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英雄召喚されたのに色々問題発生です  作者: 七地潮
第一章
87/150

トモ家の書

翌日、再びトモ家へ。

今日は書を見せてもらう事になっている。

流石にずっと正座はキツイので、断って胡座をかいて、じっくり読む事にした。

表紙には【伴 長信】と記名されている。

えー、本名じゃないでしょう、コレって、などと思いつつ中を読んでいく。


*****


【天正十年六月早朝

常宿としている本能寺で賊の襲撃に遭う。

賊の旗印は桔梗紋、日向守。

迎撃するも多勢に無勢、当方の手勢は客人も含み少数。

上様をお護りすべく、敵を倒しながら探すも、やがて火の手が上がる。

女中に尋ね、上様の行く先を検討するも、向かう先は種子島を収める小部屋。

急ぎ駆け付けるも爆風に煽られ気を失う。


意識が戻り、所在を確認しようにも身体が動かず、床に留まり辺りを見回すも、異装の伴天連に取り囲まれ動くにあたわず………】


「上様、上様は何処に……」

視線を彷徨わせ姿を探すと、自分の隣で倒れている若い男から応えがあった。

「その声、伴か」

元服前程の若い男だ。

「我らは今どこにいるのだ?

このような場所は見た事ないぞ」

「……上様?…上様なのですか?」

「何たわけた事を言っておる、うぬは我がわからぬのか」

伴は我が目うたがう。

確かに見た目は若者だが、身から漂うモノがその若者を、自分の主君だと言っているように感じる。

「しかし何故我は石の床に転がっておる?

周りの者は何者ぞ?」

問いかけられるが、伴はその答えを持ってはいない。

「周りの者共は何を言っておる?

伴天連供の言葉とは違って聞こえるが」

そもそも伴天連の言葉は一切わからないので、違って聞こえると言われても、答えようがない。

「それにこの周りに浮いている小さき者は何ぞ?」

小さき者…言われて何とか頭を動かし、主君の周りを見てみると、いくつかの光が倒れる主君を取り囲んでいる。

「ふむ……この妖供………」


【遠きこの国と妖供の和合の為、主君共々この地へ喚ばれる。

外つ国の言の葉を操り、武力を用い争いを収め、会合にて和平を結ぶ。


我等と別に喚ばれし者二名。

共に国許に戻る事能わず。

領地を拝領し、主君が町づくりを始める。

名を【尾張】とす。


吾の務めを全うする為、地の者と交わるが、この地独自の【運命の人】と言うのに阻まれる。


故に我が一族への家訓としていくつかの取り決めをす……】


うん、何だろう、こちらの世界の言葉で書いているからか、微妙な言い回しになっているけれど、おかげで完全な古語じゃないから、わかりやすい……かな?

ガチな古語で、しかも日本語…戦国時代の巻物みたいに書かれていたら、絶対に読めなかったと思う。

便利だねぇ、異世界って。


しかし、運命の人に阻まれるって何だろう?

そもそも運命の人って、僕の中では一目惚れした相手に言う言葉ってイメージがあるんだけど、多分違うんだろうな。

しかも家訓ってのが、


・運命人と結ばれるのは良いけど、先立たれたりしたら次の相手を見つける

・運命の人は仕方ないとしても、必ず人との子供を沢山作る

・ハーフの子供は主の下働き、もしくは町の発展に尽くす

・人の子は必ず家業を継ぐ


……何があるんだろう?

これは読むだけではわからないな。

ハルさんに聞いてみても大丈夫かなぁ……、思いっきりプライベートな事だろうから、聞くだけ聞いて、無理なら諦めよう。

ちょっともやっとするけどね。

★★★お知らせ★★★


今月はどうしょうかなぁ、2月3日から2×3=6で6日間?

何て考えもあったけど、最後の書?を一気にやりたいと思って書き進めていたら、ちょうどいい事に月中になったので、今月は……


2月14日バレンタインデーから一週間連続更新致します。


よろしくお願いします

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