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英雄召喚されたのに色々問題発生です  作者: 七地潮
第一章
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この世界の学問事情と結婚事情

ユゲ家では王弟のレン様が迎えてくれた。

宰相のレニ様はまだ仕事中の様だ。まぁまだ昼前だし。

「レン様、暫くの間よろしくお願いします」

頭を下げるとレン様は、

「敬称など不要ですよ。

レンとお呼びください」

笑って言われるけど、実際の僕と同じ年くらいだろうけど、見た目幼児が呼び捨ては無いだろう。

「ではレンさんで宜しいでしょうか?」

「ではそれで。

勿論妻や子供も敬称不要ですよ」

「いえ、流石に一国の宰相を敬称抜きとは……」

「城では宰相ですが、家では私の妻ですからね。

それに性別も変わりますから切り替えしやすいでしょう」

イタズラっぽく笑うレンに、

「確かに」

と頷く。

「では私の事も様抜きでお願いしますね」

僕が言うと、

「ならばお言葉に従いましょう」

態とらしく言いながら笑って手を差し出す。

僕は握手だと思って握り返したのだが……はい、そのまま手を引かれて屋敷の中へと案内されました。

ええー?王様もレンさんもハーフじゃ無いと聞いていたんだけど。

後日聞いたところによると、魔物の人達の様な『触りたい、抱きつきたい、触って欲しい』とかではなく、ただ単に自分の子供より小さな見た目だから手を引いた、との事。

つまりは完全に子供扱いって事だった。


*****


応接室でレンとお茶を飲みながら話をする。

「妻は夜になると戻りますが、息子も今は家庭教師が来ていて勉強中なので、紹介は昼食時で良いですか?」

この世界の子供は午前中家庭教師に勉強を教わる様だ。

「来年から学園ですから、基礎をしっかり学ばないといけませんからね」

家庭教師は色んな基礎を教えて、12歳から学園へ通うそうだ。

基礎…礼儀作法に始まり歴史や各国との力関係、国内の諸事情から馬術、剣術、体術、薬学、勿論妖術の基礎も学ぶと。

基礎だと言っても学ぶ事は多そうだ。

その基礎を学びながら、本人の資質や希望で、学園で何を学ぶか決めるそうだ。

家庭教師は小学校、学園は高校とか大学って感覚かな、と感じた。

学園で四年間学び、卒業後それぞれの道を進むとの事なので、学園はやっぱり大学ってイメージだな。


この世界では16歳で成人なので、学園卒業したらもう一人前だと。

僕の中の感覚では16歳ってまだまだ子供って感じるけど、卒業と同時に結婚する人もそれなりに居るそうだ。

いや、早いって!って思うのは現代日本人の感覚か?

そして他国では当てはまらないそうだけど、この国では離婚率ゼロなんだと。

素晴らしい!

死別は有るけど、良く聞く浮気や性格の不一致、DVや仕事にのめり込み過ぎて家庭崩壊とか、ギャンブルや買い物で借金が理由で、などなど結構耳にしてたけど、ここでは無いそうだ。

素晴らしい!

結婚するのも一人で生きるのも自由で、年取ってから独り身で居ても、周りは何も言わないと。

素晴らしい!

別に離婚をしてはいけない、など決まっているわけでは無いけれど、

『この人とずっと一緒に生きて行く、死が二人を分かつまで』

と思える相手と結婚するので、離婚は有り得ないとの事。

素晴らしい!

独りで居るのは、そんな運命の相手に出会えて居ないだけの事で、無理に結婚する必要も無い、と言う考えが一般的だと。

素晴らしい!

浮気とかは無いのかと聞くと、逆に

『死ぬまで一緒に居たい程好きな人と一緒になって、他に目を向けるなどあり得ない』

そうだ。

いや、本当に素晴らしい!

浮気…した事無いけど、された事は…………何だろう、景色が滲んで見えるなあ。


「魔物の方や祝福を受けた方は長生きしますからね、死別はあり得ますが、それ以外で別れるという事は無いですね」

「一生一緒に居る相手って、どうやって見つけるんですか?」

僕が聞くと首を傾げ、

「どうやってと言われても、出会えば分かるものなのではないですか?

運命の相手は必ず出会えますから。

私も妻と出会った時、私はまだ3歳でしたけど、ああ、このひとが私の相手だとわかりました。

ですが、その時はまだ旦那さんが居ましたから、待ちました。

妻もその時感じるものが有ったそうです」

ん?旦那が居た?

宰相さんは再婚か。

と言うか3歳って……。

「あ、妻の年は聞かないで下さいよ。

女性の年齢は秘密ですからね」

そう言ってレンは笑うけど、宰相さんハーフと言ってたし、結構年上なのかな。

しかし3歳で運命の相手が分かるとは、感覚が違うんだなとしか言いようが無い。

しかし良いなぁ、円満夫婦……僕もこの世界で運命の相手に出会えると良いなぁ………今度こそ幸せな家庭を……ああ、やっぱり視界がボヤけるよ…。

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