僕の疑問も聞いてみた
「そうだなあ、そもそも何故他の国では祝福を授かる事は少ないと言うのに、我が国ではかなりの数の祝福が貰えているのだろう」
「王族や英雄の家系でなくても、祝福有るんだったよね?」
二人に聞いてみると、思った通りの答えが。
『好きだからー』
うん、そうだろうと思った。
『ワタシ達利用しょうとする人キライなの。
後人以外キライな人もキライなの』
「どうやら妖精達の力を利用しょうとしたり、魔族とかを差別する人には力を貸したくないと言う事みたいだね」
ニトに説明するとニヤ達はそうそう頷く。
「成る程、我が国では魔族との婚姻も普通だけど、北へ行けば行くほど【人間第一主義】で、魔物差別が激しいからね。
ほら、うちより北は魔物と関わり薄いし、南は南で国に攻め込まれて滅びた国もあるからね。
まあ元々魔物の領域に踏み込んだのは人間だから自業自得だよね」
おおぅ、辛辣。でもその通りだよなあ。
『後ね、妖精の城から遠い所だと生きていけないの』
これは脳内会話が良いかな。
妖精の城はこの国に有るのか?
『そうそう、だから遠い所行くと力が出にくくなるから、遠い国は無理だよ』
これは今伝えるのは止めておくかな。
「この国が好きだから他の国にはあまり行かないみたいだよ」
僕の言い方にニトは納得顔で、ニヤ達はそうそうと頷く。
「僕からも聞いていい?
その五百年前だかの魔物との戦いの前から祝福ってやってたの?」
この問いにはニトが答える。
「言ってなかったっけ?
元々この地に移り住んだ頃から祝福は有ったそうだけど、魔物との戦い後からはグンと数が増えたそうなんだ」
『あのね、魔物とも仲良くするから、好きが増えたの』
『戦ってたのに仲直りして仲良くなったから、凄いなって思って沢山好きになったんだよ』
「へー。
どうやら魔物との戦いの後、それまで敵対していたのに、休戦後その魔物を受け入れた所から好感度がグンと上がったって」
「あー、それは初代様の活躍大だなぁ。
これも王に報告して良いかな?」
会話は出来なくても言葉は通じてると理解しているニトは、二人(姿は見えないから光にかな)に向かって問いかける。
『いいよー』
軽く了承してるけど、妖精王が良いと言うから良いんだよな?軽いけど。
「それとニヤとピヤ、祝福与えてる人が死んだら君達も消えるんだよね?
なら初代様が亡くなった時消えたんじゃないの?」
それに妖精王は500年前の国王に祝福与えてたんだよね?
その妖精王達はそのまま消滅して、ピヤ達が次代なのか?
『うん、あの優しい国王死んじゃった時、その時の王と女王も消えたの。
余りにも悲し過ぎて復活するのやめたの』
『妖精王居なくても、ボク達には関係ないからね。
ボク達も初代様が亡くなった時復活するの拒んで完全消滅するつもりだったんだけど、初代様が消えるなって言ったから……』
『最後のお願いだったの。
だから一度消えて復活したの。
そしたら女王になってたの』
『魔素の取り込みが多くて、レアな術使えるからボク達が次代になったんだと思うけど、復活したらなってたから分かんないや』
本人達にもよく分からないけど、代替わりしたのはしたんだな。
しかしこれを目をキラキラさせて説明を待ってるニトに、どうやって伝えたらキチンと伝わるんだろう。
「あ、後もう一つ。
この世界に来た時言葉が通じるのは妖精の祝福で波動?が変わったからで、だから元の世界に戻れない、とか言ってたけど、祝福貰う前なら戻れたのか?」
「ああ、それは俺も聞いてみたい。
記録では召喚して直ぐ戻した人が居ると有ったのだが」
ニヤ達の話によると、この世界に来て、この世界の波動と合わない人は、元の世界で死に掛けた(と言うか死んだ?)人なので、召喚後瀕死になるそうだ。
だから送り返したと言う記憶が……生まれ変わる時に引き継いだ記憶があるそうだ。
また、波動は合っても祝福する前(妖精と繋がってこの世界との結び付きが強固になる前)にパニック起こしたり、有無を言わさず攻撃して来て身の危険を感じたりした人は、送り返したようだ。
因みに、送り返し先は召喚する直前なので、死に掛けていた人はそのまま死んだんじゃない?とのクールな答えが返って来た。
死ななくて良かったのか、気が遠くなるほど生きていかなきゃいけないのなら、死んだ方がマシだったのか……今の時点では判断できないな。
その後もニヤ達がヘトヘトになるまで質問は続いた。
予定ではいくつか質問してその後妖術の実践をする筈だったけど、二人のくたびれ具合に明日に持ち越しだ。
そして今日の話はニトが王に伝えるとの事。
僕が報告するんじゃなくて良かった。
面倒ごとは任せるに限る。
ちょっと予告
11.10.9です
詳細は次回の後書きで……って予想つきますよね。
その予想通りです。