表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
英雄召喚されたのに色々問題発生です  作者: 七地潮
第一章
30/150

組み合わせたらこうなった

再びニヤとピヤを引き連れて中庭へ出て行く。

中庭ではニトと一緒にスイも居た。

「私の事はどうぞ気にしないで下さい」

あー、完全にお目付役ですね。

ニトが表情で「スゲー迷惑」と告げている。

僕?僕は気にしないよ。

ただニヤ達の暴走さえなければ問題ないからね。


「さて、術に慣れてもらう為に、色々術を使っていただきましょうか」

スイが居るから丁寧な口調のニトに言われて、光の子ともう一度水の子を呼んでみた。

ついでに闇の子も呼んでみようかな。

「スイさんはどんな術を使われるのです?」

問いかけに、スイが答える前にニトが口を挟んだ。

「コイツのトキ家はレアな術を使えるのですよ。

代々同じ種類の妖精が祝福を与える事は珍しい事なのですが、英雄家系には割と有りますね。

例えばオダ家の雷、トモ家の闇、うちの家は光、など血筋に惹かれるのではと言われています」

そうそうとニヤ達が頷く。

「そうですね、私の家では珍しい重力の妖精の祝福を頂いております。

私は祝福は二つでして、重力と空間の術を使えます」

へー、ピヤ以外にも空間の妖精って居るんだ。

『そうだよ、最初はボクだけだったけど、今は何人も居るんだよ。

ボク達は誰も最初は一人っきりだけど、死んじゃったら力が拡散して、だんだん増えていくんだ』

『そうそう、だけどオリジナルが一番力強いの。

広がれば広がる程弱くなるの』

成る程、コピー重ねて行くと劣化して質が落ちて来る、そんな感じか?

『コピーって分かんないけどそんな感じ』

言葉は通じなくてもイメージは伝わったようで、ピヤは頷く。

『だから同じ空間でも、とうちゃんはどこまでもどこまでも制御出来るけど、この子の場合なら部屋一つ分かな?』

「スイさんの制御出来る範囲って部屋一つ分くらいなのですか?」

確認の為本人に聞いてみたら、

「ええそうですね。よくご存知ですね」

「今ピヤ…妖精王が説明してくれたので」

僕の答えにスイは「そうですか」と、答えた後少し考えて、

「一つ聞いていただけますか?」

とニヤ達への質問をしてきた。

「重力なのですが、重い物を運ぶ時に軽くしたり、お仕置きの時に負荷をかける以外に、どんな使い方が在るのでしょう。

折角のレアな術なのですが、使いこなせていませんので」

うーん、普通に生活してて重力で何かすると言われても、そうそう思いつかないよな。

と言うかお仕置きってのは聞かなかった事にしておこう。

ニヤ、ピヤ、どうなの?

『自分を軽くしてジャンプすると、高い所へ行けるよ』

『要らない物をぎゅーって潰したりも出来るの』

ああ、確かに重力の負荷が少なくなると、ジャンプ凄い事になるだろうな。

後はプレス機代わりにも使えるな。

『後ね、空間で閉じ込めて重力かけると』

ハイストーップ、怖い事はいいから。

『水の上歩いたり、木のてっぺんで立って遠くを見たり』

『めちゃめちゃ軽くして、星の外までぶっ飛ば』

だから!物騒な事はやめなさい!

怖い事は抜きにしてスイに伝えると、

「成る程、色々参考になります。

ありがとうございました』

ニッコリ笑って頭を下げる。

今回のニッコリは怖くなかったな。


*****


水と光で現象を起こすとしたら、コレしかないよね。

「ほぉ、美しいですね」

「これは何か祝い事の演出としても使えますね」

水の子に霧雨状の水を発生させてもらって、光の子に強さや角度を変えて、色んな虹を作ってみた。

「しかし私達では考え付かない術の使い方ですね」

うんまあ、科学とか発達してなさそうだもんね。

次に闇の子とピヤの合わせ技で、50センチ程の空間に闇を詰めて、ニトの顔に当てる。

するとニトはジタバタと暴れ出した。

「こうして闇で囲って目眩しだけじゃなくて、空間と組み合わせたら、害獣駆除とかにも使えるんじゃないかな」

「成る程、見えないし音もしないのが良いですね」

ピヤに言って空間を解除する。

「ちょ……おま………何考え……」

ニトが文句を言おうとするけど、息が切れててまともに喋れてない。

ちょっとやり過ぎたか?

「害獣だけじゃなくて狩でも役に立たないかな。

例えば毛皮目的なんかだと、獲物に傷を付けなくて文字通り息の根を止められるから、有効かと思うんだけど」

「凄いですね、ウチ様。

今まで無かったアイデアがどんどん出てきますね」

『あの中で火を燃やしたら』

だからー、ちょっと黙ってなさい!

「他にも何か思いついたら、誰に言えば良いですか?」

他にも色々思い浮かぶかもしれないしね。

「戦いの事なら軍務、作物の事なら農林省の者でも良いですし、勿論私やニトでも構いませんよ」

まあ、名前しか知らない人とかより、スイやニトに伝える方が気が楽だな。


しかしまあ、怪しさ満載だったけど、術って面白いかも。

妖精ってもっと穏やかな存在イメージでしょうけど、うちの妖精めちゃ物騒です。

喋り方は甘ったれたるのに発言は、あんなのです。

……ホラ、ギャップ萌え?


明日もよろしくお願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ