と読んでこなしていくのが一番堅実よ。」
しかし、そう言っているはずのエティナは、魔術のようなスピードで膨大な書類を読破していくのであった。
「いったいどうすれば、あんなスピードが出せるんだろうなぁ。」
レーベンはまた独りごちた。時が止まる部屋があるなら、この書類の山を持って入りたい。そう思えるほどの山だった。
読んでくださってありがとう。
これから少しずつ話を展開させていきます。
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