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英雄召喚されたのに色々問題発生です  作者: 七地潮
第一章
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フジ家の滞在

「ところで、先程から口にされている『クマザワサン』とは何なのでしょうか」

あ、そう言えばナチュラルに呼んでたな。

「熊澤さんって、僕の勤め先の先輩の名前で…」

顔がよく見えるように、熊澤さんを抱える。

「このタタンジュとソックリな顔をしてるんです」

後ろで覗き込んでいた護衛と、位置的に僕の後ろに居る男性も微妙な顔をする。

「ほっとけないって言うか、助けてあげたくなる顔してるんですね、タタンジュって」

このタレ眉とタレ目、手助けしてあげたくなるよね。

「いやー……普通のタタンジュはこんな顔して無いな。

こんな顔のヤツは珍しいって言うか……ブサイクだよな」

男が言うと、護衛さん達も頷く。

え?何それヒドイ!


後ほど見せてもらったタタンジュは、黒いクリッとした目の、オコジョな顔つきだった。

確かにオコジョフェィスが通常なら、熊澤さんはちょっと個性的だけど、味が有って良いじゃん!

……と言う僕の主張に頷く人は誰も居なかった…………なぜ⁈


*****


「改めまして、フジ・ウル・レフだ。

外科と言うモノを担当しているんだな。

外科って聞いた事無いかもだけど、身体の中の悪い所を治すんだな」

へー、外科なんて有るんだ、この中世っぽい世界に。

「後は三男が隣の建物で内科って言う、風邪や頭が痛いとかの診察してる。

父さんは薬の研究で、殆ど研究室から出てこないな」

「フジ家は新しい薬を数多く開発しているのですよ」

スイが補足してくれる。

「でな、そんな父さんの跡取りが次男なんだけど、今タタンジュの管理で東の森に行ってて留守なんだな。

暫く戻って来ないから顔を合わせないかもしれないな」

男…レフの言葉に小さな声で、

「だからこの家に来たんですよ」

とスイが呟いたんどけど、何の事だろう?

「そしてこの美人な女性が俺のカミさんのリラだ。

病院の事を全部仕切ってくれてる、美人で優秀な女神様の様な最高な伴侶なんだな」

「ちょっと何言ってんの!

恥ずかしいからやめなさいっていつも言ってるでしょ!」

いつの間にそこに居たのか、レフの横に小柄……って言うか、僕とそう変わらない身長の女性が居た。

ネズミのミミが有るからネズミの魔物の人かな?

背は低いけど、顔は確かに整った大人の顔だ。

しかし身長差……1メートルくらいないか?


他の従業員も紹介してもらい、やっと部屋に案内される。

道路に面した病院の裏側が住居となっている。

従業員は皆近所なので通いだそうだ。

住居部分より病院のスペースが3倍近くの広さが有る。

その中に薬品研究室が有るそうなのだが、室内には危ない物も多く、中から鍵がかかっていて、外からの音も聞こえない、特殊な作りの部屋になっているらしい。

勿論中からも、音だけではなく、何かが漏れ出しても、部屋の外には出ないと。

どんな作りの部屋なんだろう、と言う前に、どんな危ない事しているんだろう。

集中している当主のウルは邪魔をとことん嫌うし、集中力が切れると失敗の元となるので、ウルの気がすむまで部屋から出てこないとの事。

跡取りの次男もだけど、この滞在中に顔を合わせることは無いかもしれない。

レフさんも、コムさんも、病院は年中無休で診察していて、リラさんも仕事で家を空けている。

なので、訪問した僕の対応してくれるのは、三男のフジ・ウル・コムの奥さんの、フジ・ツカ・キキさんだ。

リラさんは主に病院の事務的な仕事と、従業員の管理をしているそうだ。

なので、二家族分の家事の采配は、キキさんが全て行なっている。

全ての家事を一人でって大変だろうに、僕の相手までして貰うのは気が引ける。

だから滞在中はリビングで大人しく、フジ家の書物を読んで過ごした。

幸いにと言うか、書物は医者の残した物なので、専門用語も多く、集中力が続かず、読むのに時間がかかったので、少し読み進めてはゴロゴロと休憩したり、熊澤さんと遊んだり、スイに小言を言われたりしながら滞在日を過ごした。


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