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英雄召喚されたのに色々問題発生です  作者: 七地潮
第一章
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道中〜ネイ団長との話 3〜

「ん?でもそんな体質だと大勢の団員と一緒に居るのに支障とか無いの?」

マモランドで取り囲まれただけでヘロヘロになったのに、始終団員に囲まれて行動を共にしてると気が休まらないのでは?

「あははは、何で近衛団長なんてやってると思ってんの?

小さな頃から囲まれる度に返り討ちにしてたら、最強になっちまったからだよ。

今では国王の為の近衛なのか、ネイの親衛隊なのかわかんないよねー」

え?そんなに強いの?

団員さんって結構ムキムキマッチョが多いよね?

血筋で団長なのかと思ったんだけど……

って言うのが顔に出てたのか、

「こう見えてネイって、国軍も合わせて最強だよ」

「こう見えては余計です。

触って見ますか?」

差し出された二の腕部分を触ってみる。

「うっわ、カッチカチ」

あー、ブルース⚫️ー体型ってやつ?スリムな筋肉に覆われてるってやつなのかな。

確か西洋剣みたいな武器だと、叩き斬るから腕力が必要だけど、日本刀の場合切り裂くから、ムッキムキな筋肉は要らないとか何とか、聞いたことがあるような無いような…。

あれ?でも確か日本刀って……、

「有事にはその刀を使われるんですよね?

刀って斬った時に着く血や脂ですぐ斬れなくなると聞いた覚えが……」

だから昔、戦の時刀は腰にさしてても、実際に使う武器は槍や弓だったとか、何かで読んだ記憶が薄っすらと有るんだけど。

「本来ならそうらしいですね。

しかしこの刀は、始祖様から受け継ぐ刀でして、どれだけ斬っても斬れ味は落ちず、岩を斬っても刃こぼれしない特別な物なのです。

一族の中で一番強い者だけが使う事の許される一刀なのですよ」

刃こぼれも無しとか、どこの斬⚫️剣なんですか。

何でもアリですか。

なんて突っ込みはしませんよ。

ここはそう言う世界だと、色々目をつぶらなければいけないって事は、学びましたから。

「ネイ様の剣術は、まるで踊っているようで美しいですよ。

特に雷の妖術を纏わせた攻撃は、斬られる相手さえも目を奪われますからね」

うっとりとスイが言うけど、雷⚫️剣ですか、まあ確かに一度見てみたい。

やっぱり日本人としては、ロングソードや戦斧とかより、日本刀に惹かれるよな。

もし自分で武器を持つなら、やっぱり日本刀持ちたいもん。

しかしやっぱり、この体質が変わらないのなら、力をつけた方が良いのか?

今日からでも筋トレ始めた方が良いのかもしれないな。


休憩で馬車を降りるたび、団員さんに話を聞いてみたけれど、魅了の力なのか、心がそわそわする感じはあるそうだけど、やはりその技量に惹かれるそうだ。

どの団員さんも、訓練や魔獣討伐時のネイさんの剣さばきに、惹かれずにはいられないと言う。

何だかますます見てみたいな。

前回近衛団を見学した時は、団員さんの稽古しか見ていないから、一度団長さんの稽古を見学させてもらおう。


「そう言えばさ、スイにはネイさんの事、随分気に入ってるみたいだよね。

魅了って効いてないんだよね?」

スイがいつもと違う気がしてニトに聞いてみた。

「魅了は効かないよ。

ハーフと言えどもドラゴンの血統なんだし。

でもスイがネイを気に入ってるのは当たり。

だってスイの性格考えてみな?

真面目で、言葉遣いが丁寧で、仕事に真面目で、こうと決めたら血筋に関係無く真面目に取り組んで、マジで真面目なクソ真面目!」

……何回真面目って言えば気がすむんだ?

「ネイもそんなところが有るから、なんて言うんだっけ?似た者夫婦?」

「夫婦ちゃうし、似た者同士でいいし」

「まぁ俺に言われせば二人ともマゾだね、本当マゾめ」

…………もしかしなくても、真面目とマゾめを掛けたのか?

寒っ!

「まぁ気が合うってのは分かるかな。

でもニトもスイといいコンビだと思うよ」

ボケとツッコミで。

「いやいやいや、俺マゾじゃないから。

ネイにやられて喜んでる近衛の奴らと違って、スイにボコられて喜べないから」

「ん?あの二人マゾじゃないの?」

しれっと突っ込みを入れる。

「うわっ、スイと一緒にいる時間が長いから、ウチが毒されてきてる」

「とりあえず今の会話はスイとネイと団員さんに、漏らさず伝えとくね」

「ウチ〜〜、年上をからかうのは感心しないぞ〜」

「あ、スイー」

ニトの後ろに視線を向けて声を上げると、慌てた彼は僕を担ぎ上げ走り出した。

「冗談だって、冗談」

担ぎ上げられたまま、肩をポンポンと叩くと、その場に崩れ落ちた。

「お〜ま〜え〜な〜〜〜」

ニトイヂリは面白いかも。


*****


ネイに話を聞きながら(ネイさんと呼ぶと、姉さんに聞こえる事があるので、敬称を省くように言われたので、呼び捨てにするようになった)、ニトを弄りながら馬車は進み、国境の町【オワリ】に到着した。


……うん、想像してたけど、やっぱり時代劇のセットだ。

木造日本家屋が並ぶ町の中央に、【日本の城】が建っている。

流石にまげは結って無いけど、着ている物は浴衣や甚平の人もチラホラ。

そんな中に目立つ洋風の建物の中には、国軍の制服を着た兵士さんが居るのが見える。

でも、和風の中に洋風が…と言うことよりも違和感が有るのは、やっぱりミミや尻尾や角だよな。

百鬼夜行って感じだ。

洋風ファンタジーの世界で、ここだけ和風ファンタジー。


さぁ、ラスボス感覚の織田家の前にトモ家を訪ねる事にしよう。

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