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英雄召喚されたのに色々問題発生です  作者: 七地潮
第一章
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土岐家ではゆっくり眠る事も出来ないみたい…

歓迎会は続いていたけど、飲みに入った人達に見切りをつけて部屋に戻る。

『とうちゃんお帰り〜』

「ピヨピヨピヨピヨ」

部屋ではニヤとピヤと熊澤さんが待っている。

熊澤さんは、基本的に僕の首に巻き付いて寝ている。

マフラーみたいに巻き付いているだけかと思ったら、そこは人に追いかけられないし、僕に置いて行かれないって意味で安心なので、落ち着いて眠れるそうだ。

勿論夜も僕と一緒にしっかり寝ている。

毛の長いフェレットぽくって、爬虫類の脚を持ち、鳴き声はひよこなのに、一日中寝てるってのは、猫っぽい?

基本的には僕と一緒だけど、流石に食事の場所には連れて行けないので、ニヤ達に相手をして貰っているのだ。

「ピヤもお疲れ様」

『なんのこれしき〜だよ』

相手をして貰うと言っても、ニヤ達より断然デカイ熊澤さん。

しかも見た目に反した柔軟なスリムボディなので、ちょっとした隙間に入って行ってしまうのだ。

ベットや棚の下ならまだしも、どんな隙間から外に出るかわからない。

外に出ると下手すれば駆除されてしまう。

かと言って部屋の中でまで紐は付けたくない。

ニヤ達に見て貰っていても、サイズ的に止められない。

なので、ピヤの空間の術で、部屋の床と壁に沿って、不可視の壁?を作って貰った。

『とうちゃんの言う通りに上だけ開けとけば、窒息死しなくて済むね』

ニッコリ笑って言うけど、相変わらず物騒だなぁ。

『ねぇねぇ、くっついて良い?』

水の子や風の子達が何処からともなく現れて、僕から栄養補給していく。

最近の僕の夜はこうして過ぎて行くのが日常になっている。


*****


「おっはよーー!」

「!!」

大きな声と共に勢いよくドアを開けられて、僕は飛び起きた。

一緒に寝ていた熊澤さんも毛を逆立てて威嚇している。

おおお、威嚇する時はハリネズミみたいに毛が全部立つのか!

指先で触れてみると固かった。

おおおおお、普段のツルスベからは想像出来ないカッチカチさだ。

面白がって熊澤さんをツンツンしてると、

「お〜い、ムシしちゃ〜いや〜よ」

入り口に居る秋彦さんがわざとらしく肩を落とす。

今日も秋彦節全開だ。

「おはようございます。早いですね」

「歳取ると朝は早いもんだよ。

さあ行こう!」

「????」

僕は部屋に入って来た秋彦さんに抱っこされて、そのまま連れ出されてしまった……。


「あの〜、僕は何処に連れて行かれるんですか?」

「何処にしようかねぇ」

「スイは知ってるんですか?」

「秘密のアッコちゃんだよ」

「他の人は?」

「大丈夫、大丈夫」

「僕部屋着のままなんですけど」

「おっと、服は着替えた方が良いな」

そんなやりとりの末、開店前の衣料品を売ってる店の裏口から入り、服を一式と靴とコートを持ち出して来て僕に着せた。

「あのぉ〜、お金は」

「気にするな、奢りだよ」

いや、お金置いて来てないよね?

服持ち出したけど、無断だよね?

「よーし、行くぞー」

うーむ、誘拐では無いだろうけど、スイに無断で良いのかなぁ。

熊澤さんも置いて来たままだし……。

ご機嫌な秋彦さんに抱っこされたまま、町の外まで連れ出された。


*****


「うわ〜〜〜!凄い!」

僕は今空を飛んでます。

ドラゴンの背に乗って!


町の外れの草原に居たのは、ヤシさんと見知らぬ女性だ。

「ほらほらユキさん、この子が最近召喚されてスイスイがお世話してる子だよ」

水色の長い髪に水色の瞳、そして耳の上辺りにスイと同じ角が有る、背の高い痩身の女性。

「初めまして、スイの母のユキです」

やっぱりスイの母親か。

「いつもはテリトリーの山頂に居るんだけど、ちょっと来て貰ったんだ」

わざわざ僕に紹介する為に来て貰ったのか?

と思ったら違ったみたい。

「ねえねえウチ君、空を飛んでみたくないか?」

「ええ?」

「ウチ君のおもてなしにユキさんにお願いしてみたら、OKしてくれたからね」

それにそろそろ……と言いながら、ヤシさんが町の方を見ていると、

「あははは、スイスイ凄〜く怒ってるみたいだねえ」

スイが馬に乗って走って来ている。

直ぐそばで馬から降り、眉間にシワを寄せて近づいて来たけど、ユキさんの姿を認めると、一瞬ポカンとした表情をした。

「ププププププ、スイスイのあの顔〜」

秋彦さんとヤシさんが笑う。

表情を戻したスイは、咳払いを一つ吐き、僕の隣まで来る。

「高祖父殿、父上、これはどう言うことですか?」

二人は顔を見合わせふふふふと笑い、言い切った。

「サ〜プラ〜〜イズ!」

あれ?ヤバイです、キャラ暴走してます。

いやいや、こんな予定無かったのに、母親出す予定無かったのに、秋彦さんに【秋彦アワー】だけで終わるわけないよね〜、なんて思ってたら、暴走始めました。

土岐家でどれだけ話しが長くなるのでしょう……。


取り敢えず明日主人公『飛びます飛びます』

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