表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
英雄召喚されたのに色々問題発生です  作者: 七地潮
第一章
20/150

建物の外見物〜厩舎へ行ってみた〜

はい、またしても吊るし上げの時間です……いや違う、大人が幼児に事情聴取の時間です。

王様や大臣達の前で、昨日聞いた妖精の事情を説明した。

勿論ピヤとニヤも呼んで、質問に答えて貰う。

通訳しているだけなのに疲れた。

と言うのも凄くしつこく聞いてくる人が一人いて、余りのしつこさにニヤが怒り出したり、ピヤが泣き出したりと……。

はっきり言って質問される妖精だけでなく僕も、その場に居る他の大臣達もうんざりしてて、最終的に王様が「ここまでにしておこう」と止めてくれたのでまだ良かったよ。

会議室出た後もニヤとピヤは落ち着くまで僕にへばりついたままだった。

細かい事は思い出したくもない……。


*****


「マキはどうも知識欲があり過ぎてな」

会議後お茶をしながら東館の応接室で王様とお茶をしている。

落ち着いたニヤ達は妖精の城へ戻って行った。

「マキってあの書庫番の…」

「父親だな。

文部大臣をしておるが、城の記録などを見ていても、あの家系は代々知識欲が過剰な……知りたがりと言うそうだな」

いや、それでもしつこかったぞ、一時間程のうち四十分はあの人の質問だったぞ。

「ははは、すまんな」

あ、顔に出てたか?

まだ出会ったばかりだけど、王様って国のトップなのに威圧感が無いと言うか、偉そうな感じがしなくて、とても話しやすい。

畏まらなくて話ができるから有り難い。

その理由が子供のせいで呼び出してしまったからなのか、見た目が幼児だからなのか。


*****


王様が執務に戻ったので僕も部屋に戻った。

さて、何をしようかな、ソファーでゴロゴロしていると、スイが

「お暇でしたら昨日は城の中しかご案内できませんでしたので、今日は建物の外をご案内致しましょうか?」

「建物の外?城下町とか?」

「いえ、騎士団の演習や動物がお好きなら厩舎などご覧になりますか?」

うん、ちょっと気になるかな。

元の世界ではお目にかかる事ない騎士団(きっと他の国では居るんだろうけど日本じゃあねぇ)と割と身近な馬、日常と非日常って感じだな。

スイに手を引かれながら北館から外へ出る。

まずは厩舎へ。


厩舎には沢山の馬がいて、隣接している放牧場にも20頭近くの馬が放されている。、

馬はサラブレッドなどではなく、もっと実用的な脚の太い筋肉質な馬だった。

軍馬と言えば良いのかな?

詳しい種類はわからないけど、とにかく力強く迫力のある馬だ。

どの馬も毛艶が良く、目も生き生きしている。

こう言うしっかり世話をされた生き物を見ると嬉しくなってくるのは職業柄かな。

寄って来た馬は鼻面を『撫でて撫でて』と寄せてくるので「いい子だなぁ」と撫でていたんだけど、いかんせん幼児体形、テンション上がって来た馬が寄せた鼻面に押されて転がってしまった。

「ウチ様!」

慌てたスイが馬を掻き分けて近寄り、抱き上げられた。

……本当に皆気軽に抱き上げやがって…。

抱っこされたまま厩舎を後にした。

僕を連れ去られた馬達が『待てよ』『置いてけよ』とばかりに嗎を上げているけど、スイは少しばかり不機嫌な顔をしてとっとと立ち去る。

「……馬の分際で…………」

何やらぶつぶつ言ってるけど、聞き返したらマズイ気がするのでスルーだ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ