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英雄召喚されたのに色々問題発生です  作者: 七地潮
第一章
75/150

190歳年上の先輩英雄との共通点

「それで聞きたいんだけど、君も自分と近い時代から来たって、ニトリんに聞いたけど、正確にはいつなの?」

やっと落ち着いてまともに会話出来るのかな。

「2018年です」

「ま?自分と同じ年じゃないか」

「え?牧さんも18年なんですか?」

「一緒だよ。

因みに何月?自分は8月なんだけど」

「10月です」

「あー、惜しい、これで来た月も一緒なら面白いのに」

面白いかどうかわからないけど、凄い確率だな。

「出身地は?」

この場合出身地と言うのか?

「僕はS県です」

そこの結構有名な動物園に勤務していたんだけど、あの子達はどうしているだろう。

「Sか〜、へ〜〜。自分Cだな」

「ほー、ご近所さんですね」

「いやいや、場所は近くても…………」


そこからご当地バトルに発展してしまい、ロリさんの仲裁が入るまで続いてしまった。

まあ、お互いどっちが上かって良くある話なんだけどね。

いかんいかん、牧さんに何だか釣られてしまう。


「死因はどうなの?」

「…………色々あって自棄酒した後の、急性アルコール中毒かな」

「アル中…ひょっとして年上?」

「享年と言うのかな、33歳だね」

「ま?そんなおっさんが幼児になるとか」

「いやいや、たまたまあの頃は良かったって思ってただけだから、深い意味ないから」

幼女好きに誤解されるのは勘弁して欲しい。

そう言うのじゃ無いから。

「自分28だったから年も近いっちゃあ近いね」

28歳で幼女好き……元の世界で犯罪なんて犯してないだろうなぁ。

ある意味こちらの世界に喚ばれて良かったんじゃ無いの?

「あの夏暑かったじゃない、自分はイベント会場で熱中症で倒れてちゃって、そのままこっちに来たんだよね。

あ〜〜折角入手した神絵師の新刊が〜〜〜」

熱中症……確かに異常な暑さだったもんな。

動物達もぐったりしてたし、お客さんも気分悪くする人多かったもんな。

「第二回のケモニアとのオフ会も予定してたのに」

…………ん?

「ケモニヤ?」

「ケモマニアのチャット仲間で、夏の暑さを自分らの熱で吹っ飛ばす!とか言ってたんだけどね」

…………ひょっとして……

「ヒンヌー教の教祖?」


*****


「うわっマジか〜」

休憩時間にスマホを見ながら叫ぶ山田さんに、弁当を食べながら視線を送ると、

「今メッセが入ったんだけど、教祖が亡くなったって〜」

「教祖?山田さん、何か危ない宗教でも……」

「いやいやいや、私じゃなくて、ヒンヌー教の教祖。

私は玄ミミナーですから」

「…………よく分からないけど、ハンドルネームとか言うやつ?」

「ハンドルネーム!古っ!

まぁ先輩のわかりやすいように言うとそうですね」

「まぁ兎に角知り合いが亡くなられたんだね。

葬式とかは行くの?休みとるならシフト協力するよ」

「あ、大丈夫です。

リアルでは一度しか会ったことないですし、知ったのは今ですけど、イベで倒れてそれっきりって言うから2週間くらい前みたいだし。

最近更新しないと思ってたんだよね〜……」


*****


と言う会話を夏休みの終わりくらいにした覚えがあるけど、もしかして、その話題の人?

「何で知ってるん?

もしやフォロワーとか?」

「仕事場の後輩が、夏に知人が亡くなったと言ってたけど、もしかしてと思って」

当たりっぽいね。

「え?誰だろ」

「山田って言う二十歳の女の子なんだけど」

「名前言われても…職場って、動物園っつたよね?」

「ああ、飼育員だけど、心当たりある?」

S県の動物園……と少し考え込んだ牧さんが、何か思いついたように顔を上げる。

「もしやケモスキーが高じてリアケモ関連の仕事に着いた、玄人ミミスキーの玄ミナか?」

玄人ミミ好き……なんなんだか分からないけど、

「多分それかな」

「うっわ、いくらなんでもニア過ぎっしよ、ないわー」

……えー、いくらなんでもニアピン過ぎる、あり得ないわで良いのか?

確かに狭い日本と言えども、同じ年に隣の県の年齢の近い人間が、年代ずらして召喚されるって、どんな確率だよ。

……でも牧さんとは住む世界が違う気がするけどね…。

補足ですが、読み飛ばして全然問題有りません。


〜追記・山田アワー〜


「クロミミ?黒い耳の事?」

うっかり聞いてしまった僕に、山田さんの暴走が……

「子供や受けにケモミミなんて普通っすよ、私は攻の美男子、イケメンなんて軽いのじょなくて、美男子!や、ナイスミドルのオジ様、ガチムチなガテン系にミミ!それも恥ずかしがっちゃあマイナスです、堂々と、むしろ誇らしげにミミをピンッと立てて、それが失敗した時なんかに、へろ〜ンとなったり、ピルピルするのが尊い!例え少数派でも、玄人と呼ばれても、私は私の道を行く!萌の為なら世間の白い目もなんのその、私の人生私が主役、我が人生に悔いは無し!それが玄ミミナーの私、玄ミナです!」

…………意味不明な事を一気にまくし立てた後、素晴らしいまでのドヤ顔……。

「……あ、そうなんだ」

それ以外に言葉は出なかった……

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