妖精の祝福……祝福?
「王、私から説明致しましょう」
白髪混じりの黒髪の男が進み出ると王様が頷く。
「簡単な説明をさせて頂きます。
この国は中央大陸一の妖精が生息する国です。
妖精は多数種類が居ますが、人と縁を結ぶ事により人からエネルギーを受け取り、代わりに妖精の祝福を人にもたらします。
この国でも多数の者が祝福を受けておりますが、何故だかわかりませんが、異世界からいらした方には必ず祝福が有ります。
その全ての方に二、三種の妖精が、一番多い方で五種類の妖精から祝福を受けられるました。
異世界の方への祝福は妖精の術が使える事、妖精と意思の疎通が出来る事、また祝福の数だけ寿命が延びる事です。
寿命が延びる事により、身体の成長速度も緩やかになります」
説明してくれて居るけど、正直何を言っているのか分からない…。
「そこで貴方にお尋ね致します。
貴方は祝福をいくつ受けられましたか?」
よくわからない。
「祝福を受けるとは具体的にどう言う状態なのですか?」
まずその説明が無いと、よその人間には分からんよ。
「祝福とは妖精との同一化とでも言いましょうか、身体に入り込みリンクする事ですね」
身体に入り込み?もしかして…
「その妖精とは見た目はどんな感なんです?」
「見た目は属性により様々ですが、祝福を受けて居ない人間には小さな光に見えます。
光の色は属性を表している事が多く、水の妖精は青い光、氷の妖精は薄い青、風の妖精は更に薄い青等ですね」
やはり気を失う前に見た光か。
でもあれって…。
「その祝福とやらは他の世界から来た人間には二、三種類とか言ってましたね。
と言う事は二、三色の光と言う事で、多くても五色?」
「五色…五種類の妖精の祝福は今まででたった一人しか確認されて居ませんが、確かに五つの祝福は有りますね」
「それ以上は無いんですか?」
「今までの歴史上そう言った事実は確認されて居ません」
「………………」
何だかマズイ事になっているのでは無いのか?
「………あのー、気を失う前に確かに私の身体に光が入り込みました。
………………百以上?」
小さくなる語尾を聞き取られ部屋の中が騒つく。
「あり得ない……せいぜい一種につき二、三の妖精がリンクすると聞いた事は有るけれど……
種類、光の種類は幾つほどでした?」
「幾つと言われても……有りとあらゆる色が入り混じって居たからわからないですね。
濃淡も有りましたし、第一その時頭痛や目眩もして居たので把握などできて居ません」
ザワつきが大きくなり「バカな」とか「有りえない」との声があちらこちらで上がる。
あり得ないと言われても、今の状況があり得ないんだけどね。
説明をしていた男も「信じられない」と言う表情を浮かべていたけど、一つ咳払いをして気を取り直した様に話を続ける。
「詳しくはまた後ほど伺わせて頂きます。
続けますが、祝福で貴方の寿命はかなり伸びます。
二種の祝福なら二倍、五種の祝福なら五倍、ですから貴方の場合限りなく不死に近くなったと思われます」
え?何じゃそれ。
「寿命に合わせて成長も遅くなりますので、貴方の実際の年齢は分かりませんが、暫く……かなり長い間その姿のままだと思われます」
その姿って……もういい加減認めなきゃ駄目か?
鏡は無いからじっと自分の手を見る……どう見たってこれ子供の…しかも幼児の手だよなぁ……。
妖精の祝福じゃなくて呪いなんじゃ無いの?
こんにちは、今日もありがとうございます。
「えー、前作と同じ残念ファンタジーかよ」って匂いプンプンですが、そんな事は無い……ハズ、
きっと違うハズ!ですので
明日もよろしくお願いします