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英雄召喚されたのに色々問題発生です  作者: 七地潮
第一章
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これからの事

数日の間、術を使ってみたり、書庫で本を読んだり、遊戯室でこの世界のボードゲームを教えてもらって遊んだり、城下町を案内してもらったり、王子達とお茶したり…。

王子は相変わらず僕を敵視しているようだけど、ルル姫の付き添いとして割と頻繁に顔を合わせる。

ルル姫を始め魔族ハーフの方々は、隙あらば……みたいな感じで抱っこしたり、抱っこまでしなくても、頭や頰を撫でたりする。

余りにもベタベタ触ってくる人が多いので、最近慣れて来てしまった。

今もルル姫が僕の腕に絡み付いてて、王子が後ろで凄い目をしている。

「はしたないから離れなさい」

と言われても、姫は無視して

「あっちの噴水は変わった仕掛けが有りますの。一緒に行きましょう」

と僕を引っ張って行く。

そしてまた王子に疎まれると…。

そんなに気にしなくても、幼女をどうにかしようなんて思わないし、僕の中では従兄弟の娘に懐かれてる感覚なんだから、そう睨まないで欲しい。


そんなある日、スイから

「王からの伝言です。

明日の昼過ぎに会議室に来て欲しい、との事です」

「会議室?また何か通訳でもすれば良いのかな?」

術を習った日から、色んな人に有用な術を教えてくれとか、妖精がどう思ってるか聞いてくれ、など聞かれるようになった。

そしてその隙に撫でたり、ありがとうと言いながら抱きついて来たり…。

見た目中年なら実年齢は老年?な男性に抱きつかれる三十路男……シュールだ…………。


*****


翌日の昼食後、スイに先導され会議室へと出向く。

会議室には王様と白髪混じりの黒髪の宰相と、王様より年配の男女と、王様と同年代の男性の五人が居た。

スイが椅子を引き腰掛けると宰相が話し始める。

「さて、先ずはご紹介致します。

外交に出ていらした前国王のタシ・テム・リア様と奥方様のタシ・シフ・メル様、そして王弟のユゲ・リア・レンです」

紹介されて頭を下げたが、ふと疑問に思う事が……。

「ユゲ家は英雄家系で、黒髪の宰相様が直系なのではなかったのですか?

レン様は宰相様のご親族とご結婚されたのでしょうか?」

身内なら敬称無しでもまだ分かる。

「いえ、レンは私の夫です」

おっと、同性婚なのか?

英雄家系と王族が同性婚とかアリなのか?と思ったが、勿論口には出さないよ。

でも表情に出てたのか、宰相が

「私達は同性婚では有りませんよ。

勿論同性婚も認められていますが、私達は違います」

そう言うと宰相は目を閉じて口の中で何かを唱えた。

すると白髪混じりの黒髪の男性は、妙齢の女性の姿に変化した。

「ミミなどが無いですからパッと見た目では分かりませんが、私の親は淫魔で私はハーフなのです。

性別は無いので、パートナーになった相手に合わせて性別を変えております。

今までのパートナーの時は男性でした。

今は女性ですが、宰相という仕事柄、他国とわたり合うのはやはり男性の方が都合が良いですので、仕事中は男性になっているのです」

性別が無いとは、見た目だけでなく、やはり魔物と人は違うんだな。

不思議な世界だ。

宰相が元の姿(男性)に戻った後、前国王が口を開く。

「トウ・ドウ・ウチと申したか。

この度は我が孫が御迷惑をお掛けした。

これからの生活は国で面倒を見させていただくとして、流石にずっと城で暮らしてもらうのは困難だ。

ジンからも話しているだろうが、寿命的な事も考慮して英雄の家系で後見させていただきたい。

なので後見を決めるためにも各家に暫く滞在していただきたい」

その辺は王様に聞いていたので、僕は素直に頷く。

「了解いただき感謝する。

そこで先ずはユゲ家、宰相とレンの家に行かれるのは如何か?」

別に異論はなかったので、明日から暫くユゲ家の世話になる事となった。


まあここで反論しても、この幼児な見た目だと仕事も出来ないし、どうしょうも無いもんな。

とりあえず流れに身を任せようと思う。

やっと城を出る事になりました。

ここまで長かった、いや長くてすみませんでした。


明日はユゲ家にお邪魔します。

明日もよろしくお願いします

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