表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
英雄召喚されたのに色々問題発生です  作者: 七地潮
第一章
49/150

スローライフってやつかな

「タタンジュは危険な魔獣なのに……」

スイの嘆きの呟きは、聞かなかった事にした。

……聞かなかった事にする事が多い気がするけど、きっと気のせいだよね。

うん、気のせい気のせい。


*****


ヤギ家の農地は広大だ。

日本なら東●ドーム幾つ分とか言うのだろうけど、あれって東京近郊に住んでないと、全然イメージわかないよね。

あ、話が逸れた。

ラグノルから南西にかけての土地で、その場所に合った作物を育てている。

一番土地を使ってるのが麦、続いて芋類、後は季節ごとかな。

そして米。

この世界では元々パン食だし、今でもパンや麺類が中心だ。

けれどやはり日本人には米!って訳で、英雄家系の人達や、たまには違うものを…と言う人達の腹を満たしている。

「この世界の米は田んぼではなく、麦同じ様に畑で育つんだ。

実は米って呼んでるけど、正確には違うんだけどね」

案内してもらった米畑は、一見普通の田んぼだけど、近寄ってみると、成る程畑だ。

稲だと思った物も良く見ると、ススキに近いのか?

「これを見つけたのはトモ家の初代で、初代様が米を食いたいと言った言葉で、野山を駆け巡り見つけたのがこれだそうだ」

ふーん、トモ家って確か織田と同じ時代の家臣とか言ってたけど、主君の要望にキッチリと応えたって感じか。

家臣って言うと、も●、柴●、徳●、丹●、羽●、明●、松●とかしか浮かばないよな。

まあそこまで詳しくないんだけど。

「元々は雑草として扱われてたもんなんだけど、今ではウチの爺さんが改良して、他の国でも需要が増えてるんだ」

案内してくれてるのは、ベエさんの息子さんの、ヤギ・ベエ・コセさん。

ベエさんが馬車で言ってた様に、見た目年齢で言うと、ベエさんと同じ年、下手すれば年上に見える。

近々息子さんに跡を任せて隠居する予定だそうだ。

「しかし広いですねえ」

「まぁ…爺さんが頑張って来た証だな」

シワシワの顔をくしゃくしゃにして誇らしげに笑う。

ああ、なんだろ、本当に良いな、ヤギ家の人達って。

大自然の中で楽しそうに働く人々、サポートする動物に妖精。

仕事だから嫌々にとか、やらさせてる感は一切無く、皆生き生きしている。

夜は皆集まって一緒に食卓を囲み、お風呂に入った後は、座敷に布団を並べて就寝。

あー思い出すなぁ、小学生の夏休みに遊びに行ったじいちゃん家。

ただ藁葺き屋根の日本家屋じゃなくてお城だけどね。

それとケモミミの方々から必要以上にペタペタされるけだね。

でもトータル的には和むんだよなぁ。


翌日からは僕も手伝いをした。

いかんせん幼児体型、本当に【お手伝い】の範囲だけど、雑草抜いたり、食べ頃のとまとの収穫を手伝ったり。

重宝されたのが、農作業を補助する牛や馬の世話の補助。

洗ったりブラッシングなどは無理だけど、僕が機嫌をとってその間に他の人が世話をすると。

僕が構うとどんな動物でも仔猫ちゃん状態だからね。

成長して身体が大きくなったら、動物の世話もっと出来るのに、この幼児体型は本当勘弁して欲しいよな。

あー、なんだろう、もうこのままここで暮らしたいなぁ。


滞在四日目にはタタンジュが到着したので、ピアに間に入ってもらい、交渉完結。

害獣対策もバッチリで、充実した日々を過ごした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ